東京の江戸川でスーパー堤防の建設が地元の反対を受けているようである。スーパー堤防とは、幅が200~300メートルもあって、究極の治水対策と銘打たれている。これほどの堤防はさすがに、単独では難しく区画整理や地域の住民の大々的な移動などが必要である。
このスーパー堤防は、アメリカが日本に要請した国内需要の喚起による黒字減らしの一環として組まれた事業である。1980年代のことである。ところが、一向に事業が進まない。金ばかりかかっている。
これまで5000億円かかって、僅か4.1キロ進んだだけである。これは870キロの全体のたった0.5%に過ぎない。このままでは、400年以上かかることになる。ダムは、政権交代で見直すと新政権は断言した。この事業は残されたまま、長年の住民の反対を受けて遅々として進まない。
これとそっくりななのが、標津川の河川改修事業である。蛇行河川を直線化したことの弊害を治し 、自然河川に戻そうというのである。70キロある河川のうち、僅か2キロ足らずの蛇行を表向き戻すという事業である。
この事業で我々が反対すると、蛇行復元部分は置いたまま、引堤だけを作りにかかった。洪水が起きたこともない、あるいは先住民の遺跡があるその外側の牧草地に突如大きな堤防が出現したのである。(左図参照)
この蛇行復元を銘打った、いかさま事業は全体で50億ほど計上されているが、引堤を作るために40億以上を予算化している。開発局も北海道の土木現業所も、自然回復を掲げたいかさま土木振興事業である。
これに賛同する、お魚が好きなであったりする環境保護を主張する連中がおこぼれに群がっている。お役所は、こうした人物を抱き込みながら、無駄な環境破壊事業を進めているのである。スーパー堤防と規模は異なるが、標津川の蛇行復元事業と全く同じ発想である。