アルカイダの創始者あるいは指導者である、オサマ・ビンラディンが殺害された。テロ組織の首謀者である。当然の最後かもしれないが、これが正義であるのだろうか。
アメリカの前大統領のブッシュが、「正義」を口にしてかなり の支持を得た。オバマもこの殺害で、それを踏襲した感がある。アメリカ国民に向けて「正義」を口にし、テロの危険が減少したと言う。テロの危険は増大すると思うが、この背景はアメリカが作ったことである。
ブッシュが、何の根拠もなくイラクに攻め入ったのは、フセイン憎しの一心である。そのフセインを支援して、大統領に就かせたのは他ならぬアメリカである。対イラン戦の支持のためであったが、お忘れか?
ビン・ラディンがアフガンに入って、ソビエトと戦った彼らに、武器と資金を与えて戦わせた。その首謀者を今度はアメリカが殺害するのである。
こんなアメリカに正義などあるわけがない。彼らにあるのは、目先の国益だけである。アメリカのためになるなら、思想や立場など何でも良いのである。
もっと気をつけて見なければならないのは、アメリカがパキスタンと言う国家に、何の了解もなく自由にターゲットの殺害が出来ると言うことである。国家の主権は何処にある?
同じようなことが、リビアでヨーロッパ各国が組んで行われている。カダフィは悪である。誰がどのような手段を用いて倒してもそれは、正義と呼ばれることになるのだろうか?
ましてや、パキスタンはイスラム唯一の、核保有国家である。すでに20発以上所有していると思われる。それに、アルカイダ支持者がかなりいる。政権もアメリカ寄りになると、支持されない。ビン・ラディン殺害で更に、テロの危険性は増すようになると思われる。
カダフィもビン・ラディンもフセインも支持するつもりは毛頭ないが、国益とはないか、国家とはなにかを考えさせられる事件である。