矢張りと言うべきには、あまりのもバカげた見え見えの発表である。事故当時は、炉心溶融などあり得ないような、東電の話であった。
しかし、今日東電は1号機についで2、3号機もメルトダウンしていた ことを認めた。一号機のメルトダウンの発表の反響を見ていたようである。
当時の彼らの発言を子細に見ると『否定できない』とか『可能性はゼロではない』と言った類の言葉で表現して、メルトダウンは起きていないとは言っていないと、平然と反発する。
私はこれまで、官僚のこうした発言を何度も聞かされてきた。初めは、慎重な発言かと思ってはいたが、経験を重ねるに従い、彼らは責任の逃れ方を熟知しているのであることが解った。
発表内容は、事実関係の最小評価を基本としている。発言する言語は、責任を誰かに押し付けるためのものである。発表時期は、世間の風向きを見て行うのである。
今回も同じである。東電も官僚も原子力委員会も同じである。ついでにの仲間の、原子力評論家も同じである。もう一つ、官邸も同じである。
2カ月以上経って、3機がにメルトダウンが起きていたと発表したのは、世間の熱気が引いてほとぼりが冷める頃を狙った発言である。いつもなら、ここらでの発表ならマスコミも大きく取り上げることはない。取り上げたところで、冷めやすい日本社会ではほとんど忘れ去られていることが多い。こうして責任者である、当局は責任を逃れることになるのである。
今回はいつもとは、様子が多少違うようである。第一事件が相当大きく国家予算も、経済の根底をも揺るがす事故である。。福島原発を誰もが注視している。
さて起きたことは取り返しがつかない。メルトダウンが起きても、炉心は冷えているとのことである。今後の大きな問題は、高濃度に汚染された廃棄物の処理である。多分30年以上かかるであろう。
これでも原発を容認する人たちがいることの方が恐ろしい。