そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

消防団員のケアーを

2011-06-24 | 政治と金

 地方出身の人や田舎に勤務したことのある人なら、誰でも知っている「消防団員」と呼ばれている人たちいる。都会にもあるようだが、公務員の消防士が主体になってよく見えてこない。

 消防団員とは、本業を持ちながら自らの住むところで火事などの緊急事態に対Photo処する、民間人のことである。広さがある田舎では火事など真っ先の駆けつける、重宝であ有難い存在である。

 今回の東日本大震災でも彼らの活躍は際立っていた。津波襲来に向けて、一刻の猶予もない時に現場で多くの人を救った。

 しかしその一方で、それがために亡くなられた方も多い。東北三県で行方不明・死者が249名にもなっている。

 極めて不謹慎になることを承知で書くと、岩手県では消防団員は116名の方が亡くなられたり行方不明であるが、消防士は27名、警察官は3名である。今回のような場合、現場に最も近い消防団員が、最前線でいかに働いていたかが良く解る。

 近所の老人や子供たちを探しに行ったり、地域の人を誘導中に津波に巻き込まれたりした方が圧倒的に多いのである。防潮堤を停電のために、手動で操作していた方々も亡くなっている。

 目の前で友人や仲間を津波に持っていかれたり、仲間内で自分だけ助かった消防団員の方たちの多くが、自らを苛み心的外傷後ストレス障害(PTSD)になっている。

 私的に消防団員を何人も知っているが、彼らは職業的な消防士ではない。ボランティア精神によって支えられた、地域を強く思う人たちである。今回のような惨事では、彼らこそが本当に働き機能した人たちと言える。

 総務省は、彼らのために「緊急メンタルサポートチーム」を結成して、現地に派遣することを決めた。遅きに失した感はあるが、消防団員の存在を改めて知らさされた、今回の惨事である。

 最前線で被災と向き合ったこうした人たちのことを思うと、国会のドタバタ劇はいかにも陳腐であり、到底許されるものではない。

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