圧倒的な経済成長とそのマスの大きさで、順調な経済成長を保って北中国であるが、ここに来て成長に陰りが見え始めた。左の表は、中国国家統計局が発表した、昨年最後の四半期(Q4)を記載したものである。
昨年当初から、順調に減速しているのがわかる。緩やかでありながら、それでも8.9%を保っているのだから、何の心配もないと政府は強気のコメントをつけての発表である。
ところが、今回の減速はこれまでと少し内容が異なる。中国経済を牽引していいた、不動産と車両の販売が大きく落ち込んでいるからである。
車両の販売は、おととし32%の伸びがあったものが、昨年は僅か2.5%まで落ち込んだのである。全く売れなくなったといってよい。リーマンショックを乗り切る、内需拡大の一環として車両購入に出されていた、補助 がとめられたことが大きい。
更に、不動産は政府が投機対象の販売に規制をかけたために、急速に落ち込んでしまっている。海岸の好調な経済の象徴ともなっている、マンションや別荘や土地建物の購入が、極めて深刻な落ち込みになっているのである。
こうしたことから、中国が逃れることのできない、人件費の高騰と高齢化問題の乗り切りに、大きな不安材料となっているのである。
更に、ヨーロッパ通貨の信用問題が、大きくのしかかってきている。最財の貿易相手地域である、ヨーロッパとの貿易が冷え込んできているのである。
雇用を保ち社会不安を払拭するには、中国は8%程度の経済成長が必要とされている。中国は、民主化や民族問題や人権問題や格差問題など、多くの社会不安を抱えている。それらを封じ込めてきたのが、高い経済成長である。
8%を切ると、これらが一気に噴出する可能性を秘めている。その日も近いと思われる。中国の経済成長を当てにしてきた、日本やアメリカがどうあわてるか見物である。