そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

弱者に襲いかかる消費税と定数削減案

2012-01-20 | 政治と金

野田ドジョウ内閣が投げかけている、税と社会保障の一体改革は、国民への増税案が厚化粧した、弱者に負担を厚くするものである。

単純に増税といえないから言葉として、社会保障と抱き合わせただけに過ぎない。

何よりも、消費税の本質が語られることがない。いくらに(何%)するかいつにするかだけが、論議されている。以前のの導入の時、あるいは3から5%にする時には、消費税そのものについての論戦があった。

今回はいつでも、何にでも、誰にもかけると言うものである。英国や北欧のように、食料や医療などには課税しないなどといった話は今回は全くない。

消費税の逆進性は、何度も言われていることである。収入の低い人たちの負担が大きくなるというものである。一般的には、食費の比率が高く、消費に回る部分の比率が高いために、低所得者は高所得者に比して負担が大きくなるというものである。

この比率を抑えるために、食料などの必需品には消費税をかけないか低くする処置が、便法として取り入れられているのである。今回はこうした論議が全くなく、低所得者にはお役所に来てもらって、現金を返すことを考えているのである。金が欲しい低所得者は、恥を忍んで取りに来いというのである。

かつての消費税導入などの時には、所得税の見直しなど、他の税制への配慮などもあったが、今回はまるでそれがない。消費税のアップは、単なるアップ分の増税を意味している。

増税の一方で、国会議員定数の削減が提案されている。民主党が、かつて自民党が提案した削減案をそっくり持ち込んできた。

自民と民主の2大政党にとっては、同じことである。小選挙区制になって、この政党以外に投票した票は、死ぬことになる。そもそも、立候補すらできない。そこで少数意見の反映のために、比例区が設けられているはずである。それを今回は削減するのである。

少数政党は消えるしかない。

田舎は過疎化が進んでいる。田舎とは農村地帯であり、僻地である。一票の格差が生じているのは、田舎から都会へと人が流れて行った結果である。その結果を重んじるのが一票の格差の是正である。

田舎は結果的に、都会に議員も奪われることになる。北海道一区は、僅か数キロ四方に一人貼り付けられている。その数万倍の面積に一人のわれわれの地域から、またひとり減らされることになる。環境への配慮はない。

議員定数の削減には反対するものではない。しかし、今回の案では僻地や少数政党などの弱者には、相当厳しい内容といえる。

今回の一体改革は、弱者に打撃を与える強者の論理に満ちたものとなっている。

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