何かと物議を起こしている、アメリカ軍の輸送機オスプレイである。日本国内の安全性の懸念から、国内配備に反対の声が幅広く起きた。沖縄でのヘリコプター墜落事故で、一週間ほど延期したが、沖縄県民の声など聞くことなく、普天間に持ってきた。
最も危険な基地に、最も危険は飛行機を持ってきたのである。日本政府はもちろんのこと、沖縄県民などの声など全く聞くことなく、米軍は淡々とオスプレイ配備のスケジュールを実行した。
このオスプレイを、自衛隊に導入をする方向で検討に入った。昨年暮れの自民党が政権を奪取した直後に、東京新聞がすでにこのことは報じてはいた。防衛省は、前政権の民主党時代に、森本前防衛大臣がオスプレイの導入を指示していたというのである。
今回は2年後の導入に向けての予算として、来年度予算に1億円を技術料の購入などの計上するというのである。中期防衛力整備計画に明記するとのことである。
先ごろ進水した、”いずも”にオスプレイを積み込むことで、これは海洋進出に積極的な中国を、強く刺激することになる。いずもはこれで実質的な航空母艦以上の働きを持つことになる。
オスプレイはこれまでの経緯を見ていると、いずれかの時点で必ず事故を起こす。その事故が今起きれば、さすがのアメリカも配備などに躊躇するかもしれないが、自衛隊も導入した後だと、全く意に介さないであろう。忘れやすい日本人は咎めることもなく、オスプレイを受け入れて行くことになるであろう。
オスプレイを日本が購入してくれることは、開発に莫大な費用がかかった欠陥機にとっては、ありがたいことである。又技術的にも、自衛隊はさらにアメリカ軍の傘下に置かれることになり、一層のアメリカ下請け存在になる。
ここに、集団的自衛権行使も可能とする解釈が加わると、自衛隊はアメリカ軍のお先棒を担ぐだけの存在になってしまう。明らかに憲法9条に抵触する。
最大野党の民主党が与党時代に検討していたオスプレイの導入は、声高に反対する勢力が共産党だけになってしまっている現状、安倍政権は悠々と導入に踏み切ることになるであろう。安倍政権はこうして更に右傾化し、アメリカ従属国家としての色合いを強めることになる。