今年も8月6日がやってきた。68回目の広島原爆投下の日である。原爆死没者慰霊式典では、松井市長が核兵器を非道の極みと断じたのに対して、安倍首相は当初予定していた核の平和利用についての部分は、原稿にあったが読むことがなかった。
安倍内閣はNPTの、核兵器に対する人道的影響に関する共同声明の署名に、日本は拒否している。アメリカの核の傘を意識した、核容認の姿勢である。
言葉では平和祈願を言いながらも、安倍内閣はまさに原爆投下の当日に、事実上の空母の進水式を行っている。
「いずも」は、護衛艦と称しているが事実上の空母である。全長248メートルという戦後最大の長さで、1万9500トンのヘリコプター搭載艦、護衛艦と呼んでいるが、まさしくこれは空母である。広島で口先だけの平和を言いながら、片方ではこんな大きな航空母艦の進水式を行っているのだ。
この式典には、ナチスの憲法に学べと無知な発言を行った、麻生副首相が出席している。軍事オタクの石破茂自民党幹事長も出席している。1200億円もかかった艦船だそうだ。未曾有(ミゾユー)の式典である。
いずもは甲板を少し改良するだけで、ステルス戦闘機の発着が可能である。今のままでも十分に出来そこないとはいえ、立派にオスプレイなら何機も搭載できる代物でもある。
海洋進出にお盛んな中国が、これに早速噛みついている。戦時中に日本が中国侵略に派遣した戦艦と、同じ名前であることも刺激材料である。さらに、これは集団的自衛権の発動に格好の艦船であると、警戒感を強めている。
安倍首相は平和を口にする一方で、着々と戦争のできる国家へと歩みを進めているのである。
左のフォトアルバムに<夏の雌阿寒岳>をアップしました。