そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

日暮れて道遠いエジプトの民主化

2013-08-22 | 政治と金

アラブの春がエジプトに訪れ、30年近く政権を担っていたムバラクが失脚した。国民の力、あるいは民主化の象徴のように見えた。ムバラクの独裁制は法廷で追及されて、彼は投獄された。Photo
その後選挙によってモルシ政権が誕生した。ムスリム同胞団の支持を得てモルシは政権の座に就いた。その一年後に、モルシは軍のクーデターで追われることになった。

経済政策の失敗やイスラム色を強めた政権はアメリカに嫌われることになった。イスラエルとの対立は表面化する直前だった。

民主化を要求して、曲がりなりにも選挙結果で生まれた政権である。民主化を主張するのなら、議会での論争や交渉で政権に対峙するべきである。彼らはまたもや暴力を選択して、政権を奪取した。

モルシ派は黙っているはずがない。反政府デモは途絶えることなく、すでに850名もの死者を出している。イスラム圏は論争が得意でない。お互いに譲ることなく、現
政権は宗教の介入を排除する法案を作るようである。ムスリム同胞団を非合法化を図っている。

反政府デモについて、暴力には断固とした処置をするというのである。クーデターを起こして政権を奪取した政府が言えることかと思われる。丁寧な論議が今後起きるとは思えない。

更にアラブの春で打倒した独裁者の、ムバラクを保釈することになった。裁判形式Photo_3
は良く解らないが、多くの起訴内容が猶予されて保釈されることになった。アラブの春を完全に否定したことになった。

今回のエジプトの動きに最も喜んでいるのが中国である。民主化とはこうした事態になるというのである。中国は正義の政策を行っていて、民主化とはこのようなものになるというのである。

天安門事件を認めようとせず、歴史に直面することのない中国は、ホラ見たことかとほくそ笑んでいる。民主化の動きを抑え込む格好の理由を見つけたのである。

エジプトの食料自給率は極めて低く、アメリカに胃腑を握られた格好である。軍はアメリカの支援でやりくりしている。イスラエルに不都合な政権はこうして追われるのであるが、民主化の道は程遠い。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羅臼港

春誓い羅臼港