そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

グレーゾーンの検討?ブラックの間違いでないか

2014-06-03 | 政治と金

与党協議という非公式の会議を開き、自民党が懸命に、集団的自衛権の容認に向けて公明党を説得にかかっている。先ずは、グレーゾーンの検討で懐柔しようというのであろう。グレーゾーン? よく見ると、国内でしか起きることのない例や、警察がやれば十分のことばかりである。
ところでその、グレーゾーンと呼ぶ言い方であるが、問題の本質をも懐柔させる言葉となっていることが判る。
同盟国が純白であることが前提となっているからである。つまり、同盟国の行為は正義であって、これに立ち向かうのは悪、即ちブラックという前提である。
世の中こんな、善悪がはっきりしている図式は存在しない。ましてや、国際紛争が前提の論議である。好戦的な政治家や軍隊が、作り上げるおとぎ話で、愛国主義をテコにして正義と非正義を別けるだけである。
その解り易い例が、イラクに攻め入ったアメリカである。当時の小泉首相は、世界に先駆けて早々と支援を表し、自衛隊の派兵を行った。この時のアメリカは純白だったか? 侵攻理由が見つからず、ブッシュは「イラクには、大量破壊兵器があってスカッドミサイルはロンドンを標的にしている」と公言し、先制攻撃をかけた。
攻め入るための理由がなければ、ねつ造するのである。アメリカはこれまで無数の戦争理由を作り上げてきた。アメリカだけではない。特に世界の大国はそうした歴史を持っている。
同盟国が正しいとは限らないのである。仮に集団的自衛権を行使可能になったとしても、同盟国なら無条件で参戦するのではなく、誤りを指摘することがまずあるべきである。それが真の同盟国関係というものである。
ところが、与党協議で検討されていることは、同盟国は純白であることを前提にしている。その場合の敵国はブラックで、成敗される相手と位置付けられている。
北朝鮮ですら、アメリカからの防衛を主張しているではないか。彼らは自らの主張は潔白というであろう。アメリカが正義で北朝鮮が非正義とする図式は普遍的ではない。

しかし、武力を使うことだけは普遍的に悪である。正義の戦争など存在しない。それは自衛の理由を覆い隠すための、言い訳にすぎない。
なぜなら、戦争は人殺しであって、戦争こそ、悪=ブラックに他ならないからである。

左に<春を迎える西別岳>をアップしました。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羅臼港

春誓い羅臼港