そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

司法取引に反対である

2014-06-24 | マスコミ報道

法制審議会の刑事司法制度特別部会で23日、容疑者が捜査に協力した見返りに検察が起訴を見送ることなどができる「司法取引」が法制化される見通しとなった。海外ではいくつかの国が導入している。
物語としてなら、ストーリーが幅を持ち展開が複雑になるため、小説としては面白い。
しかし、今回の日本の導入検討の背景を考えると、現実の問題として慎重に検討すべきと思われる。
日本では、検事取調べ側が不法に行われてきた数々の、冤罪を産んだ歴史がある。その結果として、取り調べに録音・録画の導入が不可避の状況であるために、取調べ側が新たな武器として導入しようとするのである。
5年前に「裁判員制度に反対である」にも書いたが、本来専門職として法律を学んできた専門職を、一般人に判断を仰ごうとするこの制度のは問題がある。審議内容が公開されると言った、初期の目的すら薄らいでいる。
検察側は、これ以上公開したくはないのであろう。可視化は検察側にとっては厄介な制度となる。その抑制作用としての導入はいかがと思われる。
被疑者が罪を軽くするため、虚偽の供述によって別人に罪を負わせる可能性がある。取引が新たな罪を産んだり、被疑者を作ることにもなる。
複数の被疑者が通じることで、相互に罪状が不鮮明になる可能性がある。何よりも、法の下での平等性が保てないことになりかねない。
現在でも情状酌量があり、罪を認め反省の態度が真摯だったり、捜査に協力的であれば、罪状は軽減される。改めて司法取引など導入する必要などない。
検察側が取り調べや捜査が簡便になることを願っているのであろうが、司法取引の導入には反対である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羅臼港

春誓い羅臼港