第二次世界大戦で連合軍が勝利する大きな転機となった、ノルマンディ上陸作戦の日(D-day)から今日で、70年になる。戦勝国のお祭り騒ぎ
となるセレモニーが開かれている。
戦力の中心となったアメリカ兵が、8000人もこの戦で死亡している。アメリカは特に記憶に留めたいのであろうが、今回の主役はどう見てもロシアのプーチンである。
G7で各国にロシア制裁を訴えたが、空振りに終わっている。オバマの
ひとり芝居の感すらある。EU各国はそれほど簡単に敬愛制裁などできない。プーチンの付け入るところである。
このお祭りは、プーチンの巻き返しの格好の舞台となった。プーチンは早速、イギリスやフランスの首脳と会談をして、存在感を示している。ウクライナの大統領となる、ポロシェンコとも会談している。オバマとは、会話を交わしたと報道されたが、意見交換の会談ではない。
世界は多極化している。特にアメリカが世界の覇者として君臨するには、アメリカは余りのも不条理で身勝手であり、さらに世界は利害関係が交雑し余りにも複雑になってしまっている。日本は、このアメリカに無条件で追随しようというのが、集団的自衛権である。
世界は経済的にも軍事的にも、さらには民族的にも単純ではなくなってきている。更に情報の早いことは驚くばかりである。
ロシアの不条理を正す手段は単純ではない。中国についても同じである。特にこれらの国が、国内で行っている民族弾圧を、テロと呼び思考停止の悪として殺戮を繰り返すのを、結果的に世界は容認している。ウクライナやシリアの混迷は、これまでの力の政策や思想では解決できないことを物語っている。
正義が悪を打ち砕く単純な図式は存在しない。D-dayは戦勝国の、ノスタルジアの式典といえる。
羅臼港
春誓い羅臼港