イラクのスンニー派が、アルカイダ系の過激派の支援を得ながらバクダッドに迫っている。今武器を持って戦っている若者は、幼少期にアメリカによって、母国が叩きのめされるのを見て育った世代である。
ブッシュが親子二代にわたって、イラクを叩きのめした。パパブッシュは、クエートにフセインが侵略したと、世界に呼びかけて叩きのめした。日本では小沢一郎が、1兆円供出した。
そもそもクエートは、イギリスがイラクからもぎ取った、産油地である。現在進行中の、ロシアのウクライナ東部への介入に酷似する。
息子ブッシュは、ありもしない大量破壊兵器でアメリカが脅威にを受けていると、侵攻した。小泉純一郎は真っ先に支援を表明し、憲法違反の自衛隊派兵を行った。
独裁者フセインは、人権擁護者でもなければ平和主義者でもない。力の論理で国家を統治し、世界を常時威嚇していた。典型的な
独裁者である。然しながら、宗派間の対立は抑えてはいた。何もなくもないが大きな紛争は起きることはなかった。見た目の平和は存在していた。
ブッシュは、親子二代にわたってイラクを破壊した。今日のイラクの政情不安は、アメリカが作り出し他ものである。特に、息子ブッシュはアフガンからの、9.11の流れを、そのままイラクにぶちまけた。
アメリカは撤退したが、傀儡政権のシーア派のマリキは支援を要請している。外交で何一つ成果のないオバマには、成果が期待できないイラク再介入は慎重である。無人偵察機を投入するようだと、さらに問題は大きくなる。
それにしてもここまでかと思うほどの、宗派間の対立は深刻である。シ
リアでもイラクでもレバノンでも、解決不能な状態である。アメリカが、政治介入にその時々に利用しやすい宗派を選択し、支援してきた経過が混乱をもたらした。右の写真はスンニー派が処刑を行う瞬間の、恐怖の映像である。
アメリカは、何の理念もない目先の対応をくりかえす。かつてはフセインを支持したり、アルカイダに武器を送ったりした経過が、それを物語る。
アメリカは時どきの介入理由を美しく塗り飾る。民主化を行うとか、世界平和の脅威を取り除くとか、テロを排除する等々であるが、すべて嘘である。
今日に中東とりわけイラクの政情不安の、全ての責任はアメリカにある。現在相対的に存在感のなくなったアメリカは、反オバマの叱咤を背に受けすでに解決能力もなく傍観する以外の方法はないのである。