今日は、20万人以上が犠牲となった沖縄戦の、69年目となる「慰霊の日」である。終戦の1945年(昭和20年)牛島中将が、自軍を放棄し自害した翌日である。終戦の52日も前に実質的に沖縄では終戦を迎えていたことになる。
これまでに、当ブログで「沖縄慰霊の日に思う」と「沖縄慰霊の日」など
を書いたが、今また読み返してみても何も変わっていない・・・のではなく、さらに悪化している現実がある。
沖縄に米軍が上陸したのは、4月1日であるから、僅か80日で20万人もの人が亡くなったのである。沖縄を日本は遺棄した。沖縄は、本土決戦に備えて米軍の戦力を削ぐためと、位置付けられていた。帝国日本の上層部のメンツだけの判断である。
沖縄は日本に併合されて(1879年:琉球処分)66年目に、日本軍に遺棄されたのである。更に沖縄の悲劇は戦後も続く。アメリカの占領下に27年も置かれることになる。
沖縄の返還には、佐藤栄作が虚偽を重ねた密約によって、日本の統治下に置かれた。そして、現在は基地の島と化して、アメリカの世界戦略に重要な役割を担っている。日本は基地の提供ばかりか、思いやり予算と地位協定さらには現知事によって普天間は裏切られ、沖縄県民はいまだに遺棄され続けている。
先日当地で、ドキュメンタリー「標的の村」の上映会を開催した。沖縄県民が、いまだに遺棄されつづける現実を肌で感じた。
当地で沖縄戦と戦った元兵士の生の声を聴いて、紙芝居にして別海九条の会で何度か上演した。この兵士が投降したのは、10月10日ころである。軍人すら遺棄され彷徨う戦いであった。
沖縄は何時まで遺棄され続けるのだろうか?
唯一救われるのは、摩文仁の平和の礎は、民間人も軍人も敵国人も区別なく記入されている、平和祈念の碑ということである。日本軍人しか祀らない靖国神社と対比してみると、いかに靖国神社が歪で戦争礼さん神社であるかが際立つ。