そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ベトナム戦争敗北から40年経ってまだ懲りないアメリカ

2015-04-29 | 平和
明日(4月30日)は、サイゴンが陥落してベトナム戦争が終結してから、40年の節目になる日である。あの戦争何だったのか、名誉ある撤退を模索したアメリカは、この戦争の敗北を”教訓”にもしていない。米ソ対立を軸にした、冷戦構造の中、中国、北朝鮮。北ベトナムと次々と共産化することを恐れる、ドミノ理論の恐怖がアメリカを駆り立てた戦争であった。
超大国がアジアの貧国に敗北した戦争である。当時のアメリカ側の報道を改めてみていると、全ての敵を”コミニスト(共産主義者)”と呼んでいる。背景には、直前に行われたアメリカ国内のレッドパージがある。ソビエトや中国を研究する学者などすべてを放逐したので、冷静で精密な判断ができなかったのである。すべては共産主義が悪いという論理である。
戦況が不利になりアメリカは、北ベトナムに和平交渉を申し入れた。これもかなりの紆余曲折があり、北ベトナムはアメリカの撤退を主張し南の政権そのものを認めなかった。
3年以上に亘った、北ベトナム政権のレ・ドクトとアメリカのキッシンジャー大統領補佐官との秘密交渉は、アメリカの強行姿勢で潰れることになる。協定を無視してアメリカはラインバーガー・Ⅱ作戦と称する、北爆が行われたのである。10年分の爆弾が投じられた。
結局アメリカは、サイゴンの武力的な陥落を待つことになった。アメリカは、『名誉ある撤退』を模索し続けたが、かなわなかったのである。北ベトナムの提示以外に解決方法がなかったことを知る機会を、アメリカは持つことがなかった。レ・ドクトはアメリカの反戦運動をはじめとする、世界的なアメリカ非難の声が高まるのを見ていたのである。
アメリカはその後も、世界の各地で紛争や戦闘を繰り返すことになる。アフガニスタンとイラクに攻め入って、同じような泥沼に陥っている。正規軍以外の抵抗をテロと呼ぶようになったが、テロは武力では制圧できない。世界最強のアメリカには打つ手がないことを、40年前のベトナム戦争の敗北から学ばなければならなかった。

ノーベル賞委員会は、キッシンジャーとレ・ドクトに、ノーベル平和賞授与を決めたが、レ・ドクトは侵略者と犠牲者を並列評価することに異議を唱え、受賞を拒否した。レ・ドクトはノーベル平和賞を拒否した唯一の人物である。

現在に目をやれば、出来もしないし取り組みもしなかった核廃絶の虚言で、恥ずかしげもなくノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領であるが、本日会談している日本の総理の祖父も、非核三原則なる虚偽による受賞をしている。真にお似合いのお二人の会談であるといえる。
レ・ドクトを見習え!それができなければ平和賞は返上するべきである。
そして、ノーベル平和受賞者のオバマは、世界の何処にでも出かけて戦闘できるように前のめりの、積極的平和主義の安倍首相を称賛する。集団的自衛権以前の、極めて低レベルな日米首脳会談と言える。
コメント (5)
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