
この日の応援演説には約2000人(自民党調べ)が日の丸などを掲げて集まったが、そんな支持者を飲み込むように、共謀罪などに反対してきた市民グループらが集まり、「安倍帰れ」の大合唱となったのである。
おまけに、政治音痴でウルトラ右翼の稲田朋美の本音をさらけ出した発言に、自民党は大逆風の中にある。順風の中にあるのは、都民ファーストの会である。現在代表の小池百合子の人気に支えられている。東京都政は週に二回程度しか登庁しなかった石原慎太郎が、官僚に丸投げ自民党都議連の僕に成り下がる無責任都政のがその後の二代のバカ知事を生んだ。その尻拭いをする小池百合子に人気が集まっていのである。それでは小池は何をやったかというと、オリンピックと豊洲伊市場移転問題を、それぞれ先延ばしにして元の鞘に納めたに過ぎない。小池も何もやっていない。前任者たちの不祥事をあからさまにしたことで人気が出た。それだけである。
小池百合子の特別秘書をやり、都民ファーストの会前代表の野田数の経歴を知れば、都民ファーストの会の本質が見えてくる。野田数は現憲法の無効を長年訴え、戦前の大日本帝国憲法の復活を唱えている極右翼である。小池も同様である。憲法記念日の廃止を訴えたり、日本会議の議員連盟の幹部でもあった。時折、GULFNewsに英文の評論を書いていたが、保守そのものの論調で日本ナショナリズムの鼓舞でしかないものである。
都民ファーストの会は自民党はおろか、安倍晋三にも引けを取らないほどの極右翼団体なのである。都民ファーストの会は、いずれ維新の会同様に自民党の補完勢力になるという、イギリスの記者の発言が正しかろう。国政に参加するようだと、もっと右傾化することになるだろう。しかしというか残念ながら、都議選挙で自民党がとりあえず敗北するのも悪くはない。できれば目を覆うほどの惨敗を願うものである。