そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

奇怪な「入国管理法改正案」貧困層を増大させるだけである

2018-11-05 | 安倍晋三
とても綺麗な言葉に聞こえる、「同一労働、同一賃金」であるが、これほど裏のある言葉はない。この言葉は当然のようで、誰も反論できない、同一労働なら賃金(体系)は同じであるのは当然と思い、反論しない。
しかし、それは相当昔の労働賃金体系、労働条件を念頭にしているから反論でないのである。労働の現場は、小泉・竹中改革によって非正規雇用が際限ない広がりを見せている。労働三法で守ってもらえず団結権もなく、労働組合からも除かれた存在として、定期的に解雇と雇用を繰り返される派遣社員が日本の職場を圧倒し始めることになる。
雇用者側に立つ政権がこうした条件の下で、同一労働同一賃金を唱えるとどうなるか明らかである。企業側は低い方に合わせることになる。正規雇用者たちの労働組合は当然のことであるが、反対する。それに対して企業側は国民の声を背景に、労働組合側を批判するという、妙な構造が出来上がっている。
今回安倍晋三が下向いてメモを懸命に読み上げる「入国管理法改正案」であるが、もっと安い、もっと労働条件の劣悪な、雇用と解雇のハードルの低い労働力を導入するための道具である。この道具を機能させるために、中身をほとんど検討させずに、条例でこの法律は動くことになるという、極めていい加減な法律である。法の目的使命が、労働不足を口実に賃金を抑えることになっている使命からに他ならない。竹中平蔵の主張する、非正規雇用関係だけにすることへの道である。
そもそ少子高齢化の深刻な社会が目前に迫る中、バブル時代の幻影に向かって、成長ばかりを目指すから人で不足なのである。規模を縮小させ安定させてなお、人材不足なら致し方なかろうがはたして現実はどうなのか、私は酪農の現場しか知らないが、国の政策として巨大化巨大化の一本やりの政策では、人が不足するは当たり前である。
非正規雇用でこの国を満たし、そこへどうやら120万人ほどの外国労働者を見込んでいるようである。経済企画庁の職員の試算によれば、50万人なら13.82%賃金が下がり、100万人なら24.24%下がると試算していることが判った。120万人ならどうなるか明らかである。
この法律が、貧困層から職場と賃金を奪うことになる。
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