まるで大統領選のように走り回ったトランプであるが、アメリカ中間選挙は明かな共和党の敗北であるといえる。この結果を、相も変わらずトランプはツイッターで、「不快で敵愾心に満ちた、”フェイクニュース”である」と、憤りを隠さない。敗北をトランプ流の言葉で認めているようもも思えるが、これではこれからの議会対策になるとは思えない。
下院は民主党が過半数を超え、上院も改選議員は民主党は共和党を圧勝した。ねじれ現象が起きた議会を相手に、短気で一本やりのトランプに交渉や寝技は不得手である。これまで初の中間選挙で敗北した大統領は、政策の軌道修正で再選を果たしている。トランプにはそれほどの器用さはない。相変わらず分断の社会をさらに大きくし、支持者だけの政策を進めるしかないだろう。
トランプの政策(というよりもほとんど行状であるが)は、グローバリズムとリベラリズムへの挑戦である。こうした政策が、未来を拓くとは到底思えるものではない。今回の中間選挙はわずかにアメリカの良心を示した。それすらトランプは認めることはないであろう。ねじれがとランプを成長させるか、更なる暴走に走るかはこれから見物である。