サウジアラビア人記者のカショギ氏がトルコのサウジアラビア大使館で殺害されたことについて、トランプは殺害を誰が指示したかを徹底調査して、その対応をすると発言していた。ところが、誰が見ても解るように相当高い地位からの指示だというのは拭切れない事実として浮かび上がってきている。調べれば調べるほどムハンマド皇太子の姿が浮かび上がってくる。CIAをはじめとして、アメリカのいくつかのメディアもムハンマド皇太子の指示が明らかになったと述べている。
サウジアラビアは実行者を特定し、数人を死刑にしたと発表している。事実関係に疑義がなくはない。
ムハンマド皇太子が指示した事実は、トランプは受け入れ難いのである。カショギ氏の殺害の録音テープを提出されても、トランプは聞こうとはしなかった。トランプは、「我々は殺害に関する事実のすべては、知ることはできないだろう」と述べ、ムハンマド皇太子の責任を追及しない姿勢を鮮明にし、サウジアラビアは「偉大な同盟国」と強調し、何億ドルのもの武器の購入をしてくれるし、石油を提供してくれるなどと述べ、関係維持を強調した。
トランプには倫理観など微塵もない。アメリカ第一主義は金である。経済である。自由主義だ国際法に反するや人権が蹂躙されているなど、アメリカはこれまで多くの国に政治介入も軍事介入もしてきた。しかしサウジアラビアは王政を布く独裁国家であり非民主主義国家であり、女性と異教徒に対して人権を認めない暴力国家である。
アメリカに少しでも倫理が残り理念の欠片があるなら、サウジアラビアの政治体制も人権に対しても疑義を突きつけるべきである。イスラエルに対しても同じである。非人道的な暴力行為も、不法な占拠も疑義を突きつけるべきである。
中国ではウイグルの人たちやチベットの人たちが、文化や財産や名前まで奪われている。トランプは貿易赤字しか頭にない。中国の人権問題に対して疑義を突きつけるべきである。
トランプはそんなことはしない。お”金”だけの話しかできない。こうした大統領、国家が世界を主導するなどあってもいいとは思えない。