
解り易いと言えばそれまでであるが、トランプの言動はいかにも稚拙で強権的である。中間選挙が共和党の敗北に終わった翌日に、トランプはロシア疑惑を追及するセッション司法長官を辞任させた。代わって、ロシア疑惑追及に後ろ向きなウィデカー司法長官代行を昇格就任させるとのことである。新長官はロシア疑惑を追及しないと宣言している。
同日ホワイトハウスの記者会見場で、トランプはCNN記者が、「あなたはロシア疑惑に懸念しているか・・・」と質問したところ、「CNNはフェイクニュースだ。お前もフェイクだ。ホワイトハウスに入れないようにする。CNNはお前を雇っていることを恥に思え。アメリカは俺に任せろ。」と、きわめて乱暴な言葉でののしった。かなり気にしているのであろうし、ロシア疑惑は本当なのだろう。どこまで隠し続ける(嘘)だと決めつける。ことができるか見ものである。
自らの意に添わぬものはすべて、「敵」として扱いその情報を、フェイク(嘘)と決めつける。トランプは大統領に就任して以来、長官クラスを何人解任したかはわからない。強硬姿勢と罵倒で乗り切れるのもそろそろ息切れしそうである。アメリカが標榜する民主主義が遠ざかる。敵意がトランプのエネルギーである。弾劾裁判さえ現実味を帯びてきている。
安倍晋三も同じようなことをやっている。集団的自衛権を日本は有するが行使はできないという、内閣法務局見解を壊すために、就任早々に慣例に従わず外交官で法律のど素人を局長官に就任させ、集団的自衛権行使容認を認めさせた。その上での、閣議決定で集団的自衛権行使容認をし、戦争法(安保関連法)の強行採決である。理性のない権力者は同類のことをやる。
教養のない権力者は批判者を思いやる資質がない。理念のない権力者はなりふり構わない自己保全に走る。知恵のない権力者は言葉に重みがない。知能の低い権力者は自分への批判に耐えられないことを知っている。無能は権力者は危機感を煽り愛国心を鼓舞し、政権の行き詰まりを兵力増強に向ける。
傲慢な権力者は犯罪行為を意識していない。ロシア疑惑も、森友加計問題も平気で潰しにかかる。