そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

コロナ禍、ロシアのウクライナ侵略、円安は健全な農業に戻すことを警告しているのである

2023-01-01 | 環境保護と循環
昨年元旦に投稿した記事が、その55日後に起きた、ロシアのウクライナ侵略戦争によって、そして円高でより際立ったものとなっている。
世界の40%を占めるアメリカのトウモロコシ生産であるが、3億5千万トンの内、家畜飼料として40%ほど、ほぼ同量を燃料用エタノールに使われている。そして残りが工業用だったり輸出されるものである。人の口に入るものはほとんどなく、これではトウモロコシの安全性など問う場面がないのも当たり前である。
上図は、遺伝子組み換えのトウモロコシの内容の比率であるが害虫抵抗性(Bt)と除草剤耐性(Ht) という、二種の耐性遺伝子組み換え品種(上図の緑部分)が圧倒的である。非遺伝子組み換え品種はほとんど作付けされていない。アメリカでは遺伝子組み換えの表示の必要ない(日本もやがてアメリカに倣う)が、人の口に入らないものなら尚更である。
日本の家畜は、生産性を前提に大量の穀物が給与されている。ほとんどがトウモロコシである。高生産に非生理的なトウモロコシを大量に与えられて、家畜は病歴を重ね短命になる。安価なトウモロコシを大量に与えて、高価な畜産製品を生産していれば経済的に元が取れると思っていた。多くの畜産農家は、経済優先に安価なトウモロコシが世界の経済安定の上に成り立っていたことを、このコロナ禍、ロシアのウクライナ侵略、円安でその実態を知ったのである。
変動する経済や社会情勢ではなく牛の生理にあった飼料の給与をすべきである。そして、高エネルギーのものを給与してカロリーをうんと落とすという自然摂理に反する飼料給与を今や見直す時なのである。家畜は発病寸前まで追い込まれて、畜産物を生産する。
農地にも同じことが言える。化学肥料や農薬を投与し一時的な生産の上げたとしても、大地の健全化を失うものである。大地即ち土壌の健全化とは、植物が大気を炭素を地中に固定し、多様な土壌微生物を保つことである。
穀物の過給や農薬の多用で、不健全家畜から不健全になった農地からの畜産物や農作物を、消費者に供給することを見直すべきと、コロナ禍、ウクライナ侵略、円安は警告しているのである。
日本の農政は、日本の農業は零細であるとし、一貫して高生産巨大化を目指してきた。今や世界は有機農業へと家族型小農へと大きくシフトしている。
健全な農地から健全な農作物を、健全な家畜から健全な畜産物を。


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愛国心も民族主義も科学的な根拠がなく、自民党の軽薄な愛国心の鼓舞を排除する

2023-01-01 | 岸田文雄

2023年という新しい年が始まった。
私は私が生まれたこの国が大好きである。しかし愛国心というものは持ち合わせていない。父は真面目一辺倒の人物で、望んで志願兵として南方に赴き戦死した。国家の主張を信じ、国が栄えることが幸福なると信じ戦うが、侵略者として命を失う。内地に若い妻と乳飲み子たちを残して。
愛国心は理性を盲目にさせる。愛国心は、被侵略国家が抵抗することも、それが巨大な勢力であることも、多くの国家が侵略された側に就くことも見ることができなくなる。
この国を守るために、他国の人を殺害したり、黒土を略奪したり、人権を凌辱したり、私財や文化を破壊する理由に、愛国心を掲げる思想を排除する。

日本民族を単一の大和民族とし、純化することをを忌み嫌う。民族の定義は近年の遺伝子解析で、科学的に意味ないことが明らかになっている。世界のどんな民族も、科学的な分類は不可能である。ホモ・サピエンスの遺伝子の幅、振幅は極めて狭いく、73億より僅か5万程度のゴリラの方が広い。人類には環境適応能力が極めて少ないともいえるが、一種だけの我々人類は環境変化に絶えることも出来ない。なのに懸命に生存環境を破壊しつつある。
戦後スポーツを通じて日本の人々を励ましてくれた、プロレスの力道山、プロ野球の金田正一、王貞治、張本功、大相撲の大鵬幸喜たちは、我々に勇気と希望を与えてくれた人たちである。
最近では大阪なおみや八村塁やアブデル・ハキームなど多様な人物が、日本人として活躍している。国家は単一民族である方が愛国心を鼓舞しやすい。しかしながら民族は交雑し環境に変化し今日に至る。

民族主義や愛国心は科学的に意味を持たない。特定の意味を持っているものではない。
郷土や生まれ育った環境を人は愛おしく思う感情は自然である。それぞれが異なる環境で育っているが、他者のそれを忌み嫌い排除するのが、為政者が好み多用するのが民族主義であり愛国心である。
統一教会の教義は、文鮮明が掲げる韓民族が世界の中心するものものである。そんなことも知らずに、日本の愛国心を鼓舞する自民党のトップが、無造作に支援する。もう片方では忠臣愛国の日本会議と手を結び、日蓮正宗の公明党を抱き込む。
自民党の掲げる民族意識は実に底の浅い、民族主義、国家観でしかない。こんな軽薄な政党が、膨大な兵器をアメリカの言いなりの価格で、しかも即金で購入してどうする。単なるアメリカ軍事産業振興でしかない。それらを盲目にさせるのが愛国心である。世界は変わってなどいない。変わったのは平和憲法を踏みにじる、自公政権である
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