国交省の不正統計問題で2020年度の統計が約4兆円過大になっていた疑いが明らかになった。GDPの1%の底上げは極めて大きい。しかも、たった一つの不正疑惑だけである。
朝日新聞の報道によれば、「建設工事受注動態統計」はGDP算出の材料でもある基幹統計である。そのデータが改ざんにより兆単位でカサ上げされているというのである。これまでのGDPの数値が大きく狂うことになる。
しかも今回明らかになったのは、2000年だけである。2013~2019年度のカサ上げが明らかになると、問題は更に深刻になりそうである。国交省は2000年の同統計の導入当初から改ざんを始めていたというのである。
受注が遅れた事業を複数回計算し算入しているとのことであるが、こんな大きな数字になるのなら、国家のあらゆる統計を見直さなければならない。2013年からは、未提出の業者分の受注実績に、提出した業者の平均を推計値として上乗せするルールを導入したとのことである。従前の合算も継続したため、二重計上が生じてカサ上げはさらに膨張した。
国交省は会計検査院に問題を指摘され2020年1月から、部分的な訂正を加えただけである。
朝日新聞の試算では、国土交通省の改ざん分だけで、2020年度は実績全体約80兆円の5%に相当する。合算量を減らす前の各年度の二重計上によるカサ上げ額は、更に桁が1つ違ってもおかしくない。
朝日新聞の試算では、国土交通省の改ざん分だけで、2020年度は実績全体約80兆円の5%に相当する。合算量を減らす前の各年度の二重計上によるカサ上げ額は、更に桁が1つ違ってもおかしくない。
岸田総理は、問題を矮小化し、早期幕引きを狙っている。「GDPにおける影響は軽微」と調査もせずむこんきぃん楽観論で幕を引こうとしている。
残っている統計の元データは2019年4月分以降のみとのことである。実質的には検証は不可能である。統計は連続性がいったん狂うと、二度と使えない。
基礎データーを偽造しているのであるが、明らかに政権への忖度である。忖度すればするほど、出世できるシステムを内閣人事局問い入れ物を使って、安倍晋三が取り組んだ結果である。
アベノミクスの成功を演出するために行われた、国家的犯罪である。
こうしたことを背景に安倍晋三は、「名目GDPが安倍政権になってから500兆円を超えるようになった」と吹きまくっていた。その後の2015年9月第二期の政権で600兆円達成をぶち上げていたが、その後声が小さくなっていたのも虚構にも限度があったのであろう。
アベノミクスが大失敗で、富める者がより富んで、貧困層がより貧困になり格差の増大を引き起こしていたのである。それをデーターを掲げて否定していた、安倍晋三の経済政策は虚構でしかなったのである。ようやくその氷山の一角が露わになったといえる。