今日は、BSE(Bovine Spongiform Encephalopathy:牛海綿状脳症:狂牛病)が日本で確認されて、12年目の日である。日本中が大騒ぎとなた・・・はずであるが、翌日のニューヨークで起きた、同時多発テロが崩壊するツインタワーの映像とともに、日本の狂牛病騒ぎはほとんど消えてしまった。半年ほどのちに、大騒ぎとなって日本の食料行政が大きく変わることになった。
今、知人たちにBSE(狂牛病)のことを聞いても、ほとんど無関心である。結局英国では、牛のBSEは20万頭ほど発生するのであるが、社会問題化したのは人に移るということであった。しかも治療不可能である、不可逆性の脳がスポンジ状になる必ず死に至る病気とされたことであった。
人が発病する若年性のクロツェルヤコブ病であるが、当時の学者の最大の予測は、10年後に20万人が発症するというものであった。BSEはプリオンが取り込まれてから、(感染ではない)早くて4年遅ければ10年して発病するとされていた。
ところが20年経った現在、累計でイギリスでは177名、フランスでは27名、日本の1名などを加えても、世界では288名である。予測に対してほぼゼロと言える数字である。しかも孤発性(単発性)が多く、家畜との関連性も少ないと思われる。
人々を恐怖に陥れた、BSEであったがこの発生の低さが、人々から急速に興味を削ぐことになったのである。日本がその後とった対策や、食に対する安全性の基準は大きく広がった。
然し、BSEの病気としての本態はまったく解明されたわけではない。プリオンと名付けられたタンパク物質であるが、病原菌でもなく感染が起きているのでもなく、単なる伝達が体内で起きているというのは、どうしても理解できない。
もう少し科学が発達して、新たな発見か事実が確認されるまでもう少し待たなければならないのかも知れない。
人の発病の少なさを背景に、日本やヨーロッパなどがとった対策を、全く無視してきたのがアメリカである。BSE検査などほとんどやっていない。検査もろくにやっていないアメリカが日本に対して、輸入基準の緩和を押し付けるなどという、注文をつける奇妙な構図がここにもある。
BSEの人への恐怖はひとまずなくなったと思われる。家畜への異種タンパクの給与見直され、医薬品や手術用具などの異種タンパクの直接接種は、今後はないとおもわれるが、人の海綿状脳症や伝達性脳症(TSE)の、病態の解明は今後も続けなければならない。
福島原発事故、東京オリンピック決定、それらの出来事が、目をそらす要因でもあります。
KENさんが主張する、「食の安全」はとても大切なことだと思います。 頑張って下さい!!
死亡牛の全頭検査も行う事になり、死亡牛の処理に伴う農家負担も宮崎県の場合、それ以前の10倍近くになり成牛で18000円になりました。
『畜産農家に非のないBSEに何故これほど負担させるのか』と、反論もしましたがそのまま継続されています。
同じ様に『怖いぞ怖いぞ』とマスコミが煽ったものにダイオキシンがあります。ダイオキシンもその後、それによる死者や病人が出る訳でもなく今では忘れ去られています。
全頭検査はほとんどの県で見直されるようになりました。
ダイオキシンは明らかに業者が儲けておさらばしました。
トレイサは良かったと思っています。