何時かは起きるかとは思ってはいたが、クリミア大橋爆破が現実のものとなった。クリミア半島をプーチンが強権的にロシアに併合した2014年であるが、軍事に物流を大量に運ぶために2018年に橋は建設された。橋は僅か二年で完成する突貫工事である。翌年並走する鉄道も完成している。
ウクライナ併合がプーチンの最も大きな成果であるが、この橋はそれを担保するべくプーチンの最も重要なインフラであった。
橋の開通時には、プーチンは自らハンドルを握って、真っ先に走り抜けた。この橋を破壊すれば、どれほどの効果があるかはウクライナ人ならだれもが知っていたはずである。橋を破壊すればどれほどの反撃があるかと、手を出さないでいた。ロシアの警備も尋常でなかったはずである。数段のセキュリティーチェックがあったと思われえるが、それらをかいくぐられての爆破の悔しさもあるだろう。
案の定、激高したプーチンは首都をはじめとしてウクライナ全土をミサイル攻撃した。ただ84発放たれたミサイルは、4割は迎撃されている。ロシアのミサイルは底をつき始めているとの見方もある中、効率の悪い攻撃をしたものである。
クリミア大橋爆破は、プーチンの反応を予測している政権がやったとは思えない。攻撃するにしても最後の手段であろう。クリミアの反ロシア勢力が行ったと思われるが、爆破の方法も一つはっきりしない。タンクローリーが爆発したが、並走する列車にその被害が及んでいる。周到に計画された攻撃といえる
プーチンは、「ウクライナ政権のテロ行為」と断じているが、自らが行ったウクライナ全土への攻撃はテロではないのか。そもそもウクライナへの予告なしに攻撃する”特別軍事作戦”こそ、テロ行為でないのか。
この攻撃で、NATOとの関係がより厳しくなったといえる。プーチンに出口がなくなった。、当初から繰り返し、本ブログで主張しているようにこの戦争の終結は、プーチンの失脚以外に道はない。