そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

今の危機こそ食料自給率を上げる最後のチャンスであるが

2022-04-21 | 農協 食料自給率

日本の農業政策は、1961年の構造改善事業を打ち出した時から、手法が多少変わってはいるが、基本的には何も変わっていない。高度成功する2、3次産業に負けずに、農業も高度成長しなければならないとして、小規模農業をなくし、ひたすら規模の拡大へと走ってきた。規模を大きくすれば所得が上がる、農地は統廃合すればよいとする方針は今も変わらない。当時農業はの河野一郎農林大臣ですら、農地の統合には懐疑的であった。
日本の農業は外形的には規模を拡大はしたが、食料生産は急落し農村から人々は都会へ集まった。農村の高齢化と過疎化が急激に進んだ。高度成長政策は、2,3次産業のものであって農村は人的補給でこれに応えた。
食料は生産量が減ったばかりでなく、農薬や化学肥料の多用で質の低下も著しかった。なのに相も変わらず、農業は大型化すれば補助金が出る。農業の工業化であるが、そんな国は日本だけである。
国連は1014年を家族農業年として、農業の担う責任を、食料だけでなく環境保全や国際安全保障などの幅広い意義を提案した。1年でだけのものであったが、5年後に1年では不十分とに直され、家族農業の10年(2019ー2028年)が提案されている。日本は消極的批准するだけで、SDGsを唱えながら真逆の大型化へを突き進んでいる。
輸入穀物に依存する巨大化した日本の畜産業は、例えば牛乳などが市場に溢れている。輸入飼料を押さえれば済むことであるが、高生産にかかった金の回収に政府は協力しなければならないから、消費拡大などをキャンペーンで一時的にお茶を濁すだけで長期的戦略などありはしない。
国の資金ジャブジャブの農業は経済的危機に弱い。外部資本に依存しすぎて、今回のようなコロナ禍そして、ロシア・ウクライナ戦争で世界の食料が高騰した中では国民に食料需要に応えられない。
更に、アベノミクスの残滓が大きくのしかかっている。円安と食料自給の更なる低迷である。下のFAOの表では今年になって、食料の価格は天井知らずに伸びている。政府他多分お金を配ってその場しのぎの対応をするのであろう。このままでは日本は世界に先んじて、食料危機が起きること間違いない。


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