そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

こりゃ安倍外交の破たんだろ

2007-08-09 | 朝鮮半島

06113_1 盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が、8月28日から30日まで平壌で首脳会談を開くことで合意したと発表した。北の政治的攻勢は確実に実を結びつつある。

残り3カ月となった、盧武鉉が打って出たと見るより、北側の大統領選への思惑が見て取れる。与党の融和政策が有効であることを、ハンナラ党などの野党の見せつけるには、もってこいのタイミングであるといえる。

金正日にとって、自らの体制を堅持することが何よりも優先される。アメリカの政策転換を巧みに利用した手法は、見事としか言いようがない。アメリカは中東で手詰まりの状態であり、何らかの外交政策の政策を出したかったのであろう。Roh_moohyun

金正日にとって、核のカードが面白いように成果を上げている。食糧や燃料を隠れずに堂々と韓国や中国、それにロシ アから援助を受けられるようになった。要するに、日本以外の近隣職から何でも援助してもらえるようになったのである。

国連決議案の経済制裁は何処に行ったのであろうか?少なくとも全く意味のない決議案になってしまったのである。いS_korea_dprk_agree_to_hold_summit_in_lat まだに経済制裁をやっている、日本の目的はなんだったのであろうか。外交のダイナミズムを、原則にすがることなく展開しなければならない時期に差し掛かっている。安倍首相には、その外交のの老獪さもなく、今回の敗北で支持基盤も失いつつあり、拉致問題を繰り返すしかできないでいる。

韓国にとっても、冒険的要素も残っている。ハンナラ党などが現野党が大統領選挙に勝利した場合には、融和政策そのものが見直されることになりはしないだろうか?それより、前回の金正日・金大中会談で明らかになった、5億ドルの裏金問題は、犯罪者の処分にとどまっただけで、いまだに解決されていない。国内の不安定要因が大きくなる要素は否定できない。

日本は韓国と、領土問題や従軍慰安婦問題、それに何よりも歴史認識の問題で必ずしも良好な関係にない。その韓国に、外務大臣が南北会談に拉致問題も頼んだようであるが、虫のいい話である。

安倍ボンは韓国をはじめとする、近隣諸国に未だ戦前の日本の威圧的姿勢を抱いたままである。彼の外交は、完全に破たんしたと見るべきである。


こりゃ何を言っているのか解りません

2007-08-07 | 内閣支持率

参議院選挙の敗北を受けて、今日参議院本会議が開催された。自民党の大敗北を受けて、自民党議員会議で直接退陣を含む強硬な意見が噴出した。当然のことである。「ドンカンリョク」と呼ぶには、あまりにも情けない安倍首相の受けEdasatuki止め方である。

参議院議長が、民主党が握ったことでより一層自民党内の結束が求められる事態になっている。それが、この体たらくである。結局は、派閥が自民党を動かす力もなければ、人物もいないのである。今後どうしてやってゆくつもりなのであろうか?

「政策が否定されたわけでない」と、安部ボンが主張するならその根拠を出すべきであるが、いまだに何も出てこない。国民は今回の選挙で「美しい国」作りも、憲法改正も、この男の言う改革とやらも含めて否定したのではないのだろうか?

何よりも、この男によるキナ臭い軍国化への臭いを国民が察知したのでないだろうか。戦後レPhoto_151ジュームと意味不明の言語で、祖父の怨念を果たそうとする復古的国粋主義者に、退場を願ったので はないだろうか?

「反省すべきは反省する」という言葉を吐いているが、それが何なのか全く述べていない。改革を進めることで回答したいと、言うのが精いっぱいである。何の回答のもなっていない。安倍ボンにはリアリティーが欠如している。反省など全くやっていないのである。

「国政に停滞はあってならない」と言いながら、農水行政はすっかり停滞して空白になっている。(8月3日参照) それより、党内求心力を失くした男が政権に固執することの方が、政治的空白なのではないか?

選挙後の調査で内閣支持率が30%は切っているが、20%は切っていない。これでも支持する国民が2割もいるのが不思議である。憐憫による同情だろうか?


イギリスで口蹄疫が発生

2007-08-06 | 獣医師

Fmd_in_uk_2007イギリスで8月4日口蹄疫の発 生が確認された。 口蹄疫とは、牛や豚などの偶蹄類に発生するウイルス病である。伝搬力がきわめて強く、かつては汽車と同じ速度で広がるとまで言われていた。人には感染することはない。

日本では、家畜の法定伝染病に指定され、治療することはなく群単位で淘汰される。今回の発生を受けで、イギリスでも既に牛群単位で淘汰されている。Foot_and_mouth_disease_closed

日本とアメリカは、ただちに豚肉の輸入禁止処置を行った。わが国もアメリカも、BSE発生国として牛肉の輸入は行っていない。

新任のブラウン首相は、急遽予定をキャンセルして現場で指揮を執っている。それというのも、2001年にイギリスで口蹄疫の大量発生があったからである。この時には、700万頭の家畜が処分されイギリスは80億ポンド費やした。さらに、その35年前にも大量発生が起きている。

Foot_and_mouth_disease_burning今回の発生は、発生した肉牛牛舎の周辺にワクチン製作研究所施設があったことが、今回の発生との関係で取りざたされているが、詳細は不明である。

なぜこのようにイギリスで、何度も口蹄疫が発生するのであろうか?またBSE発生も120万頭ほどの大量発生で、世界を震撼とさせたことは記憶に新しい。口蹄疫と併せて、イギリスから一時牛がいなくなった状態になった。

食料を海外に依存することは、こうしたずさんな管理を容認することである。食料が安価であることは、その理由が当然あるのである。食糧の安全保障は量、質とも国内で自給しなければ保障されることはない。


そりゃ米国のいいなりサ

2007-08-05 | ゲノム編集

アメリカ産牛肉が大手を振って輸入されることになる。20か月以下の牛の検査が必要でないと、もうすぐ専門委員会が結論を出すのである。OIE(国際獣疫事務局)が、アメリカ産牛肉に安全で輸出可能としたことが根拠となっている。

20か月以下の牛の特定などできない国の牛肉を、20か月以上と認定して輸入するのである。20か月以下で処分される肉牛は少ないと思われるが、いないわけでない。BSE無検査のアメリカ産牛肉の輸入を、食品安全委員会が今月中に諮問を受けて今年中には容認するそうである。

アメリカは、日本の全頭検査を非科学的と当初から非難している。これに乗っかる学者たちが、日本にいるのも恥ずかPhoto_150しい話である。日本では現在33頭のBSEが確認されているが、8,9例目が24ヶ月と21ヶ月の弱令牛であった。これらの牛から検出されたプリオンは、他のBSE牛の600分の1と1000分の1程度であった。

この2頭のプリオンは、再感染 (伝達)能力がなかったと結論が出ている。このことが非検査牛の輸入容認の根拠の一つになっている。が、異常プリオンがなかったわけではない。将来的に、検査機能が向上することも考えられる。OIEの判断にも問題があるが、そもそもアメリカの牛は自由取引の中でいかなる履歴も分からないのである。

隣国の韓国では、多分4回目になるだろうと思うが今月2日に、アメリカ産牛肉から危険部位が輸入牛肉から見つかった。韓米協定に違反しているとのことで、現在輸入停止状態である。何度警告しても、この国は同じである。

中国製の食品加工品が大変危険なものが多いことが、最近報道されている。日本は、たった数%のチェックしかしていないとのことであるが、アメリカの検査体制は1%に満たないレベルである。アメリカの食品に対する、チェック体制のレベルは低く、自己責任の範疇で語られることが多い。

日本は、どうしてこんな食品管理に杜撰な国、アメリカから牛肉を何とかして輸入したいのだろうか?答えは簡単である。日米安保体制の中で核の傘下の旨みを存分に味わってきた経過が、日本のアメリカに対する従属関係を生み出したのである。


そりゃ政治的空白だろ

2007-08-03 | 安倍晋三

赤城ボッチャマが事実上、間の抜けたタイミングで更迭されて、今度はどんな問題を抱えた農水大臣が就任するのだろうと、興味と期待を抱いていたが、環境大臣が兼任するそうである。

Photo_149政治的空白を設けないために」と、続投の理由を表明していたのは安倍首相である。農水大臣の職は、環境大臣が片手間にできる仕事とは思えない。事実、赤城オボッチャマは、就任2ヶ月の間に世界各国を何度も回り、顔つなぎを行っていた。その顔がなくなるのである。これが政治的空白と言わずして、何を空白というのであろうか?

現在日本の農業は大きな複合的な問題を抱えている。対外的にはWTO交渉や日豪間の経済連携協定(FTA)や輸入食物の問題など、国内的には農地改革や品目横断的経営安定対策に係る問題や自給率の向上、何よりも地域の格差社会の象徴的な疲弊など、困難と思える問題が山積されている。

こうした問題を置き去りにしたままで、兼任大臣に任せられるのであろうか。政治と金の問題が、農水大臣を次々と追いやる形になっている。前任者と全く同じ問題を抱える人物を就任させた、安倍ボンは為政者としての資格すらない。55_16

ところで、環境大臣も片手間になりはしないだろうか。このままでは、環境行政も空白になりはしないのだろうか。この首相は、やっていることがチグハクそのものである。

今回、国井農水副大臣も落選してしまった。彼に限らず、農民票は民主党に流れた。民主党が打ち出した「戸別所得補償制度」を、多くの農民が支持したのである。それでも、自らの政策は支持されていると、全くノーテンキなことを平然と 口にしている。

一昨年の、郵政選挙と言われた衆議院選挙で、多くの農水族が落選した。農水族の区分は難しいが、おおむね50名ほどいたが、ほとんどが落選した。わずかに、10名ほどが当選しただけであった。農村、田舎、地方を基盤とする政治家たちはこぞって、郵政民営化に反対したことがこのような結果になったのである。

今回全く違う形で、また農業が叩かれる結果になってしまった。農業を犠牲にして自らの延命を画策する。何とも情けない内閣である。


こりゃ農業の現場はたまらんワ

2007-08-02 | 安倍晋三

赤城農水大臣が辞職した。正確には「辞めた方がいいよ」などと、安倍ボッチャマが赤城ボッチャマに言ったそうである。Photo_148 そこで、その日の午前中まで「職責を全うする」などと答えていた赤城ボッチャマが渋々辞表を提出したようである。事実上の、更迭である。

これはどう見てもおかしい。赤城農水大臣の辞任理由は、事務所費の不正や記載の問題や不明朗だではないのである。赤城ボンは、私の責任で選挙が負けたので、辞表を提出したと言っている。政治に係る不明朗な資金繰り、実は何に使ったか分からないお金は永久に説明責任がなく、適切に法にのっとってやっていたとされるのである。

選挙結果の責任をとるなら、いかにも間の抜けたタイミングである。自民党内部からも、オウンゴールを選挙期間中に入れられたとか、任命責任などが噴出している。

しかしながら、今回の選挙で自民党の地方の票が大きく民主党に流れた中に、民主党の掲げた農業政策がある。民主党の農家への所得補償は、自民党が進める大型農業にだけ支援をする政策と大きく対峙する。

農家の大小にかかわらず、農家を支援する所得政策は基本的に支援したいが、EUでは何度も躓いている。わずかな期間でそうしたことが乗り切れるわけでない。自民党の大型農業支援政策は、農業の本質を否定することにはなるが、とりあえず地域は潤い活性化するのである。こうした政策は、短期的な取組、嘆願的取組では到底乗り切ることができない。

一方で、政府の掲げる食料の自給率などとても向上するどころではない。ほんの微々たるコシヒカリを中国の富裕層に売り込んでも、農業対策には全く役にも立たない。

そうした入り組んだ複雑で困難な問題を、コロコロ変わる農水大臣が担えることなどできるわけない。政府が変わっても、農水大臣などは居残ってほしいと思っているほどである。何とも情けない話である。


小田実が亡くなった

2007-08-01 | 新自由主義

小田実が亡くなった。ベ平連(ベトナムに平和を!市民連合)を、小中陽太郎や吉川勇一と作った人物の一人である。組織を持たない市民運動は、日本では初めての試みであった。組織は持たないが、目的だけははっきりしている。こうしPhoto_147 た運動は、現在彼も創立者の一人であった、「九条の会」に生かされている。

べ平連以降、日本に形を変えて様々な市民運動が出現したのも、べ平連の存在が小さくはない。反戦活動やその後の環境活動に大きな模範になったのは、べ平連運動であったと思える。

小田実は自らの肩書を、小説家と言ってはばからなかったが、彼の小説はどうも難解で粘液質の感じが強く好きにはなれなかった。彼の本質は“怒り”にあると言って良い。破天荒と思える行動力はほとんど直観によって依拠しているようであるが、行動力こそ彼の信条であった。

現在、アメリカの不法なイラク侵略に、声を荒げない日本人になってしまっている。それどころか、自衛隊を送り出すような国家に成り下がっても、大きな反対運動が起きることのなくなった日本を憂えていた。

とりわけ、阿倍政権が「改憲」を掲げて登場してから、発言を重ねてきていたがそれも3月頃からなくなって、暗示ちたところである。彼の視点は、底辺に根差した庶民の目を失うことのない視点を持ち続けた。

日本に、市民運動の規範を残した活動家小田実氏の冥福を祈りたい。


羅臼港

春誓い羅臼港