詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

詩はどこにあるか(33)

2005-04-04 00:36:57 | 詩集
4月4日(月曜) 晴れ

森鴎外「カズイスチカ」(「鴎外選集 第三巻」岩波書店)

一本一本の榛の木から起る蝉の声に、空気の全体が微かに顫えてゐるやうである。

 動詞の一語が「詩」になった例。
 「起る」という語に「詩」がある。蝉の声が屹立して来る。存在を屹立させることばが「詩」である。
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