詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

破棄された詩のための注釈01

2020-07-27 22:54:36 | 破棄された詩のための注釈

破棄された詩のための注釈01

 「花は盛りを過ぎていた」と書いて消した。「花は、これから開こうとしていた」の方が、主人公の悲しみを孤立させる、より印象的になると思った。しかし「花は」と書いたあと、ふたたび「盛りを過ぎていた」とつづけてしまった。
 深紅の花弁のふちにあらわれた細い金色が、花を浸食する錆のように思えた。
 どうしても、「錆」ということばを書きたかったからである。

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