詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

破棄された詩のための注釈08

2020-08-06 21:03:01 | 破棄された詩のための注釈
破棄された詩のための注釈08
                         谷内修三2020年08月06日

 スターバックの交差点。人込みから押されるようにあらわれた男の前をバスが右折するとき、「私はまだ私を取り除いていない」ということばがあらわれた。しかし、バスが曲がり切ってしまうと、「私はまだ私を取り除いていない」ということばは、男のように消えてしまっていた。
 「きょうへつづいている昨日へか、きょうからつづいている明日へか」ということばのかわりに、野菜チェーン店に並ぶアスパラガスの色を書いた。降りこんだ雨に濡れている新聞紙のくらい灰色に似合う、その色を。




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