詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

嵯峨信之『小詩無辺』(1994)を読む(3)

2020-01-21 08:49:31 | 『嵯峨信之全詩集』を読む
                         2020年01月21日(火曜日)



皺一つない告白

 「泉」は港の比喩か。
 「告白」を「皺一つない」と修飾する。このとき「告白」ということばが微妙に動く。そうか、「告白」というのは何かしらの「皺」を持っているのが普通なのか。「皺」は何かを隠したためにできる「乱れ」のようなものだろう。
 そこに書かれているのが「皺一つない」なのに、想像力に迫ってくるのは「皺」の「意味」である。「皺」が比喩になっている。
 ここには比喩がもう一度比喩になるという不思議な運動がある。「港」というタイトルを忘れてしまいそうだ。







*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
定価の下の「注文して製本する」のボタンを押すと購入の手続きが始まります。
私あてにメール(yachisyuso@gmail.com)でも受け付けています。(その場合は多少時間がかかります)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 西川詩選(中国現代詩人シリ... | トップ | 山下修子『空席の片隅で』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

『嵯峨信之全詩集』を読む」カテゴリの最新記事