詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

「司法リスク」とは何か。

2017-12-14 09:25:32 | 自民党憲法改正草案を読む
「司法リスク」とは何か。
             自民党憲法改正草案を読む/番外156(情報の読み方)

 読売新聞2017年12月14日朝刊(西部版・14版)1面、

伊方原発 差し止め命令/3号機 「阿蘇火砕流 到達の恐れ」

 という見出し。広島高裁の仮処分決定を報道している。その関連記事が経済面にある。その見出しに驚いた。

原発 司法リスク再び/伊方差し止め命令 四電 減益不可避

 前文には、こう書いてある。

(四電に加え)関西電力や九州電力は、司法判断が再び経営上のリスクになりかねないと警戒を強めている。

 本文中には、

「払拭されたはずの『司法リスク』がよみがえった」(電気事業連合関係者)と危惧する声も出ている。

 司法が原発に対して再稼働を認めないと、電力会社の経営が苦しくなる。そういうことらしいが、これは自然に読めば「経営リスク」というものだろう。
 なぜ、「司法リスク」と言い換えるのか。
 背後に司法に対する批判がある。「原発は安全だ」という意識が経営者にはある。それはそれでいいが、自分が正しいから、司法の判断は「リスク」をもっている。「危険である」という批判の仕方は、どういうものだろう。
 「理解していただけなかった点については、理解していただけるよう、より詳しい説明をしたい」
 というのが、反論の基本的な仕方ではないだろうか。
 「司法」を「リスク」と結びつけて批判するのは「三権分立」の精神に反している。どんなときでも司法の判断を優先する必要がある。判断に不満があるときのために、日本の裁判は「三審制」をとっている。
 司法よりも自分の判断が正しい、司法は間違っている、という批判を通り越して、「司法は危険だ(リスクがある)」という姿勢はおかしい。こういう「ことば」の背後にある考え方(自分だけが絶対に正しい)が「独裁」を生む。
 安倍独裁の影響が、こんな形で電力会社の経営陣にも共有されている。



#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 
 
詩人が読み解く自民党憲法案の大事なポイント 日本国憲法/自民党憲法改正案 全文掲載
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