詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

2015-02-25 01:17:26 | 


「橋を眺めた」ということばがあった。「別の橋から」ということばのあいだで、「両腕」ということばは、さびしそうに風にちぎれていた。
「さまたげるものは何もない」というのは「美しい」ことか、「残酷」なことか、あるいは「さびしい」ことか、ことばは考えあぐねていた。

その二行は、「あの橋はなかった」、あるいは「あの橋は見つからなかった」という、葉書に書かれたことばとは遠いところにある。
そして「雪が積もっているせいだろうか、違っているのに、逆に似たところがあるように思えた」ということばの近くにある。

それは「水の流れ」を描写した青い文字の余白をぐるりとまわりながら、宛て名が書かれた表にかけて書かれていたことばだ。
「私は間違っていない」ということばが間違っていることはわかるが、認めることはできないと主張しているように見えた。

そうであるなら、「橋が間違えたのだ」。
「風を映して流れる川」ということばは、川は似ていないが「水は同じ海へつづいている」ということばになりたがった。

*

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