■홀리데이 「ホリデイ」 2006年 〇〇---
(487)
2006年、140万(公式統計)を超える観客を動員した社会派映画。
1988年に起きた実際の人質立て籠もり事件に映画的な脚色を加え
作られた、告発型の社会派映画だ。
△「有銭無罪、無銭有罪」(無罪もお金で買える社会)を糾弾する主人公(映画より)
主人公は、ソウルオリンピック(1988年)を前に景観整備のため
強制撤去された道路沿いの貧民街で、撤去に抵抗し逮捕された青年。
青年は、保護拘束制度(刑期を上回る拘束が可能)や社会的な
不平等に反発し、移送車から脱走した後、民家に立て籠もり、
メディア相手に様々な自己主張をした後、最後に射殺される。
この事件をきっかけに、「유전무죄 무전유죄(有銭無罪、無銭有罪)」の
言葉が、社会に定着することになった。
なお、この映画の題名の「ホリデイ」とは、立て籠もり事件の際に、
犯人が警察にテープを要求し民家で聞いたとされる、ビージーズの
ヒット曲(Holiday)から取られている。
(終わり)
■두사부일체 「マイ・ボス マイ・ヒーロー」 2001年 〇〇〇--
(486)
2001年、ソウルだけで120万(公式統計)を超える観客を動員した
大ヒット作。
親分から社会常識を学べと高校入学を命じられた「無識(おバカ)」だが
正義感の強いヤクザの幹部が、学園や生徒を食い物にする悪徳校長を
退治する、というハチャメチャなアクション・コメディだ。
実は、この映画については、今回で3、4回目の鑑賞になる。
「ヲタク」好みの痛快でヒューマンなコメディである。
ところで、今回の鑑賞で特に印象に残ったシーンがある。
△女優はオ・スンウン
それは、悪徳校長がヒロイン役の女子高生を平手打ちする場面。
△教育庁に告発メールを送ったマドンナを平手打ちする校長(映画より)
いくら映画とは言え、大の男が、キュートな女の子にビンタを
くらわすとは、けっこうショッキングな場面だった。
実際の韓国の教育現場では、こうした体罰が早くに姿を消している
ことを願うばかりである。
なお、この映画の題名「두사부일체(頭師父一体)」とは、「두목과
스승과 아버지는 하나다(親分と師匠と父親は一つだ)」という主人公の
モットーから来ている。
(終わり)