福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

韓国と家庭民主化闘争

2019年09月13日 |  〇映画・映画音楽

오빠가 돌아왔다 「兄が帰って来た」  2014年  〇〇〇--
(792)



2014年に公開されたインディーズ系の家族ドラマ。

自分勝手で暴力的な父親のせいで一旦はバラバラになった家族が、
絆を回復し家族として再生して行く姿を、妹の視点から描いた
コメディ映画。

家族再生のきっかけは、父親の暴力に耐えかね家出していた兄が、
身重の彼女を連れ5年ぶりに家に帰ってきたこと。


△妹には兄が父親の独裁を打ち倒す家庭民主化の闘士に見えた(映画より)

兄は、帰って来るやいなや、暴力を振う父親を暴力で組み伏せ、
「家庭民主化闘争」に勝利する。そして、同じく父親の暴力が
原因で別居していた母親を家に呼び戻した。


△暴れる父親の手足を縛った上、靴下を口に突っ込み黙らせる長男(映画より)

以後、息子に弱い父親と父親に弱い母と若嫁、母と若嫁に弱い
息子が、微妙なパワーバランスを保ちつつ、家庭内の平和が
成立して行く。

メルヘンチックでさえあるコメディ映画でありながら、この映画が
成人指定された理由は、おそらく、長男の父親に対する暴力を肯定
するかのごとき描かれ方が、伝統(儒教)的な社会倫理に反すると
判断されたのだろう。


△ドタバタ劇の末、絆を回復した家族(映画より)

「ヲタク」的には、そこそこ楽しめた映画である。





(終わり)