BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

サマータイムレンダ 第15話 『ライツ カメラ アクション』 感想: ついに来た! 燃えるバトル展開の7周目!

2022-07-22 10:40:34 | サマータイムレンダ
いやー、すごかった!

展開を知っているにもかかわらず、最初から最後まで息をのんだままイッキ見w

冒頭、顔面アップの場面とか、止め絵の部分の作画の線の多さにびっくりしていたけど、

中盤から終盤にかけての、チーム慎平vsハイネ軍団、の戦いになってからのアクションのスピード感、すきのなさには本気で驚いた。

そのうえ、要所要所で、CVの演技も真に迫っていたので、ホント、全く息をするヒマがないほど。

特に、ハイネの演技はすごくて、いまさらながら、ハイネのCVはベテランのくぎゅーで大正解だったな、って思った次第w

もちろん、ひづると竜之介を演じ分けるCV日笠もw 地味に彼女も上手いよね。


そうした、物語展開の凄さに加えて、

ウシオの、ショートカットのヒロイン力の爆上げwとか、

影ミオのヤンデレ感満載の慎平への突進wとか

もう見どころ満載で笑うしかないw

いやー、ホントすごかった。

繰り返しになるけど、展開を知っているにもかかわらず、ここまでのめりこめるのって、それだけアニメ制作陣が優秀!ってことだから。

強いて気になったところを上げれば、ウシオがシデをだまして、火の中で彼を追い詰めるところは、多分、構図を慎平から体育館中央を見下ろす形にしたので、原作に比べて少し溜めがなかった気がしたところくらい。

ウシオのパンチ炸裂!という点では、カメラ視点は、俯瞰ではなく、見上げる形のほうが緊迫感があったと思うのだけど。

もっとも、それはあくまでも止め絵の漫画の場合で、今回のようにアニメでとことんシークエンスを切らない動き重視の表現をするなら、もちろんあれで正解なんだけどね。


ともあれ、すごかった!

やっぱり7周目は手に汗握るなぁ。

ようやくチーム慎平がハイネたちに一矢報いたことになったし。

それも4周目の無念と、5周目、6周目に圧倒された経験があればこそのカタルシスだから。

わかっていても、次回が気になる。

それにしても、いくらウシオの記憶共有能力があるとはいえ、冒頭で、ごくごく自然に澪が慎平のループ能力を理解して、今後の展開について意見していたところは、ちょっと笑った。

便利すぎだよなぁ、ウシオの能力。

もちろん、前回のループまでに澪にも記憶を共有させているから、ああいう描写になるわけだけど、でも、その記憶共有イベントを経てから議論する、という類の描写が全くないまま、次のループでいきなり作戦会議に参加しちゃってるのはスゴイw

こういうところが、物語のスピード感に拍車をかけているのだろうな。

地味だけど、すごい感心したところだった。

だって、いつの間にか、チーム慎平の戦力になってるのだものw

ホント、よく考えられた展開。

ということで、次回、ほんとに楽しみだよ。

このままこのクオリティで最終話まで一気に駆け抜けてほしい。

もしそれが実現したら、本来なら『鬼滅の刃』と同じ成功を収めてもいいと思うw

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サマータイムレンダ 第14話 『to be/not to be』 感想:6周目も、さぁこれから!ってところで慎平の暗殺かよ!?

2022-07-15 10:51:33 | サマータイムレンダ
いやー、スゴイ。

わかっていたけど、この引きで終わるのは本当にズルい。

もう完全にハイネ側が、慎平暗殺隊に転じているからね。

慎平たちの最大の資源である「ループ能力」を削りに来ている。

戦略目標が変わったら、もうとにかくそこだけに持てる資源を集中投下。

といっても、透過されてるのが影ミオ一人?なのは笑えるけど。


ということで、せっかく決起集会で演説までしたのに、それが終わった瞬間、遠距離射撃されて7周目へループ。

リゼロでも何回かあったけど、ループした本人がいつ殺されたかも気づかずに次のロープに強制移動させられているのは厳しい。

まぁ、なんで、そういう原因不明の瞬殺のあとは、ウシオがループ移動の際に、5周目から6周目に飛んだ時のように、亡霊のように付き添ってこないのか? とか疑問に思うところはあるのだけど。

でも、そういうことを考えさせないくらい、有無も言わさずに次の7周目の世界に飛ばす。

しかもニクイのは、6周目の世界では描写しなかった、慎平が決起集会のとき用にサンドイッチを作っていた場面に戻る!のだから。

それで、見ている側もループした!ってことにすぐ気付けるから。

慎平と思考がシンクロするよねw

こういうところがホント、上手いんだよなぁ

いや、だから、単に原作が面白いだけでなく、これ、アニメ制作スタッフは、原作をものすごく丁寧に読み込んで、毎回、どこで引くのがいいのか、描写の出し入れのタイミングはどこがいいのか、きちんと考えているところに感心する。

スゴイよw


あと、今回ちょっと思ったけど、新しいED、やっぱりなんか少し昔の邦画のテイストを感じる。

大林宣彦とか、昔の角川映画的な、物語の悲壮さと主人公の可憐さをかけ合わせたような演出で。

そういうところも、いろいろと考えられているなぁ、って思う。


しかし、次回すでに15話か。

いよいよ総力戦が始まって、物語は加速していくな。

中盤の山場の7周目! 楽しみだよ!

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サマータイムレンダ 第13話 『トモダチ』 感想: 5周目瞬殺! からのひづるの過去回! やっぱりテンポいいな!!!

2022-07-08 14:46:45 | サマータイムレンダ
4周目の絶望からウシオとともに抜け出し、今回は、ひづるたちと共闘もできて万全だぜ!って思ったら、あっという間に、ひづる、というか龍之介が瞬殺!

で、形勢不利ななか、阿吽の呼吸で、ウシオが慎平を殺して、ループを変更!

・・・って思ったら、唐突に始まったひづるの記憶のトレース。

そして、旧菱形医院で見つけたハイネの姿。

ひづるとハイネにも因縁があったのだった……


・・・って、なんてすごい展開w

原作を読んだときも思ったけど、とにかく、この5周目のあっという間にやられた感といったらなくて、

でもそこからいきなりひづるの記憶編に飛んでしまう!というのだから驚く。

ループを繰り返す、というのは、微妙にちゃんと時間遡行しつつ世界を渡る、的な描写にしているところがずるい。

そうすることで、今回みたいな、誰かの記憶の追体験ができてしまうから。

いや、仕組みは相変わらずブラックボックスのままだけどさw

でも、そうやって、欠けていたピースを集めながら、他のキャラたちのサブストーリーもちゃんと見せていく。

そうして新しい情報が上乗せされたところで、次の一手を打っていく。

ホント、見始めると一気に進んで、あっという間に終わる。

しかも、リアルに夏になってきたから、夏本番!って感じがこれまで以上に伝わってくるしねw


で、今回から第2クールだからOPとEDも差し替えてきて、これもう、完全にホラーから能力バトルに変えてきたw

現実的にそうだからいいんだけどね。

実際、この先は、ホラーみたいな溜め回よりも、圧倒的に物語が加速していくし。

ともにチートな慎平陣営とハイネ陣営の終末をかけた戦いになるわけだし。

ホント、面白い。

それに、変わらず丁寧な作画によるつくりだし。

いまどき、ものすごく恵まれた作品に思えるけど、でもそもそも原作が面白いからこそ、ちゃんと作ろう!ってことになってる気がするw

次回、ハイネとひづるの関係が明かされてからの、6周目へのなだれ込みが楽しみw

夏向きのいい作品だなぁ。

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サマータイムレンダ 第12話 『血の夜』 感想: 折り返し地点となる4周目の最後は本当に壮絶だった!

2022-07-01 14:57:25 | サマータイムレンダ
この4周目の結末はマジで厳しい。

というか、エグい。

指を落とされて、右目をとられて、最後は自分で毒を飲んで自殺だからね。

慎平が怒りに任せてハイネたちを絶対倒す!という捨て台詞をはくのもよくわかる。

もちろん、澪、窓、朱鷺子、ひづる、と全員死んでしまったことの恨みもあるけれど。

でも、実際に慎平も身体を痛めつけられて死んでいくところが、彼の言葉の重さを見るものに伝えてくる。

しかし、これでほぼ折り返し。

1クールの折り返しであるので、構成もよくできている。

ここから逆襲を始めたいところだけど、やっぱりこの先はとにかく、慎平たちがどうやってチームビルディングしていくか、ってことがポイントだな。

バラバラに行動したままでは勝てない。

それくらい、相手は強い。

でもまぁ、だからこの先、さらにおもしろくなっていくわけだけど。


あと、今回、あ、そういうことだったのか、と思ったのは、ハイネがウシオを取り込もうと影を伸ばしたら、逆にウシオからハッキング返しされてしまったところ。

たしか、卵はお前か、といっていたところ。

あれは、要するに、あの時の、ハイネに対するハッキング返しを通じて、ウシオは、ハイネの右目の能力も「種」も同時に取り込んでいた、とかいうことなんだろうな。

ループものって、途中で因果論が、順序逆転によって、運命論に変わってしまうのだけど、多分、ポイントはあのときだったんだな、って思った。

もっともそうなると、じゃ、今の慎平の右目はどうなってるんだ?ってことになるけどw

それには、原作を読まないとね、ということになるw

ハイネの右目の力、要するにループできる力が、慎平に渡るにあたって、その媒介になったのが潮になるわけだけど。

このあたりのくだりは、やっぱりちょっと不思議だな。

でも、多分、間違いなく、ここで少なくともハイネからウシオへのパスが通っていた、ってことだと思う。

次回から5周目。

共同戦線がはられるのかどうか、が最初の鍵だよね。


しかし、7月になって夏本番になってきたところで、「サマータイムレンダ」の世界が実感としてもリアリティを帯びてきたのはいいな。

ホント、夏向けの作品だよ。

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サマータイムレンダ 第11話 『食餌の時間』 感想: あー、ここでとうとうラスボス・ハイネへの拝謁かぁ。。。

2022-06-24 10:25:40 | サマータイムレンダ
敵陣ど真ん中で全く勝てる気がしないw

そして、最後をエピソードタイトルの「食餌の時間」の一言で締める、シリーズ構成の精妙さ。

マジ、脱帽!


にしてもこのヒルコ洞編は、ホント、ホラーっぽくていいね。

ダンジョンの下に潜っていったら、ラスボスのハイネが控えていた、というのが。

それもこれから「食餌の時間」だというのだから、雰囲気も出てる。

とはいえ、ダンジョンの闇っぽさは、やっぱり白黒ベタのコミックのほうがおどろおどろしい雰囲気が出るので、カラーのアニメだと厳しいかな、と思っていたのだけど・・・

そんなことなかったw

特に、あのサンゴ礁とか深海の生物を影で再現しているところとか、逆にその生々しさをちゃんとカラーで表現してくれたら、雰囲気もゾワッときて、よかった。

カラーのホラー映画の雰囲気w

ちゃんと血なまぐさいものは鮮血っぽく鮮やかに描く。


しかし、それにしても、相変わらず多勢に無勢。

せっかくこのループでは、窓を仲間に引き入れて戦力増強を図ったはずだったのに、ハイネ側はハイネ側で、その窓の妹の朱鷺子が実は、影の協力者だった、というオチの皮肉。

読者からすれば、双方ともに戦力増強を図っている感じで、一応、一進一退には見える。

とはいえ、まったく慎平たちのほうが不利だけど。。。


でも、これで、慎平チームとひづるチームが協力しあわないと勝負にならないことが判明したので、必要なステップなんだろうけどね。

ともあれ、次回が1クール目の、ホントの山場、中締め回となることは間違いなし。

徐々に、澪や凸村が絡み始めているのも、次のループに向けた布石だよなぁ。


ただ、とにかく、慎平とウシオが阿吽の呼吸でわかりあえているのがいい。

慎平が参謀、ウシオが突撃役。

それでいて、死後の次のループのことを考えると、実力差があってもとにかく慎平がウシオを護って、自分の死を選ばざるを得ないゲームの法則。

この制約条件の存在が、リゼロなど他のループものとの決定的な違いで、そこがこの作品の面白さを増している。

だって、常に慎平は、自分の死時を考えながら選択をしなくちゃいけないから。

その意味では、彼独自の属性として「俯瞰」属性を与えたのもうまい。

あれで、秒の単位での圧縮された決断の様子を、一拍入れて、ちゃんと描くことができるから。

というか、そういう主人公だと読む方・見る方も、徐々に理解できるから。

ホント、よくできている。

原作を読んで結末は知っているにも関わらず、続きが普通に気になるのは、やっぱりどこか見落としがあるかもしれない、と常に思わせるループものの特権w

そして、その視聴者側の心理を、アニメ制作陣はよくわかっている。

これ、相当、原作を読み込んだんだろうなw

そして、読み返した箇所もメモに書き出して、慎平みたいに図にして描いてそうw


ということで、次回の、まだまだ続く絶望の時間に期待!

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サマータイムレンダ 第10話 『闇の中へ』 感想:とうとうヒルコ様にも遭遇、血前半の山場に向かうね!

2022-06-19 12:04:03 | サマータイムレンダ
ようやくヒルコ様に出会ったか。

このあたりは、最後まで本編を読み切ったあとだとよく出来てるところだよなぁ、と思ったんだよね。

要するに、

もろもろの事件の始まりである旧医院の探索
ウシオの影としての能力のデモンストレーション
ヒルコ像の発見から蛭子神話までの情報入手
チーム慎平3人の役割分担の確定
赤ん坊影の登場
地下道の発見から戦時中の歴史への遡り
地下の空洞地帯の発見

などなど。

特にウシオをカバーしなくちゃいけない、という枷が、ウシオという兵力の温存のために、という合理的理由がありつつ、その背後で、慎平がウシオを守りたい!って男の子の決意を示すことにもつながっていてw

あと、窓が、前のループですでに澪スキーであることを告白しているから、窓がいても、慎平とウシオの邪魔にならないところもねw

なんかね、そういうところの人物配置とか、そのための情報の出し方とか、ホント、よく考えてあるよなぁ、って驚いてしまう。

その上で、ちゃんとダンジョン探索のような素朴なサプライズやホラーがあるからね。

よく出来たエンタテインメント。

『BLOOD C』とか『ひぐらし』とかのように、無駄にエログロで推そうするようなところが皆無なのもいいw

どこまでいっても「サマータイム」なんだよなぁw

しかし、これ、今が10話か。

わりといいペースで進んでいるようにも思えるのが不思議。

となると、1クールの折り返しは、あそこで終わることになるのかぁ。。。

ともあれ、これは夏に向けて良い展開になってきたなぁw

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サマータイムレンダ 第9話 『流れよ我が涙』 感想:ついにハイネが慎平に迫る!

2022-06-10 11:44:38 | サマータイムレンダ
やっぱり、この潮と影潮=ウシオとの双子の姉妹的協力関係はいいなぁ。

まぁ、すぐ消えちゃうんだけどね。

ただ、影については相変わらず不思議なのは、自分たちは「影」であってコピー元のオリジナルとは異なる存在である、ってことを最初からちゃんと理解していることだよね。

普通は、意識まで完全にコピーしたのなら、自分がコピー体であることも忘れると思うのだよね。

実際、ウシオも最初はそうだったわけで。

それが、旧菱形病院で接敵したことで、逆に自分が影であったことに気づくというのだから、そこは不思議。

あと影であると自認したら、そのまま影としてアイデンティティを保てるところ。

これ、実は、後々、影澪にも当てはまることなのだけど、ちゃんとオリジナルと大した混乱もなく共存できちゃうんだよね。

ということは、どこかで、自分は影であって、オリジナルを模倣して演じているだけなんだ、という意識はある、ってことなんだよね。

そこが、厳密に言うと、実はコピーじゃなくて擬態じゃん、って思うんだよなぁ。

でもどうやら影は影のままでは自律して存在できないみたいだし。

このあたりは最後まで謎だった気がする。

とはいえ、今回、影しおりにやられた後、ウシオがコールタールみたいになっていた場面を見ると、あれ、やっぱり影は影のまま存在できるんじゃんと思ったりして、ちょっと困る。

オリジナルの姿を「立体」といって、影を「平面」と言っているけれど、正確には、影の方は、地面に薄っぺらく「影のように」張り付いているだけ、という方が適切な気がする。

あんまり厳密に考えても仕方ないのだけど、ちょっと気になってきた。

あとは、ほんと、誰(の影)が潮に向けてフラッシュをたいてウシオを生み出しのだろうか?ってことね。

これも最後まで謎のままだった気がする。

このあたりの「原初的謎」は、結局、話の勢いでごまかされてしまっていたんだなぁ、って今更ながら思ったり。

といっても、それで面白さが減じるわけでもないわけだけど。

とまれ、夏休みの冒険って、どうしてこんなに心に染み入るのだろう。

不思議だよね。

夏って特別な季節なのが。

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サマータイムレンダ 第8話 『メメント』 感想:本格的にウシオ=影潮が物語に絡んでくるとサクサク進むな!

2022-06-03 11:10:48 | サマータイムレンダ
やっぱりウシオが絡んでくるといいな!

慎平が「俯瞰する」参謀役で、ループのやり直しを決める戦略家だとすれば、

ウシオって、完全に特攻隊長、切り込み隊長だからねw

最初の一撃は私が決める!というタイプw

それを、メソメソする窓に蹴りをいれることでサクッと表現するのだから上手い!

まぁ、総じて、この物語では、女子のほうが強いのだけどw


しかし、改めて見ると、ウシオの竹を割ったような快活なところと、

窓の、慎平やウシオを完全に信じ切る善人なところには、びっくりする。

あとあとの展開を考えると、この3人が集結した今回が、ある意味で本格的なスタートなんだよな。

もちろん、ひづるが合流した回も重要なのだけど、今回、彼女がウシオに聞かせた通り、あくまでもひづるは、この謎メッセージによって呼ばれただけなんだよな。

そういう意味では、最初からひづると竜之介は助っ人枠。

・・・と思わせておいて、ひづると竜之介は、島の過去を探る過程で彼らの体験が、物語の重要な鍵となっていくのだから、始末が悪いのだがw

ほんと、ミスリーディングが上手い。


とはいえ、アニメで見ると、いくら澪は入浴中だ、といっても、2階であんなにドタンバタンと殴り合いをしていたら、さすがにおかしいと思うんじゃないの?

少なくともアランは気づくんじゃない?

とか思っちゃうんだよねw

いや、それは、アニメの場合、フレームがずっと同じで、そのフレームの中に人物以外の姿も描くしかないから仕方ないのだけど。

ついでにいえば、ちゃんと色もついているし。つまり、明るい。

裏返すと、マンガって、コマ割で、そういう視線誘導をきっちりしてるんだな、すごいな、って思う。

そういう意味では、原作を並行して追うのも手かも。

まぁ、そう思って読み始めたら、最後まで読み切ってしまったのが、ここにいるわけだがw

しかし、今回は飛ばしたなぁ。

次回は、この間の全滅バッド・エンドに続く、前半の山場となる回だからね。

そうしてウシオが正ヒロイン化が進んでいくw

楽しみだなぁ。

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サマータイムレンダ 全13巻(全139話)感想5:新たなループへの切り替えを含めて場面転換が極めて上手い!

2022-05-30 17:59:54 | サマータイムレンダ
その1その2その3その4から続く)


ホント、この作品は、場面転換がとても上手い

それもこれも、慎平が途中から、リゼロのスバルとは違って、自死によるループの切り替えを自分自身の意志で行うようになるから。

自殺が彼の最大の武器になる。

それは最終的に戦況を左右する戦略的兵器になるわけでw


とりわけ、8周目の分断は凄い。

もちろん、シデの身体が2つあるから可能なのだが、その結果、慎平が手を出せない場面が生み出せた一方で、
ひづるが大往生する場面をも生み出すことができた。

緩急のうまさ、静と動の使い分け、が奇跡的なまでに物語の隅々にまで浸透している。

ウシオが一時退場することで、代わりに影ミオが活躍する場面も生まれる。
一時的とはいえ、まさに「主役交代」
「留守の間は任せた!」の論理w
にしても、躊躇なく刃物を振るう、セーラー服アサシンの影ミオはヤバいw
完全に仕置人w

ウシオと影ミオを通じて(他の平行世界としての周回で起こったことの記憶含めて)人の記憶を共有できるという設定にしたおかげで、展開が早い。
慎平がいないところで起きた事件の概要も知ることができて、その分析結果を次の戦略に活かすことができる。

慎平の「俯瞰」という特性を、一種の能力にすることに成功。

シデのように我執しかないものは、いわば一生、鏡像段階にあるこどものようなもので、象徴界が欠如した存在なのだが、
それも「俯瞰する」、すなわち「自らを省みる」ことができない、人格欠陥者=サイコパスとして位置づけることができた。
そのサイコパスの世界にハイネを引き込んだのもシデだった。

一方、ひづるを「作家」にしたことは、物語を紡ぐことの意味を作中でメタ語りさせるには最適だった。


ところで、影ミオは影ミオで、本体の澪が存在していることで、自分が影であることを終始自覚している。その上で、まさに「澪の影」として、澪の「裏人格」のような振る舞いをしていく。

澪の本音/本性がダダ漏れ状態なのが影ミオ

その上で、しかし、澪の影らしく、ミオの人格を継承しており、慎平が必死になっている姿を目の当たりにして、完全に自分もまた慎平に惹かれていることを自覚する姿が描かれる。

このあたりはむしろ、影ミオを通じて「スワンプマン」の主題が、実践的に検証されているようなもの。
人格は転写された時点からちゃんと分岐して、まさに「双子」のような存在になっていく。
似て非なる存在、それが影ミオ。

その点では、オリジナルが早々に死去することで、その意志を継いでオリジナル以上にオリジナルを演じ、オリジナルを成長させていくウシオとは好対照。


影ミオからすれば、澪を救おうと懸命になる慎平の姿を見たら、そりゃ惚れ直すよね。澪も自分なのだから。
むしろ、戦闘のパートナーとして選ばれている分、慎平の澪に対する本気を知れる分、影ミオの慎平への崇拝がどんどん高まっていく感じ。
でも、それもまた影だからこそ見せつけることができるわけで。
うまいよなぁ。。。

ウシオが慎平のパートナーだとしたら、影ミオは、完全に慎平のサーヴァントだからなぁw
慎平が完全に使役しているw
しかも、もともと澪が寡黙な方だから、影ミオも余計な言葉は発さず、その分、行動が言葉よりも先に出て面白いw


続いて9周目

8周目のひづるの奇策をすでに「見た」上でその記憶とともに9周目の、シデvsひづる/竜之介戦が行われたため、圧倒的にシデが有利であり、そのためひづるに圧勝できた。
8周目の奇策で実体化できた竜之介も、9周目ではシデの鎧を剥ぎ取ることができなかったため、実体化できず。

ループの発動タイミングは、慎平にしか選べないが、
しかし、そのループで起こったことの記憶は、ハイネ・シデ組も保持したまま、次のループに移ることができる。
彼らもまた、戦略を描き直すことができる。
その意味で、作戦遂行中にループ改変が生じるのは、相手に手の内がバレた状態で攻め入られることになり、思い切り不利になる。

そういう意味では、
敵の全貌が見えた7周目の終盤以降の、物語の加速はすごい。
まさに手に汗握る、とはこのこと。
状況がどんどん変わる。
攻守が次々と入れ替わる。

7周目は、5周目、6周目で煮え湯を飲まされた慎平たちの逆襲だから。

体育館の攻防を生き延び、影ミオを仲間に引き入れ、菱形医院の秘密を解き、シデの正体を暴く、だが、その代償はウシオの消滅だった!

・・・って、マジすごくない?

その後、ウシオを失うだけでなく、ひづるも消える。

ひづるの弔い合戦の圧は、最後まで続くからね。ラスボスが、ハイネではなくシデのほうだ、と見抜いたのもひづるだからね。

ひづるはひづるで、ハイネのシデからの解放を慎平に託して死んだ。
それが遺言。

ひづるを失った無念は、慎平組のみんなに決意をもたらす。
このあたりの感情の制御はホント、上手いよ。
たとえば、ウシオが、桜貝に最低限のデータだけを残して8周目に乗り込んでいる事実に気づいたのは影ミオだった。
いつの間にか影ミオは、戦況分析というひづるの役割も引き継いでいた。

ウシオは、ハイネの良心の塊=影、であることも、影ミオは薄々感づいている。

そもそも、ウシオ不在のときの慎平の相談役/パートナーは完全に影ミオだったw

貝となったウシオのデータをデコードできるのは同じウシオだけ、というのは、完全に最初の頃にあった、潮のスマフォの鍵を開けるのに、影とは言え同じ指紋を持つウシオに委ねられていたのと全く同じ。

生体認証、すげぇ。

てか、バイオメトリックス、完全に身体の同一性が、個人のアイデンティティの要としてみなされている、現在の社会制度、法体制そのものの反映になっている。
その流れで行けば、沼男はオリジナルの男と変わらないことになる。

窓を相手にするとき、澪が影ミオを演じることができるくらい、澪と影ミオのキャラの違いは明確になっている。


そして、9周目のウシオ復活のトリック。

3周目でウシオと慎平が遭遇して以来、7周目の最後にウシオが殺されるまで、
つまり、
4周目、5周目、6周目、7周目、8周目、では、慎平たちは7月24日を迎える前にループの更新を繰り返している。
そのため、9周目に至るまで、この世界に2人のウシオが存在している問題が顕在化することはなかった。
少なくとも24日にならなければ、そのループのウシオが島の海岸に上がってくることはなかったから。

だから、正確には、4周目から9周目では、全ループにおいて、ウシオは二人いたことになる。

ただ、その二人のウシオがかち合うことはなかった。なぜならその前に慎平が死んでしまっていたから。

慎平やハイネは、平行世界を移動すると、その世界の自分の身体に「意識/魂」だけが上書きされる。
だが、3周目のウシオがその後7周目まで慎平について移動してきたときは、まさに一個の個体として意識も身体もそのまま移動してきた。

その理由は何だったのだろう?

不完全なハイネの右目を身体にしているから?
その右目の完成形が慎平の右目にあるから?
つまり、慎平の右目とウシオの右目/身体は、もとはいえば同じハイネの右目をもつ影から生まれているから?

なんで、ウシオはウシオのまま平行世界を渡ることができるのだろう?

この謎は最後まで解けなかったように思えるのだけど。。。

またしばらくしたら、読み直してみるかw

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サマータイムレンダ 全13巻(全139話)感想4:『サマータイムレンダ』には 現代における創作資源が全て詰まっている!

2022-05-30 17:42:59 | サマータイムレンダ
その1その2その3から続く)

といっても、途中で、慎平たちが採用した味方にする方法がちょっと雑に思えるところも何箇所かあったけどw

だって、ウシオの記憶で疑似体験させちゃうわけでしょ。

特にトキちゃんの参加は当初はこれだまされてるんじゃん、と思わせられたw
でも、そんなミスリードがふんだんにあるのも、ミステリーとしては上等。

ともあれ:

タイムリープ
死に戻り
ボーイミーツガール
ミステリー
SF
ホラー
民話
妖魔
デジタルゲーム
平行世界
四次元宇宙(ひも理論?)
ラスボスに操られた黒幕の願望 一種の洗脳
ドッペルゲンガー コピー 双子 鏡像
スワンプマン 沼男

これだけの中身がそこかしこに込められているのだからw

それがどれもこれもうまくはまっている!
実際、読み終わって、えええ???と思うところもあったので、タイムリープものにふさわしく、2周目の読み直してみて、あちこち前後を確認しての感想だけど。

いやマジで、全く穴がない。

むしろ、読み直せば読み直すほど、キャラと設定と物語の展開がカッチリ組み合わさっていく音がどんどん聞こえてきてしまうくらい。

唯一解けなかった謎といえば、結局、誰(の影)が、潮の影をコピーを作ろうとフラッシュをたいたのか? その疑問だけ。そこだけはループのしかけが終盤で明らかにされた後もはっきりしなかった。

ウシオの素体が、竜之介殺害事件で分離した「ハイネの右目の影」だとすると、はたしてそこに、その右目の分離を促した「オリジナルである雁切波稲の意志」が働いていたのかどうか。
そこだけは、最後までわからなかった。

面白いのは、「もう一人の自分」という主題が常にこだますること。
スワンプマン=沼男がずっと通奏低音として流れる。
ウシオとミオのことを考えると、むしろ、スワンプガール=沼娘の話だけどねw

ひづると竜之介、にしても、双子の魂を生き残った一人の身体に載せるうまさ。
しかも、ひづるはきちんと年令を重ねる一方、竜之介は殺害された14歳のまま、という非対称な位置づけがニクイ。
結果、ひづるが指揮官、竜之介が戦闘員の役割分担がなされるわけだし。

シデにしても、影のボディの方の肉体を使って自身のコピーを孕ませる、というキチガイじみた行為をもともとしていた。
その上で、自分の魂をハイネにコピーさせ、そのコピーを新たな肉体に定着させることで、事実上の不死を実現するのだから。

子孫の身体に自分の魂を定着させる秘術という点では、理屈は、リゼロのロズワールと同じなんだけどね、

(しかし、そう思うと、アクセル・ワールドの黒雪姫が、魂を上書きされた、というのも、別に珍しい話ではないわけだね。自分の子孫を(望むらくは自分の複製体を)バックアップの身体として確保していくやりかたは、極めてフツーの方法だから。)

で、ハイネも凄い。
友人であるひづるの弟である竜之介を食らってしまった事実に、ハイネのオリジナルである雁切波稲の残存人格が驚いてしまって、ハイネから分離してしまった。
その飛び出したハイネの一部が、雁切波稲の残存人格を伴いながら、ウシオの素体としての影となった。

とはいえ、これは実のところ、相当都合のいい設定。
あと、誰がもともと潮をコピーしようとしてフラッシュをたいたのか、それも不明。まさかハイネじゃないよね?となると、他の既存の影ということになるのだけど。。。)

あと、このオリジナルの波稲が分離してしまったことの波及効果は大きく、まず、ハイネは、ハイネとしては不完全な欠損を抱える存在になってしまったわけだが、しかし、すでにオリジナルのはいねはこの世にいないため、その欠損を埋め合わせることはできない。(だから、あかり?の姿を借りることになった)。

波稲の人格と、ハイネの右目をもつ影が素体となってウシオが誕生したことで、ウシオは影の中でもハイネの支配を受けない特異な存在となった。
なぜならハイネの分身でありオリジナルであるから。
さらにいえば、ハイネの良心であるから。

その結果、最終決戦において、ウシオのなかから「雁切波稲」の残存人格が分離されて実体化されることになったのと、ウシオの右目が、ハイネの右目と同じ機能を有するものにまで成長させることができた。

その背後には、雁切波稲の残存人格がすべての元凶である、300年前の影クジラとの遭遇を「起こらなかったこと」として抹消したかったら。

最終回を知った後から振り返れば、この波稲の根本的な願いがあったからこそ、ウシオも活躍を続けることができた。

また、その波稲の残存人格の驚愕、という衝動が生み出したものが、ひづる&竜之介、という稀代のバイプレイヤーだった。

波稲/ウシオを軸にして、慎平だけでなく、ひづる/竜之介も、この作品の主人公といえる。

したがって、終盤も押し迫ったところで、ひづるが死に、竜之介の魂が慎平の身体に託された、というのも当然といえば当然だった。なぜなら、ひづるもまた慎平同様、「影の」主人公だったから。

「波稲」が右目を分離させた張本人であることに気づいているからこそ、ひづるは、ハイネが、なにをどれだけ食そうとも回復しないことを知っている。
なぜなら、ハイネが負った傷は、身体(データ)に対するものではなく、人格を軽視するデータの欠損であったから。そして、右目とともに欠けてしまったものは、オリジナルの雁切波稲がもっていた良心であり人間らしさであったから。

影は、人格を奪って以後は、基本的にその奪った人格に基づいて(ひきづられて)言動を行う。オリジナルの人物になりきって人格エンジンが作動し続ける。
ただし、影の中には、その人格エンジンのスイッチのオンオフを決めることのできる、さらにもう一段俯瞰した「メタ人格」というか「ウル人格」のようなものがある。

・・・といいたいところだが、ハイネ以外の影は、みな、黒いエキゾチック物質に、フラッシュで抽出した人物の魂がいきなり定着させられるだけなので、その意味では、一番最初に定着させられた人格が、その影のウル人格として機能し続けることになる。
ただし、ハイネの指示を受信することで、自らがもともと影であったという自覚だけは当初からもつことになる。


多分、ウシオが、初めて潮に遭遇したとき、自分が影であるという自覚がなかったのは、ハイネの意志を受信しない、という特性があったからだろう。あきらかに、ウシオは、自分自身が影であることに、事後的に気づいていったわけだから。

しかし、そうなると、そもそも潮にフラッシュをたいたのも、未来の完成した、しかし消える直前のウシオだったのかもしれない。

慎平に右目を上げる前、ひづるにメッセージを残す前に、自らの素体だった、ハイネの右目つきの影を見出して、その影に潮の魂が定着させるようにしたのかもしれない。

もっともそうなると、もはや完全に自作自演の物語になってしまうわけだけどw

そうでないとなると、波稲の右目が意思を持って、むしろ自らの成長素体として潮を見出し、自らフラッシュをたいたとしか思えないのだけどね。

最終的にはそこが一番気になったかなぁ。

まぁ、ループものに必ずまとわりつく、最初の最初。

ビッグバンはなんだったのか?みたいな問いなのだけどw

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