BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

サマータイムレンダ 第7話 『仇敵』 感想:地味に竜之介の活躍回だったなw

2022-05-27 12:15:12 | サマータイムレンダ
竜之介の本領発揮回。

しかし、とにかく展開が早くて、あっという間に終わってしまう。

やっぱり一気見したい作品だよなぁw

それにしても、原作のホラーテイストをどうやって表現するか、気になっていたけど、躊躇なくグロくしてきたね。

いや、マンガは白黒のモノトーンだからホラーへのスイッチがサクッと入るのだけど、アニメだとカラーだからその転換がうまくいくなかな、って思っていたんだよね。

特に小早川家襲撃は、昼間の家族団らんの場への闖入だから、どうしても光量の多い明るい場面になるだろうから。

でも、そうしたホラーやれる?という心配も、スピード感とグロさのアップで突破していたw

これ、制作スタッフ、かなり優秀だよね?

まぁ、総じてその怖さの源が、ひよりの顔芸だったのはご愛嬌だけどw

でもそれにしたって、CV釘宮だったから、というのはあるよねw

ひづる/竜之介のCV日笠も含めて、慎平の脇を固める人たちの配役がしっかりしていて凄いよね。

特にひづると竜之介の演じ分けはそうそう簡単にはできないよなぁ、と思って。

こういうところもよく考えてるなぁ、と。

ホラーとかミステリーって、演出を間違えると、陳腐なギャグになってしまうじゃない?

実はその点が不安だったのだけど、うまく突破しているよね、映像的にも配役的にも。

その上で、潮と澪はあまり聞いたことのない新人というのもいい。


ということで、次回からようやく潮が、といっても影ウシオだけど、物語にからんでくる。

原作を読んでても、おお!と思いながら見れるのだから、幸せだよねw

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サマータイムレンダ 第6話 『軌道共鳴』 感想:そうかまずは、ひづるの紹介回からリスタートか!

2022-05-20 13:37:34 | サマータイムレンダ
そうだった、まずは、ひづると根津を味方につけるところから始めなくちゃ、だった。

でもこうやって改めて見直すと、この物語の前半の「主役」は、ひづるだよなぁ。

もちろん、慎平よりも年上ということもあるけれど、彼女からしたら、今の状況こそが、一種のループ再体験のようなものだから。

少なくともすでにこの島が影に占拠されていることは過去の経験から了解済みだからね。

その上でいかにして影を出し抜くのか。

そういう意味では、アランの影を一振りで粉砕したところは、簡潔だけどよく出来た描写だよね。

ひづるの知識と知恵、行動力の全てが凝縮された撃退。

ということで、しばらくは、ひづるが主役、慎平は進行役、ってくらいで見ていたほうがわかりやすい。

ルークを導くオビワンみたいなものだよねw

慎平の師匠。

そういう意味でも、ひづるが作家で、慎平からしたら「先生」呼びして崇めてもおかしくないところも、地味に設定がうまい。

ホント、よく出来た物語。

そして、一話の体感時間が短い!

やっぱり、これは最後に盛大に1話から一気見するのが楽しみだなぁ。

2クールだから、9月末になってしまうけれどw

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サマータイムレンダ 第5話 『渦』 感想:さぁ、次回から反撃開始だ!!!

2022-05-13 14:58:01 | サマータイムレンダ
前半の山場になる、バッドエンドのお披露目会。

確かに、最初にこの場面を呼んだときは、いや、この先、どうするんだよ?!って普通に思ったものね。

でもまぁ、ここからの慎平とウシオのハイネたちに対する反撃が、もちろん、面白いのだけど。

とはいえ、まだこの段階では、ウシオとのやりとりがちゃんとなされていないから。

その意味で4周目で行われる、この惨劇に至った背景、慎平に託された役割、がはっきりするのはいいかも。


しかし、この3周目のバッドエンドの時に、ちゃんとひづるは、ハイネを見て、あれはハイネだ、と認識しているんだよね。。。

こういうところ、ホント、最初にプロットをきっちり作って物語を回していったんだんなぁ、って感心する。

それにしても、原作もそうだけど、これは、全話が放送されたあとで、配信でイッキ見とかすると、ものすごく盛り上がりそうだなw

この先も楽しみだよ。

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サマータイムレンダ 全13巻(全139話)感想3: なぜ、潮ではなくウシオが、慎平のパートナーとして活躍できたのか?

2022-05-07 17:53:03 | サマータイムレンダ
感想1感想2から続く)

この作品の面白いところは、キャラの配置がものすごくよく考えられているところ。

メインは
慎平
潮 ウシオ
澪 ミオ

朱鷺子
南雲ひづる 竜之介
根津
凸村

このチーム慎平に敵側の
ハイネ
シデ
が対峙する。

あとはバイプレイヤーとして
雁切
菱形
アレン
らが名を連ねる。

でも、そうしたサブキャラにしても、舞台が「離島」であるため、少数に特定されてしまっても違和感はない。

基本的にタイムリープを繰り返すため、関わってくる人物も最初に出てくる人たちでほぼ固定される。
そのかわり、それぞれのキャラのバックストーリーも深掘りされていく。

アメドラっぽい構成。

上手いなぁと感じたのは、その各人のバックストーリーが、何らかの形で、影や、島といった背景事情の説明につながっていること。
そうして新たな情報が開示されると同時に、新たな「状況」が生まれる。
このあたりはミステリー風でありながらホラー風でもある。

まぁ、昔あった『ひぐらし』とかのノリに近いんだけど。
でも、それが今風に、というかSF的に洗練されている。

よく指摘されるように、影がデジタル風にバグっているところとか。
実際、あの描写だと、読んでる最中に、あれ、この作品ももしかして「ゲーム内世界」のデジタル世界だったりする? とか邪推してしまったりw
最後まで読むとそうじゃないことがわかるわけだけどw
でも、物語の途中でその可能性もあるかも?と思わせるところは、ちょっとズルいが、これも上手い。

その上で、ハイネの「最善・最良」の部分の分身が、実はウシオの中にあった、という設定によって、最後には、ハイネもピュアな心で浄化される側に立つようになっても不自然でないこと。
そういう意味では、我欲の追求にだけ走ったシデが一番たちが悪い、ということになるのだけど。
でも、裏返すと、シデが変な気を起こさなければ、ウシオが死ぬこともなかったんだよね。


この物語の一番のポイントは、(潮ではなく)ウシオこそがすべてのカギを握るワイルドカードだったということ。

なにしろ、結局、ひづるを島に戻らせたのも、慎平にハイネの右目の能力を与えたのも、すべて、最終局面で、常世でシデに勝利したあとの、そして、ヒルコの島への漂着を「なかったことにした」あとに、ウシオが時間を超越して行ったことだから。

その意味では、ウシオが本当の主人公であって、慎平は、いわゆるプレイヤーキャラとしての進行役にすぎなかったといえなくもない。

まぁ、「潮」がもう死んでしまっていて手を下せないから、代わりに慎平が、影のウシオの手を借りて、問題解決にあたる、という形式を取らざるを得なかったわけだけど。

もう少し正確に言うと、
影であるウシオが、
ハイネからは、常世の世界から世界を眺めることができる右目を
オリジナルの潮からは、慎平に対する恋心と、島のみんなを救おうとする勇気を
それぞれ引き継いでいたことが大きかった。

その結果、ウシオは、ハイネやシデにも挑むことができる特異な影になることができた。
そうなった理由が明らかになったとき、スムーズに納得できるだけの描写の蓄積もなされていた。

もちろん、その特異なウシオを、影ゆえに躊躇せずに、ある意味使い魔のように使役した慎平の度胸もすごいのだけどw

ただ、見ようによっては、潮と瓜二つのウシオを「使役する」ところに慎平の異常さが現れているようにも思える。
もっとも、それにしても、当初から彼の性格として「俯瞰する自分」をもつという特性が示されていたため、こちらもそれほど違和感がなかった。
むしろ、「俯瞰する自分」という、慎平の「人格」があればこそ、右目を最大限に利用することができたように思えたので、途中から、右目がしかるべき人物に移植された、と納得もできた。

ともあれ、こうした設定の組み立て方、ならびに、物語の流れに沿った読者へのプレゼンの仕方が、とてもうまかったんだよね。

そのため、慎平が、ハイネとシデというラスボスを正確に認識し、彼らを倒して島のみんなを守る決意に至った3周目の最後以降は、物語を読む速度が加速度的に速まっていったのは確か。

最初に紹介された人物たちが、途中で裏切ることがなく、むしろ、多くの人がともに戦う仲間になっていくところも、ストレスなく最後まで物語を読み進めることができた理由だったと思う。

その意味では、影のミオを仲間に引き込んでからの展開は実に秀逸。

ウシオだけでなく、影ミオや、ひづるのなかの竜之介、あるいはトキちゃんのゴズ?たちのように、影の能力をもつ者たちを仲間に引き込めていけたのも大きい。

その一方で、ハイネが慎平をトレースできるようになったことも。

なんだかんだいいながら、ハイネとの間で勢力が均衡しながら勝負が進んでいくのだから。

そりゃ、頁を繰る手も速まるというものだよねw

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サマータイムレンダ 全13巻(全139話)感想2:全編通じて展開の緩急のつけ方が上手く、最後まで加速したまま物語が進んでいくのは気持ちいい!

2022-05-06 15:33:33 | サマータイムレンダ
感想1からの続き)

とにかく、この作品は、緩急のつけ方が最高!

7月22日から24日の3日間を繰り返して、最終的には10周する。

ただし、回を追うごとに戻れる過去が近づいてくる、というタイムリミットつき。
つまり、いつまでもタイムリープ者の好きにはできない、ということ。
あわせて、確定した過去は覆せない、ということ。
やり直しできる範囲がどんどん狭まっていく。
その分、知恵を使わなければならない。
相手の数手先まで先読みして、相手が取れる選択肢を狭めなければならない。
知略戦の横行。
しかも状況は時々刻々変わっていく。

実際、慎平&ウシオから見れば、常に一進一退。

とりわけ
3周目の絶望
4周目の無念
5周目からの容赦ない追撃
によって、圧倒的に劣勢を強いられる

なかでも、ウシオの消失とひづるの死は決定的にマズイ状況を生み出すが、9周目におけるウシオの奇跡的な復活とともに物語は一気に加速し最終局面へ流れ込む。

それにしても、この終盤の9周目から10周目にかけての一気呵成ぶりには、ホントしびれたw

もう読み進めるしかない!って感じでグイグイいく!

で、最後に覚醒したウシオが、第1話への円環をつくる。

ウシオは、潮のコピー、いわばニセモノだが、ニセモノ故に本物の「潮」なら絶対にこれをやるはず、ということをとことん突き止めて、実行に移す。

そのあたりは、西尾維新の『偽物語』に出てきた貝木泥舟の「ニセモノこそが本物に近づきやがては凌駕する」という理論そのもの。

実際、ウシオはオリジナルの「潮」と比べても不思議な存在で、

肉体的な素体、すなわち物質的な素体は、

ハイネの右目ならびにその右目に伴う異能と、
ハイネのオリジナルであった雁切波稲の良心

をともにもった存在としてつくられ、

そこに魂として、オリジナルの「潮」の真っ直ぐな正義感と慎平への愛情が上乗せされた存在。

その意味では、ウシオって実は「潮」以上の存在なんだよね、ポテンシャルとして。
潮以外の要素も持ち合わせたハイブリッド。
そのハイブリッドな肉体的存在を、「潮」の魂が操っていた、という感じで。


「潮」自体は、いわば「魂」だけで戦っていたようなものだけど、イレギュラーな「影」の肉体のスペックによって、それ以上の成果を見せる。

加えて、影のウシオも慎平とループを繰り返すうちにどんどん成長していく。

だから、終盤になるとウシオは、魂的にも「潮」であって「潮」ではない状態になる。

「潮」の魂が経験を積んで成長していくから。

で、ここで哲学的に面白いのは、成長したウシオは、当然、コピー直後のオリジナルの「潮」とは異なるはずなのだけど、でも、人格としての同一性(アイデンティティ)を保っていると、本人も周りの人間も思ってしまうところで。

つまり、人格の同一性は、成長という変化も織り込み済みのものなのだ、ということで。

だったら、影の身体だけどウシオはやっぱり「潮」でいいじゃん、ってことになるわけで。

そういう、ふとした時に思いつく知的面白さもあるんだよね。

もっとも、そのために仕込まれたのが、作中の『沼男』という小説なのだけど。

ああいう形で、読者の解釈を誘導するところも作風として上手いなぁ、と思ってしまったんだよね。

ああしたメタ読みを促さすガジェットの配置も、緩急のうまさに一役買っているのは間違いない。

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サマータイムレンダ 第4話 『未視感(ジャメヴ)』 感想: 今回でメインキャラが勢ぞろいした、って感じだな!

2022-05-06 11:30:14 | サマータイムレンダ
いやー、展開早い!

一気に夏祭りのクライマックス間近まで。

しかも最後をひづる/竜之介の登場で締めるのも!

しかし、一通り最後まで読み終わってから、今回のエピソードを見ると、

慎平がウシオ(=潮の影)を浜辺で見つけるところって、秀逸だな。

ずっと海の中を漂っていたウシオが浜辺に打ち上げられた、という意味では、状況的には「人魚姫」のようなシチュエーションだし。

実際、ウシオの髪が金髪なのも、この浜辺での再会シーンで思いっきり、効いている。

幻想的だし、ロマンティックだよねw

しかも、ウシオが、この時点では、影の記憶をもろもろ飛ばされているから、自分自身を本物の潮と思いこんでいるところもいい。

別にウシオに悪気があるのではなく、本気で自分が潮だと、この時点では思っているからね。

そのあたりは、最初から自分は澪の影だと自覚して行動しているミオとは全く違う。

というか、圧倒的にウシオがイレギュラーなわけだけど。

でも、読み終わった後で、今回の浜辺での再会シーンを見ると、実は、この時に出会ったウシオと慎平は、ずっと一緒に最後まで戦うことになるんだよね。

影だけど影じゃないウシオ/潮として。

これは実は良く出来てるんだよなぁ。

タイムリープものって記憶の保持が基本的にその人物の人格の一貫性、つまりアイデンティティを決定するものとして機能するのだけど、ウシオについては、それがそのまま当てはまる。

タイムリープの能力者は慎平であるにもかかわらず。

前の周回や並行世界の記憶を保持する特異点としてのキャラクター、って、ホント当たり前の存在になってるのは、なんだけどw


もっとも、こうやってこの4話における慎平とウシオの遭遇シーンを見直すと、どうしてあの場所に慎平が誘導されたのか? という謎が新たにわいてくるんだけどねw

ご都合主義といえばそれまでなのだけど、でも、そうした物語の転換点を、うまーく原作は、物語の勢いで突破しているんだよね。

そういう意味では、この作品のスピード感は、物語を成立させるためにも必要だったんだな、って改めて痛感した。


そう、こんな感じで、今後もどんどん物語は加速していく!

今から続きが楽しみだ。

ともあれ、次回は、前半の山場!

というか、物語の大転換点だからな!

今からワクワクするよ。ゾクゾクもするけれどw

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サマータイムレンダ 全13巻(全139話)感想:タイムリープ・ミステリーの魅力と面白さの全てが詰まった傑作だった!

2022-04-22 13:07:18 | サマータイムレンダ
アニメの第1話を見て、やっぱり気になってしまって、原作に手を出してしまったのだけど、

いやー、これはちょっと近年、稀に見るほどの傑作マンガじゃない?

それくらい途中から続きが気になって仕方なく、最後まで一気に読み進んでしまった。

それに、タイムリープ・ミステリーとしてみたときも出色でしょ。

比較するのは難しいところはあるけど、『君の名は。』の上位互換といってもいいくらい。

それくらい、タイムリープ・ミステリーの魅力が全て詰まっている!

それも、結局のところ、少なくとも慎平視点から見たときは、島に戻った7月22日から24日までの、「わずか3日間」の出来事にすぎないんだよね。

そこで一度目にする、文字通りのデッドエンドを回避するために死力を尽くす。

もちろん、その3日間の間に、その3日間より前に生じた事件が、一応「回想」という形で紹介されるわけだけど、そこはタイムリープものらしく、いつの間にか、それら「過去の回想」もまたリアルイベントのような錯覚に陥らされていく。。。


タイムリープ・ミステリーって、前回までのループを主人公自身が「記憶」や「経験」として反省的に検討し直すから、本質的にメタフィクションになるのだけど、その特質を余すところなく使ってくる。

その点でキャラの配置も秀逸で、中でも

慎平の「俯瞰」特性

ひづるの職業が「作家」

という設定は、作中で前回までのループを分析し、新しいループでの攻略法を考える上で極めてナチュラル。

とにかく主人公の慎平があたふたしないところがよい。

「俯瞰」特性があるから、臨機応変に物事に対処できるし、ループに慣れて以後は、ループ特性を活かすために、即断即決ができる主人公になるところもいい。

慎平自身はほとんど戦闘力がなく、もっぱら戦うのは影であるウシオなので、その分、慎平自身は自分が戦略担当であることを自覚している。

まぁ、いわば、慎平とウシオは、Fateでいうところのマスターとサーヴァントの関係のようなものなのだけど、その関係は、むしろ、ウシオが一時期消滅した後、彼女の役割を影ミオが担っていたところではっきりする。

ウシオと違って、もともと影ミオは敵で、慎平は1周目に影ミオにしゃさつされていたこともあったからか、影ミオが仲間になって以後も、基本ドライな関係が維持されたことも大きくて、明らかに慎平は、影ミオについては「使役」させていたから。

まぁ、オリジナルの澪が妹のような存在で、姉の潮に対するのとは違って、慎平自身も、兄貴口調で命令気味になっていたことも大きいだろうけど。

ともあれ、戦闘力がない分、慎平は自分が司令塔の役割であることを強く自覚していた。

一方、ひづるの方は、14年前にハイネによって殺された双子の弟の竜之介の魂を、正確には、竜之介をコピーした竜之介の影の魂を、ひづるの内部に抱えていたため、参謀役なだけでなく、自らの身体の制御を影竜之介に預けることで、直接戦闘に臨むこともできる

つまり、ひづるは人間と影のハイブリッド。

その特性で、単に状況を分析するだけでなく、自らその作戦を遂行できる傑物なわけで、それゆえ、慎平が自分の役割に自覚的になっていく過程において、慎平とウシオを導く師範の役割も果たしていた。

その意味では、慎平がもともと作家ひづるの大ファンで、出会った当初から「先生」と呼んでいたのも、地味に効いている。

ひづるは、慎平とウシオの指南役として登場し、彼らが十分成長したと見極めたところで(といっても、その時はウシオが消失していたときだから状況的には極めてヤバいときだったわけだけど)、シデの手にかかり、先に散っていった。

ただ、そこで同時に、影竜之介を慎平に託す、という、いわば遺言イベントも生じるわけで。


いやー、このあたりのね、キャラの配置のさせ方、というか、動かし方というのが、もうとにかく上手いんだよ、このマンガは!

こんな感じで感想なり考察なりを書き始めたら、もう止まらない、という感じでw

なので、とりあえず、今回はここで止めておく。

少なくとも書きたいと思ってしまうこととしては、

● ウシオの存在意義
● 物語のループ構造、ならびに、それが物語の結末に与える影響
● タイムリープゆえの驚愕と爽快感
● ハイネの存在意義
● シデの存在意義
● ヒルコ伝承の役割
● スワンプマン=沼男の哲学的意義
● 澪ならびに影ミオの意義
● 平行世界設定
● 菱形家の人びと、特に朱鷺子
● 先行したタイムリープものとの差異

・・・等々、ちょっと思いついたことでもこれくらいあるw

しかもすごいのは、たとえば「ウシオの存在意義」といっても、この物語にタイムリープもの特有のメタフィクション性があるから、

それゆえ、常に「作中の個別イベントにおける意義」と「物語全体の構造における意義」という具合に、常に、アリの視点とトリの視点から分析できてしまうところw

そういう意味では、慎平いうところの「俯瞰」特性が全編にわたり染み付いている、って感じなんだよね。

常に、

目の前で起きた一回性の事件/存在としての意義

と、

ループ内、あるいはループを通じて(超えて)反復される事件/存在としての意義

の複眼で、今読んだマンガの描写を受け止めないといけない、という気にさせられるw

いやー、ホント、すごい作品だよ。

つくづく思うのは、一気読みできてよかった、ということで。

これ、連載されている時に読んでいたら、多分、これだけの緊張感をもって読みきれなかったと思う。

次の回が登場するまでウダウダ考えている内に、熱が冷めてしまうことも十分考えられるから。

その意味でも一気読みできてよかったし、アニメの方も、一気に最後までやって完結されるのは素晴らしい。

しかもタイトルにある「サマータイム」の真っ只中である、現実の「2022年の夏」の間に話は進むのだからw

いやー、ほんと素晴らしい。

ということで、先に挙げたような内容についてもまた、感想なり考察なりのかたちで、あとでアップしていきたいと思うw

でもまぁ、それくらい傑作!ということなんだよw

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サマータイムレンダ 第2話 『影』 感想: なんか一気にタイムリープ・ミステリーとして大化けしそうな勢い!

2022-04-22 11:24:38 | サマータイムレンダ
第1話のときも思ったけど、やっぱり、これ、面白い!

第2話で早くも3周目まで来て、慎平がちゃんとループに対処しているのがいい。

そういう意味では、彼の「俯瞰」特性はいいね。

冷静に次の一手を打つことができる。

ともあれ、これで3周目がすんなり始まっていく感じだな。

ひづるの方も関わり始めてきたし。

キャラの紹介を兼ねたプロットの作り方がホント、上手いよね、この物語。


実は、第1話があまりにも刺さったので、やっぱり原作を読み始めた。

というか、すでに読み終わっているw

ただ、あまりにも、中身が濃くて、かつ、ループなので、全体の理解にちょっと時間がかかっている。

現在、2周目中w

それくらいループによる情報の出し入れが上手いということなのだけど。

タイトル通り、夏にかかる時期に2クールやるのは素晴らしい。

いまから最終25話が楽しみでならないw


ということなので、今回の2話のあたりはすでに展開を知ってしまっているのだが、うまく作っているな、という感じ。

動きのあるアニメの場合、3周目の展開まで一気につめてくることで、全体的にもたもたした印象を与えず、むしろ加速した感じを与えるのもいい感じw

緩急のよさは原作の持ち味でもあるのだけど、それをうまく表現している。

多分、このまま作画が崩れずに最後までいければ、アニメとしても傑作の部類に入ると思うよ。

確実にリゼロよりも爽快感のある展開だから。


ということで、すでに関心は、原作の素晴らしさをどう表現してくるか、のほうに移っている。

今回であれば、前回の引きで2周目の開始を示唆してひとまず終わった上で、今回の冒頭で、潮の救出シーンの記憶の振り返りをしたところとか。

2クールの構成として上手いなと思ったので、これはこの先、期待できると思った。

今回だって、引きは澪が自分の影に気づいたところで終わったわけだし。

次回まで「不穏な空気」を残すのはいいよね。

もっとも原作からしてそういうホラーな構成なのだけどw

それがどんどんミステリーになり、SFになり、冒険ものになっていくのだから、すばらしい。

1クールの終わりあたりでどこまで行くのか、まずはそれが気にかかる。


いずれにせよ、無印のシュタゲなみに面白くなることは間違いないはず!

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サマータイムレンダ 第1話 『さよなら夏の日』 感想: 久しぶりの孤島SFミステリーのようで期待に胸が弾む弾む!w

2022-04-15 15:54:06 | サマータイムレンダ
なんだろー、これ? って感じで見始めたら、なんか最後まで見てしまった。

いやでも、いきなり主人公、撃たれたてるんじゃん!と思った次の瞬間に、「死に戻り?」していて、おいおいリゼロかよ!って思わず突っ込んでしまったw

ということで、これどうやらSFチックなミステリーなんだね?

ちょっと『ひぐらしのなく頃に』的な雰囲気で、こういう作品って、ものすごく久しぶりじゃない?

ということで、結構、続きが楽しみ。

一応、どうやら2クールを連続でやるみたいで、しかも、原作はもう完結済み、というから、これ、最後までやるんだろうな、きっと。

ということで、すでに、向こう半年間も原作に手を出さずにいられるのか?という気分になっているw


で、第1話は、物語の舞台と主要登場人物の紹介、ってことでいいのかな?

主人公の慎平
ヒロインの潮、ただしすでに故人(のはず)
潮の妹の澪
慎平の友人の窓
怪しい警官の凸村
神社の雁切
潮と澪の父のアラン
あとなんか撃たれたお姉さん(南方というらしい)

ってところ。

しかし、孤島かぁ、孤島殺人事件かぁ、定番中の定番のシチュじゃないかw

しかも、主人公の慎平は、幼い時に両親を亡くして、アランに引き取られて、潮と澪と兄弟のように育てられていた。

で、物語冒頭で、島を出て東京で暮らしていた慎平が、潮の葬儀のために島に帰ってきたという始まり。

もうこれだけで、

慎平の両親はなぜ死んだのか?

という疑問が生じ、そこから当然、島の過去に飛ぶ話になるよね、きっとw

今回のオチだと、ドッペルゲンガーに見える人間の複製体を作る実験でも秘密裏にされていたに違いないのだろうし、

当然、そんな研究が島単体でできるわけもなく、誰かが島の外から人材や資源、金を供給しているはずで、

その「島の外」の黒幕と、今は島の外にいる慎平との間に何らかのリンクがみつかるのかもしれない。

あるいは、慎平と一緒に島に来て最後に撃たれていた女性は、もしかしたら、過去の実験の成功作で、だれかが複製体を外に逃がした結果なのかもしれない。

てか、なんで、慎平、右目だけコンタクトっぽいの?とか、

「俯瞰して捉えよう」とか、なんでそんな探偵口調なのさ?とか。

・・・もうすでにいくらでも、謎やそこからの展開があれこれ思いついてしまって、きになることったらないw


ということで、2話が楽しみなのだがw

でも、こういうのは、もう配信で25話全話配信!みたいな形でやってくれないと、いまどき、見る方の関心が持たないんじゃない?って思うよ。

イカゲームみたいに全話配信にしてほしかったなぁ。。。

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