ローマ帝国は5世紀には衰退しゲルマン人がこの地に侵入しその一派西ゴート人が419年に西ゴート王国を建国し560年トレドを首都にしました。ところが今回の旅行で勿論トレドにも行きましたが、全く西ゴート時代の痕跡には出会えませんでした。
スペイン・ポルトガルで西ゴート時代のものを見る機会がありますか、と、添乗員の堤さんに聞いたところ、全く知りませんとの返事でした。「地球の歩き方」にもこの時代の文化遺産の紹介はありませんし、lonely planet にもごく少数の教会が北部に残されているだけとの記載でした。
というわけで、西ゴート時代はパスして、711年にジブラルタル海峡をわたってきたイスラーム時代の紹介になります。スペイン・ポルトガルに入ったイスラーム勢力はコルドバを首都にします。コルドバは1236年にキリスト教勢力に奪われるまでイスラーム文化の花を咲かせます。イスラーム時代の10世紀頃のコルドバの人口は45万人で当時では世界最大でした。ちなみに京都は18万人と推定されています。なお最終的にスペインからイスラーム勢力が追い出されるのは1492年のグラナダ陥落です。
イスラーム寺院といえばモスク(英語)ですが、スペインではメスキータといいます。本場アラビア語ではマスジドです。これについては2008年6月12日をご覧ください。コルドバには西イスラーム世界で最大といわれる奥行き178m、幅125mのメスキータが残されています。但しlonelyplanet がMezquita-Catedral と言うように後のキリスト勢力がこの中に大聖堂カテドラルCatedral を押し込んだものが現存のメスキータです。
写真はイスラーム様式を残した内部です。フラッシュ禁止の写真なので見難いですが。現在850本の柱が立っていますが、大聖堂のため63本が犠牲になりました。