帰国前日のロンドンの午後は自由時間でした。わたくしは大英博物館に出かけました。世界最大の博物館でじっくり見て回れば少なくとも1週間は必要だとされています。
無知な私は入場料が無料だということは知りませんでした。考えてみればそれはある意味で当然のような気がします。というのは、この「大英博物館」は帝国としてのイギリスの象徴だからです。「地球の歩き方」(p80)では「大英帝国の略奪のたまもの」、ウイキペディアでは「イギリス人自身にも『泥棒博物館』や『強盗博物館』などとも揶揄される」と述べられています。したがって今でも各国、各地からの返還要求があります。パルテノン神殿の彫刻像や浮き張りの返還をギリシア政府が要求しているのもその一つです。
前置きが長くなりましたが、入り口を入ってすぐに出会ったのがこのロゼッタストーン(写真左上)(注)でした。ちょっとびっくりしました。手で触ることができる感じで展示してあるので。無知な私は一瞬これはイミテーションではないかと思い「これ本物ですか?」と係の人に尋ねました、本物との返事でした。
(注)ナポレオンのエジプト遠征で見つけた石碑で3段にわたって異なる文字で同一の内容が書かれています。下の1段がギリシア語で書かれていたので上の2段のエジプト文字がシャンポリオンによって解読され古代エジプトの理解が進みました。
そののち、世界的な宝物の連続で無学な私にはほとんど理解不能のショックもあり体調不良になり2時間で退散しました。あとでの反省で「マグナカルタ」だけは見ておきたかった。
最後の日の午前中も自由時間だったのでハイドパークでウロウロしました。(写真右中、下)
今回で「英国物語」を終わります。次回からは「フランス物語」です。
大英博物館は3年前にまいりましたが、ツアーで既に疲れていた上、あまりの広さに疲れ果ててほとんど観ることができませんでした。入場料が無料ということは、この記事を読ませていただくまで知りませんでした。が、また行きたいとも思いません。その時間があれば、ロンドンのどこかのベンチに座って、生きて動いているイギリス人を見ているほうが楽しいですから。