風のこたろう

'05年4月6日~'07年4月7日 ウランバートル生活日記
'09年8月~  詩吟三昧の徒然日記

山村庸子

2013年11月10日 | 詩吟
山村氏は、声の道場を主宰する日本でも珍しい女性の能楽師です。

知人の紹介で、能楽堂で3人の吟友と教えを請いに行ってきました。

発声について、考え始め、いろいろと試行錯誤をしましたが、実際に手を取り足を取り、息をうかがう学びではないため、なかなか、思うような進展がみられず、手探りで自分なりの方法を見つけてきました。

体は楽器と自分で気が付いたとき、そう気が付いたとき、世の中を見渡してみると体は楽器といたるところでいたる人が言っているのに気が付きました。

そこから、いろんな糸口が見えてきて、そして、山村氏にたどり着いたというわけ。

能の発声と吟の発声とは、同じではないけれど、日本語で声を極めた基本の形は、詩吟と共通するものがありました。



日本語は,口の中で発する語り方で、無理に大きな口をあけてはいけないとおっしゃいます。

2冊の著書は、女性らしく淡々とそしてわかりやすい言葉でいてあり、どうかするとわかったつもりになって読み進みすぎるような文章です。

きっと、頭にはとどまらなくても、心に届いているはずと思いながら、母が子に対するように、もったいぶらずに、ありったけを出し惜しみせずに書き綴って有りました。


その著書の書き方の通りに、1時間と言う短い時間で、3人それぞれのテーマを明解に解きほぐしてくださいました。
本当に、出し惜しみせずさっぱりと丁寧に、心に届く指導法でした。

私の持っていったテーマは、弱い声をどう出すか。
能で言う強吟と弱吟とは、私の想像を超えたもので、詩吟の強い声は、能では弱吟に属し、音階ではなく息の通し方にあること、その説明の通りにすると、なるほど、弱くても、小さくても通る声が出そうです。

今日聞いたから今日すぐできるようになるものではなく、この感覚を忘れないで、日々練習。
物事の王道はないということでした。

まず大切なのは、姿勢。
体の力を抜き、腰にいつも注意が届いていること。
これは、私もたどり着いていたことで、やっとたどり着いたところに、背骨からと言う説明で声を出すという、もちろんその前に下腹の支えのさらに重要なことを解いてくださった。

それこそ惜しげもなく。

感動で、危うく落涙するところでした。

息を吐ききることを男声には特に言ってきましたが、その本当のところがわかっていなかったために、相手には届いてなかったことがよくわかり、生半可な到達点であったこと、それが今日の山村氏の言葉で到達点に至ったかなぁと思うのです。

その到達点から、スタートしてさらに身に着ける作業がこれから始まります。

そして、大事なことは、声を自在に出して、体を作ること。
それができていれば、その言葉の解釈が自分なりにできていれば、おのずと詩情は出てくるともおっしゃいました。

能や謡では、声の基礎は三年はかかるとおっしゃっていました。
昨今、女性のお稽古に来る方が多いけれど、音階派と呼吸派とにわかれると。
音階派(私が勝手にそう読んでみました。)は、音取りが出来たらそれで完成。それ以上のことは、望まない。
呼吸派(同上)は、先生のまねびをし、厳しい要求に耐える人たち。

まさに体育会系であるとおっしゃった。


いろんな、同じ考え方が著書にも今日の言葉の中にもたくさん出てきて、同じ方向を向いていたことを知り、そして、幼稚園生の私にも侮らず丁寧に上級のまねびに導いてくださった。

本当にありがとうございました。

紹介くださった方、一緒に行ってくださった方、ほんとうにありがとうございます。

嬉しくて、しかたがない。

さぁ、練習だ。さて・・・今までと違った環境となっている私に、どう取り組めるのか、これも宿題。
コメント