今年最後の練習は、いつもの顔ぶれで行われました。
新A-2のテキスト終了までは、順に行うと決めて進んできた今日の吟題は
「晩秋晴れを弄す」 宮崎東明 です。
基本吟だからと迂闊に詠うと細かいところで、躓きやすい詩吟でした。
その箇所は、10年選手は、さすがにそつなく吟じられました。
3月に参段、四段の昇段を控えている方は、その吟題で吟じました。
中でも律詩を吟じたTさんは、目覚ましい進歩ぶりで、野田会長の教室で
ブラッシュアップしていただいたのだねと驚き喜びました。
ご自身が大好きな吟題で、お家でも自主練習を毎日欠かさないとのこと。
この処、東大島教室は欠席がちで、今日の吟詠の仕上げは、ご自身の努力に
よるものとお聞きして、さらにびっくり!
このまま三月まで練習をして、どこまで上達していくのかと思うと、楽しみの
半面、25番の譜には自己流がふいと顔を覗かせるのをできる限り無くすには
何をすればよいのかを考えてみようと思いました。
三段のYさんは、ちりめん声と言っていたのが吟声になってきました。
大好きという吟題は、難しいのを選んでしまったと、後悔していましたが、
好きな吟題だから、難しいのにもがまんして前向きに対処できるのだからと、
励ましながらここまできました。
縮緬声を脱して、ある程度声の太さが出てくるとご自身で意識しないで、
ちょっとした揺りモドキが入るようになりました。
聞くと、その部分は、意識したわけではなく自然と出てきましたとのこと。
Yさんにとっては、「揺り」はあこがれではなく、お手本の音源を聞きに
聴いているのだそうです。
これは、冥利に尽きることです。
この方が、「揺り」に気づき興味を持たれたら、どうなるでしょう?
興味は尽きません。
ゲストさんそれぞれも、声ののびやかさが出てきました。
かたや「憧れの揺り」をどうしても詠いたい方には、意識して出そう
としても出るものではないということを最近やっとわかっていただきました。
そして、大山の「七 六 五」の降りて来る音程を慌てず確実に踏むことが
出来ました。
良くお聞きすると、これも違う意味で自分では意識してなかったとのこと。
「コンダクターや、先輩の声をよくきいてね。」「はい!」のやり取りは、
いく度となく繰り返されました。
「テキストを見るのに一生懸命で、実は耳に入ってなかった」と、やっと
自分で気が付かれました。やっていたつもりだけで実は上の空であったことが発覚。
今日、やっと、一音一音をよく聞いて声を出し、体に刻みました。
声の低いゲストさんも、ご自身の音程で、吟じることをこれからどんどん
増やしていけば、もっと、自分の吟詠ができるようになるはずのことが
さらに見えてきました。
吟詠の速度も、安定して来て、いい味が出てきました。
この努力をしていけば、
独りよがりではない関吟流が詠えるようになる!
一年の締めくくりとしては、それぞれが、とても魅力的な吟詠です。
来年の始まりが、楽しみになりました。
一年間ありがとうございました。
練習後は、近くのファミレスで、お茶をしました。
教室の延長で、全員の耳に入れなくてはと、声が大きくなりすぎたと、
毎度同じことをこれを書くいまごろになって反省しています。
小さくて通る声は、鷺照先生の真骨頂だったのになぁ。これもあれも、身に
着かないままだったなぁ。
もう一度「照」であったあの頃に戻って見たいと思う。