風のこたろう

'05年4月6日~'07年4月7日 ウランバートル生活日記
'09年8月~  詩吟三昧の徒然日記

夢松風土曜日教室 視線の先は?

2023年02月18日 | 詩吟
この4月からのお稽古について、今までの時間帯の見直しをしました。
結果、5時から7時を2時から4時に変更です。
この時間だと、行きも帰りも明るくて楽です。
何よりもバスを使えるので、交通費が半分以下となります。
会場使用料は、もともと他会場に比べて安いのですが、5時まではさらに
安くなります。
それで、通常の会場費以外の経費をお願いしていましたが、それも頂かなくて
良いことになり一安心です。

そして、この件を相談するにあたって、今までの教場メンバーは、
私よりも年上でしたから、労わらねばという思いが少なからずありました。
ところが、気がついてみると土曜日教室は、私の娘世代の二人です。
労わられる立場となり、年長者として扱われて私ってそうなのねとはじめて
認識しました。
これだけ年齢が違うと、労われるのも悪くないと思います。
彼らは、年上世代と違って、眼の前ではなくそのずっと先に視線がある。
そのかなたの先には、まだ、私がいるのだろうかと考える。
今の状況では、私は居てあげたいと思う。
独り立ちしなさいと言ってあげられるまで、労わられつつすこし先を見つめる
こととなりました。

パワフルに愉快に楽しく二年目となる新年度が始まろうとしています。
次の大きな行事は、5月の春の集いと総会です。

益々、面白くなってくる。


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伴奏曲考

2023年02月13日 | 詩吟
今回の吟詠発表は、コロナのため3年ぶりの開催でした。
そのため、吟題として選んだ「佳賓好主」はそのたびにそのまま更新され
練習もずっと続けていました。

初めのうち練習は、コンダクターで行いましたが、今回出吟のための練習は、
初めから伴奏曲を流して行いました。
伴奏と共に吟じるのは苦手だったのですが、ここまで練習してくるとさすがに
苦手意識はなくなり、タイミングも合うようになりました。
たまに、あぁ、心地よいと思える時すら出現しました。

選んだ伴奏曲は吟剣詩舞道伴奏曲六本 6番です。
タイミングの合わせやすい曲で、なかなか気に入っています。
結句の大山のあたりでは、無音の箇所があります。
この無音を生かすには、大山に揺りをかけると良いと思いました。
揺りは、伸びやかにしたたかに声が出せた時、きれいに揺ることが出来ます。
そのためには、喉が滑らかになるまで十分な練習を必要とします。
3時間ほど声を出していたら、いつまででも〈伸ばして、揺って〉ができる
ように体が出来上がります。
この爽快さを演出することが出来る体の準備を、どのように伝えたらよいか、
練習の度に考えます。

この爽快さは、誰でも味わってほしいし、私には、緊張して上がってしまった
挙句に体を固くならないようにと言い聞かせねばなりません。

舞台に上がって、実力を出せるようになるのは、私は生き直さねばならないと
諦めておりますが、どなたにも、体の真ん中にまっすぐな筒を再現して
支えられた伸びやかな声を手にしてもらいたい。

伴奏曲から話がそれましたが、少しでも上級の吟詠をするには、生得の
素晴らしい喉を持つ人には、分からない苦労があるのです。
カラオケに行っても、豊かで優しい声の出せる方は、羨ましいです。

昨年の6か月続いた短歌の練習は、お陰様で私に意識改革をもたらし、
そのため中音が裏返ったり出にくかったりするトラブルを克服し、一応
短歌を曲がりなりにも詠えるようになりました。

そして、心震える短歌との出会いは、もっと短歌を詠いたいと思い、
その表現は、細くてたおやかなだけではない発声ができるようにくふうをし、
お気に入りの短歌も一つ二つと増えてきました。

伴奏曲について話を戻すと、伴奏曲、マイク無しで吟詠をして見て、如何に
それらに頼って歌っていたかを如実に知ることとなりました。

これ程までと思っていなかったので、残念な思いでした。
コンダクターさえも無しに、自身の感覚だけが頼りの舞台も経験しましたが、
もう何十年も前の昔話になっていました。

施設の音響機器不調と言うのはめったにないことですが、これからも何が
あるかわからないのです。
詩吟は、素のままで詠える芸術であること、飾らない吟詠を忘れないでおこう
と思ったことでした。

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アカペラ

2023年02月13日 | 詩吟
昨日はアクシデントにより、アカベラで吟詠発表することになりました。
コンダクターによっては、ちょっとタイミングの違うものもあるという
ことが今回初めてわかりました。
その程度のことで、気持ちが揺らいではいけないのですが、大いにゆらいで
しまって、満足な吟詠とはいきませんでした。
舞台に上がると、からっきし意気地がない私ですから、コンダクターのせい
だけではありませんが。



昨日は、会の後のお楽しみで、思いっきりはじけたものですから、気持ちが
ほぐされました。
愚痴もこぼしたし、誰かのせいにもしてしました。
大きすぎる声も出していたようで、こればかりは直さねばと毎回思いますが
気が付いたら叫んでいるようです。
翌日になってそうだったらしいと付くので、困ったものです。

この処、詩吟も自分の教場だけ、生活に至っては、閉じこもりと言っても良い
生活だったので、いつの間にか気持ちが萎縮していたようです。

こんな時は、弾けるに限る。そして、上手にほぐされて、ゆとりがもてたかな。
仲間がいて良かった。本当にありがとう。
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吟友草加2月9日 その2

2023年02月10日 | 詩吟
同じ日、別の方のこと。

悩みなんて何にもない。
大病の後も驚くべき回復力で、以前よりもパワフルになられた方。

関吟流で、コンクール挑戦をします。つきましては、ご指導をとご丁寧な
あいさつを頂きました。
転句に八の高さのある吟題です。
その方の思いに応えて、関吟流の譜の正しい形について、何度も繰り返しました。
最後に、ここは、違う風に詠いたいのですとおっしゃいました。
どうやら、関吟流は、お気に召さなかったようです。
慣れ親しんだ詠い方は、情緒の表し方にも大きく影響します。
また、関吟流で長く習ってきても、テキストにある譜では満足できない所も
長年のうちには出てきます。
関吟の公式の席でなければ、どうぞ、実力を発揮する歌い方をと、いつも
申し上げています。

教室では、教科書通りに詠っていただくことを大事にして居ます。
そして、コンクールやプライベイトでは、ご自分の実力をいかんなく発揮
できる詠い方をなさってください。
自分の好きな歌い方を見つけて詠えるようになるのも、一つの通り道です。

関吟流の教場だからと言って、他流を否定するものではありません。
自在に自分らしく詠えるように、自信を持って詠えるようになって頂くのが
目標です。
一度型に入って、表現を身につけることを致しましょう。

この話をすると、思い出すのが相田みつをのヘタウマと表現される文字です。
あの境地には、一回死なねば、いや何度もやり直さなければ、到達できない
境地です。
 
自分には、今生では到達できないことを、偶々教場の会員になったからという
だけで、強要してもいいのかな。
ここでまた、立ち止まる。

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吟友草加2月9日 その1

2023年02月10日 | 詩吟
昨日の吟友草加は、会場の都合で、三時から七時の時間帯となりました。
通常三時まで、グループ練習で、新人さん向けの習い方をして居ます。
新A-1を順番に習って居ます。
休憩の後、3時ごろから、一人10分くらいの個人練習になります。
今日は、新人さんがお休みであることもあって、三時から、いつもの個人練習
をしました。

一連の発声練習の後、10分のタイマーセットをして、始めます。
今まで、やってみて、人数が少ないからと一人の時間を長くしてもあまり
メリットがないことがわかり、先ず10分で一周します。

細かい型にはめていく私の方式は、双方の集中力が必要です。
10分の集中は、私に取っても、ちょうど良く、次の人にとり替わる時、
今のところすぐにリセットできています。
いつも質問が次々と出る方も、それでもう一つ尋ねかかったときにタイマーが
鳴っておしまいになりました。タイマーのおかげで次の方のじかんですと終了
を告げることが出来ました。

グループ練習では、自分の高さで練習できる方は稀です。
今まで、さしたる不都合もなく続けていましたが、特別苦労の多い方が、
出てきました。
とても、大変そうです。ずっと心を痛めていました。

今日は、発声練習の後すぐに自分の音程で吟詠を聴きました。
驚くことに、何の問題もなく吟詠を終わられました。
いつも安定を欠く大山、中山の降りの音程を確かに詠われました。
これが、本来のその型の吟詠です。なんて素敵なんでしょう。
こわごわ出す吟声が鳴りを潜め、滑らかに声が出ます。
これまでの長い間、新しい吟題を覚えるのにどれだけ苦労をなさったか、
どれだけ、だめ出しをされて落ち込んだことか。
はじめて、この方の満足した明るい顔をみた気がしました。
初めから、その方の音程で、練習をして居たら、本来持つべき自信をもっと
早くに持つことが出来たのにと思う。
何のために、ビジターを続けてきたのだろう。申し訳なく思いました。

幸い、夢松風には、教室の終了後別時間の補習を設けています。
そして、吟友草加では、時間がたっぷりあるので、3時からは、個人練習で
吟詠することが出来るようになっています。

グループ練習にこだわらないで、その時間にいらっしゃいませ。
高さの違いで苦労をするのは所属教室だけで良いのです。

来なくて良いと伝わったのではないよねと、振り返ってみる。
たぶん、大丈夫。
もしかしたら、久し振りにいらっしゃったビジターさんには、その方の日頃の
悩みなどご存じありません。今までの地震のない吟詠を聞いていません。
ところが、本来の実力をいかんなく発揮された素晴らしい吟詠を聴いたのです
から、私のその言葉は、納得いかなかったかもしれません。
次に逢うときに、確かめてみよう。


 
「ただまっすぐすすめ!」でここまで来て、やっと、少しゆるめに
進むことを考え始めました。
その、最初の、出来事は「私って、どこまで言っていいの?」というテーマを
もらいました。

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袖振り合った人

2023年02月05日 | 詩吟
常磐線が1時間40分遅れていますとのアナウンス。
お稽古帰りの駅のホーム、すぐ前に並んでいた人がぎょっとして振り返る。
今から、1時間40分も待つのかと思ったらしい。

遅れますの駅のアナウンスほど、惑わされるものはない。
10年通い続けた池袋線は、少々の遅れはよくあったものだ。
初めは、そのたびに別の線に乗り換えたほうが良いかと、その頃は、
まだ慣れてなかった駅探を操作して調べたものだ。
田舎と違って、時間を置かず何本も来る電車は、遅れが出たところで、
さして影響がない。
前を走っていた電車が遅れてきて、私が乗車するはずだった電車の定刻よりも
何分か早く来て、それに乗ったら、いつもよりちょっぴり早く行く先に到着
なんてことも何度も経験したから、驚かない。
さっき、一つ前の駅からこちらに向かってゆっくりと進行中とも言ってたし。
遅れても今から1時間以上待つわけではなく、前の電車がすぐに来るはずです
からと、伝えると、ほっとしていた。
そのご婦人は、到着した電車に乗り、私に向かってここにお座りなさいませと
隣の席を指し示す。
最近では、見知らぬ同士がそんなことをすることはまずないから、先ほどまで
会話をしていても、座る時はそそくさと離れて座るものなのに。
私は、すぐ次の駅で降りるのだから、あまり話はできないはずだったのに、
外が暗いせいで、かなりの徐行運転していたのに気が付かなかった。
昨年最愛の夫を亡くしたばかりで病院にかかるほど落ち込んでいたら、
知り合いが食事会に招いてくれたその帰りなのです。
と、問わず語りに話し始めました。  私は、詩吟のお稽古の帰りで、
楽しくてすっきりしているところです。
大きな声を出すのは、心が解放されて、体にもいいですよと、私も問わず
語りをしました。
気持ちが落ち着いて、その気になった時に、「詩吟」と思いついてくれるかな。
この電車が遅れているなら、私の行き先は〇〇なんだけど、どこで乗り換え
したらいいかしらと、また、問わず語りにつぶやいた。
すかさずスマホを取り出して、検索すると、次の駅で乗り換えて、ご婦人が
来るときとは違う経路で帰った方が良さそうです。と伝える。
じゃぁあなたと一緒に次でおりますね。

私の乗り換える線とご婦人の乗り換える線とは、入り口が並んでいるので、
ホームから、ご一緒しました。
私〇〇と申しますとご婦人、私は△△ですと名乗りあった。
ここで若い人たちは、スマホで、連絡先を交換するだろうか。
私たちは、それだけだった。
私の乗る線の入口が先だったので、歯切れ悪くではここでと、改札へ向かう。
人が居ないので、エスカレーターまでの半分まで歩いて後ろを振り返ったら、
さっきのお辞儀をして別れたところに、ご婦人はまだ立っていて、泣きそうな
顔をして居た。
大きく手を振って、元気にお別れ。さっきより大股で、歩く。エスカレーター
前で次に振り返ったときは、電車が到着して、人が溢れ、改札もそのご婦人も
見えなくなっていた。
あと帰りをしようとした瞬間エスカレーターの一段目に足がかかった。
本当は、背中をポンポンしてあげたかった。
そして、仲良くなって一緒に大きな声を出させてあげたかった。
今思い出しても、胸が悲しみでいっぱいになる。
「いっしょにあなたと」という言葉は、意思表示だったのかな。
もっと話をという。
人と会って、賑やかな時を過ごし、電車の遅れを聞いて驚いて、さほど年の
はなれていない見知らぬ女性に自分のことを話して、改札で、お別れして。
喫茶とはいかなくても自販機のコーヒーでもお誘いしたらよかった?
いやいや、このご時世だから、不審者になる前にお別れした方が良かったよ。
名残惜しいくらいがよかったよ。と、また、次の一駅分を自分で自分を
慰める。悲しい者同士が、一瞬呼びあったんだね。
ドラマなら、また、偶然の再会があるんだろうねぇ。
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三半の音・音程

2023年02月04日 | 詩吟
夢松風土曜日教室 
今日の課題は、「偶成」
音程も確かで、最初から声も伸びやかに出ているお二人。
発声練習、滑舌の練習の効果は、はっきり自覚していて、「パタカラ」を
忘れていたら、「パタカラ」を!と所望されました。

今日は、一人お客様が短時間滞在なさったので、うちの子たちは、こんなに
優秀よと自慢したくなりました。
彼らは、若く吸収が早いので、今までの初心者には要求したことのないことを
要求してみました。
私自身の苦労の元は、早いうちに指摘がなくそれが不完全なものと認識する
ことがなく、今頃になって悪い癖になってしまったものを直すのを大変に
苦労していることがあります。

初心のうちにどこまで要求するかしないのかは、永久のテーマで、相手の
状況がそれぞれ違うため、これが正解と言うのは、見つからないのです。

この世代の二人には、大いに期待して、関吟流の型にはまって欲しいと思います。
果たして、私の手に負えることなのかわかりませんが、萬斎さんも「楷書が
出来てそれから行書」と言う表現は、いみじくも同じことを私も教室で、
言っていることだと、嬉しくなりました。

感情が入らないという人には、関吟流には、60以上の譜があります。
その型を詠えるようになるだけで、かなりの表現ができるようになります。
先ず、テキストの通りに詠う。あれこれ考えずに声を出す。
テキスト上の指示通りに正しく音階をなぞることで、表せるものは、かなり
ありますよ。

その一つとして、半音の音程を正確に取りましょう。
それだけで、詩の情緒が変わります。
三⇒六 と三半⇒六の情緒は半音の音程を正しくとるだけで変わります。

三から三半に音程を変えて、コンダクター通りに声を伸ばします。
そして次には、最初に三半の音をいきなり出します。
なかなかつかみにくいです。
そしてまた、三から三半へ音を取って三半のまま伸ばします。
その音を体に覚えさせます。

先日の徹子の部屋に出演していた、野村萬斎さんの親子孫のトークを興味深く
聞きました。
先ず、「型にはめて、はまってから、自由に羽ばたく」型にはまるまでは、
相当厳しく処したと万作さん萬斎さんともにおっしゃっていました。


彼らと、比べることもできないほど格は違うけれど、先ず、型にはまる
ということは、大事です。
初心の内から、厳しく細かく要求するのではきっといやになる。
いやになる前に、引くことも大事。それは、どこが目印?そんなものはない。

土曜日教室のお二人は、厳しいくらいにやって欲しいという。
さぁ、三人で試行錯誤しましょう。
先ずは、8月の初段昇段試験に向けて、吟題を決めて進め!

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