風のこたろう

'05年4月6日~'07年4月7日 ウランバートル生活日記
'09年8月~  詩吟三昧の徒然日記

ジップロックと重し

2021年07月06日 | 徒然に日々のことを
ジップブロックを使った梅干しつくりは、大きな容器も、重しもいらない省エネ・コンパクトで、十分においしい梅干しが作れます。

重しのおかげで、水が上がり、余分な水分が抜けていく工程を、ジップロックで密閉保存することで、水分があがって、塩分が吸収される。
重宝だなぁと感激しながら、義母の昔ながらの、長閑な梅仕事を思ってみる。

静かで暗くて涼しい場所に寝かせて置ける場所があるってことは、素晴らしい。
そして、用の終わった道具たちを置くことが出来て、邪魔にしなくて良いスペースがあることは、ゆとりのある豊かな生活だと思えるようになった。

納戸には、木の引き戸がいい。
手で触るところは、黒光りして居て、人がかかわったことがよくわかる。
そして、その扉が動く敷居も少しすり減って、艶の出ているのがいい。
丁寧に、拭きこまれた人の手の跡がある。
中の闇は、時に恐ろしく、時に心が静まってくるところだ。
恐る恐る奥の方を覗いてみると、思いもかけないものが潜んでいて、よく驚かせられたものです。

静かに寝かせておいてくれる場所が、そこにあるということが、生活にも、ゆっくり時間が流れるということで、無駄に急かすことのない心のゆとりもできてくる。

たまには、お仕置に使われて、泣き止んだ後は、気を取り直して反省するゆとりもできてくる。


ジップロックは、あっけらかんとしていて、暗闇もゆとり時間もなく、さっさと目的地へと運んでくれる。これはこれでいい。

納戸に頼らず、重しがなくても困らない育て方は、即席で、短絡で、情緒がない。

夫の実家の納戸からは、10年もの20年物の梅干しが出てきて、驚いた。
静かに、出番を待っていた塩の結晶にまみれた梅は、200歳の老人のようだ。
静かにその家の歴史を見守って、その家の結晶とエキスとを纏っているようでした。

大事に大事に食べていたその梅干しの最後の1個、長い間ツボの中にありましたが、意を決して主人の口に入れてあげました。あなたの最愛のおばあ様が作ったものだからね。
  ⇐去年の天日干し風景
どんなに倹約しても無くなってしまうことがわかってしまった時、そろそろ我が家でも梅干を何とかしなくてはと思い始めました。

狭いマンション住まいのこと、納戸と言える場所どころか、薄暗い場所さえない、あっけらかんとした空間で、作るとしたら、、、考えていたら幸運にも、梅を買った生協のレシピは、ジップロック漬けでした。
よし、納戸がなくても、重しを探さなくても、梅干しはできるぞ!と、思った去年。
今年も、ジップロックに登場願おう。


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