台南市街地の南の方にある崇徳市場、ホテルから近いこともあり、ほぼ毎朝覗きに通いました(午前のみの市場なのです)
ある日、とある小さな果物屋さんの店先に目がとまりました。
濃い紫色の大き目のフルーツ。
大事にネットで包まれています。
輸入もののプラムかしら。最近のプラムって、サイズも大きいしね。
牛奶果 ってあるけれど、牛奶ってミルクのことよね。
高級な美味しいプラムって、ミルクっぽい・・・かな? まあ、とろっとしてるし。
よくよく見ると、そばにチラシがおいてあります。あ、プラムじゃないんだ!
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食べ方案内に写っている断面を見ると、全く未知のフルーツです。 とろんとした果肉で、外側の紫色のところは食べられないみたい。
物陰にて、タブレットで検索。 (「奶」は「ナイ」って読むみたいだけれど、変換では出て来ないので、「珍珠 茶」で検索して出てくる「珍珠奶茶」(タピオカミルクティ)の奶をコピペします)
さすがネット、「スターアップル」ということが分かりました。別名スイショウガキ、カイニット。 どの名前も初耳。
ひとまず買うか!
お金を払ってびっくり、110元もしました。 1個500円近く! 台湾では、美味しい旬のフルーツがとても安く買えるので、驚異的に高価です。
値札がついていたら買わなかったかもしれないので、勢いで買ってしまってよかったかも。
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さて、ホテルにてじっくり検分。 まんまるで大きい~。 結構ずっしりしています。 表皮の感じは、プラムよりは固く丈夫ですが、ゴツゴツした木質なマンゴスチンよりは柔らかく水分を含んでいます。
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花落ち側の濃い紫に比べ、軸側は、紫色が薄く、緑色が多め。 ぽっちり丸い軸は、とても短いです。木にくっついているときの軸はもっと長いようなので、短く切ってあるのかな。
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横断方向に切るとスター模様が見えるのかもしれませんが、チラシ通りに、縦に切ってみました。 おお、写真と一緒だ。
検索して出てきた日本語ブログによると、食べる前に果実を揉むようなのですが(チラシの最初の3行にもよく見るとそんなようなことが書いてある)、果物を揉むなんてちょっと憚られ、揉まないままです。 (まあるくてほどよくずっしりして、ぽっちりがあって、そして揉むとミルク色の果汁が出ることからか、おっぱいフルーツと呼ばれることもあるとか)
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果肉は、容易にスプーンですくうことが出来、トロピカルフルーツによくあるタイプの、みずみずしいゼリー状。 とろっとしたピュレ状の果肉と、タネの周りのちょっとコリッとした部分の食感は、丁度熟柿のようです。 果汁は、上の写真で底にたまっているのが分かるでしょうか、ミルクのような白濁色。 で、味は、検索では、りんご、柿、洋梨、などに例えられていましたが、んーーーーー・・・、薄い味。 酸味は全くないです。甘さも薄め。
熱帯で広く栽培されており、詩にも詠われているということは、何らかの特徴的な風味(香り)があるはずと思うのだけれど、それがよく分かりません。 (この個体だけで考えると、マンゴスチンの方が断然美味しいと思います) Wikipediaに「とても味が良い」とあるので、ベストの果実は、また違う味なのかもしれません。
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果皮側をぎゅっと押しても、ミルク色の果汁が出てきます。
サツマイモのヤラピンの場合は白い液体がひどいアクなので、この滲み出す白い果汁を見るとドキドキしますが、スターアップルの乳液は特に変な味ではないです。 かといって、果実を揉みほぐしてこの果汁をたっぷり絞り出して食べたい、というほどの味も特になし。
揉むのはなんでだろう。 多少若い段階の場合、揉んだ方が匙ですくって食べやすいからかな。 (それくらいのやや固め果実の方が風味がちゃんとあるのかも?)
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中からはタネが7個出てきました。 富有柿のタネのような形状です。 マンゴスチンは、タネと果肉がくっついて綺麗にツルリと剥がれずもどかしいですが、これはその点ではスッキリ感があります。
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蒔いたら芽が出るんだろうか。
寒さに耐えて生き延びたとして、7年で実がなるそうだけれど、高さ20mにもなるのは大変だわ。 (そんな大きくては手入れや収穫が大変なので、果樹園では小さく育てているのかしら・・?)
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■参考情報
ベトナムやキューバでは、切手になるほどに愛されているフルーツのようです