採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

鴨脚木冬蜜 (鵝掌柴、江某、フカノキ、Schefflera octophylla)

2019-04-09 | +蜂蜜・砂糖

最近、父が蜂蜜に凝っているそう。
毎朝パンに蜂蜜を塗って食べているのだそうです。
で、台湾に行く私に、「蜂蜜をちょっと買ってきて」というリクエストが。
お安い御用です。
普段はなるべく買わないように心がけているのですが、今回は、任務ってことで、晴れて蜂蜜を買いまくれます。

とはいえ、あまり沢山も、持ち運ぶのに大変。
厳選して、次の3つを買ってきました。
(実家とうち、分け合って使う予定) 

鴨脚木冬蜜

右から
・玉荷包蜂蜜
ライチの高級品種「玉荷包」の蜂蜜です。玉荷包は、タネが小さく、果肉はとても甘く、収穫期はごく短いという稀少なものだとか。
この蜂蜜がほんとに玉荷包100%かどうかはよく分かりませんが・・・。
台南の休日ファーマーズマーケットにて購入。

・龍眼の、何かの賞を受賞した蜂蜜
龍眼(ロンガン)の蜂蜜は比較的一般的ですが、これは2017年に何かの賞を受賞したものだとか。
なのでえらく強気な値段でしたが、本当に味が違うのか知りたくて買ってみました。
龍眼蜂蜜は、母にかなり好評。どら焼きにも少々入れるだけで、風味がぐぐっとよくなるのだそうです。
うちには前の龍眼蜜がまだ少しあるので、食べ比べてみよう。(私の味覚では、違いが分からない気がする・・・)
台南の休日ファーマーズマーケットにて購入。

・鴨脚木冬蜜
初めて見る蜂蜜なので、買ってみました。
台南のカルフールに出店している「花間集」というブランドのもの。
以前買った「桜花蜜」がきめ細かい結晶蜜で、とても気に入って、また買ってもいいなあ、と見に行ったのでした。
そうしたら、桜はありませんでしたが、やはりクリーミーな結晶蜜で、柳丁(オレンジ)、そしてこの鴨脚木がありました。
「鴨脚木」なんて初耳。
オレンジ蜂蜜は、イタリア産などもあるので、買うなら珍しい方かな?

ネットにもほとんど情報はないので、折角なのでこの蜂蜜について調べてみました。

鴨脚木は、中国語の名称ですが、別名 鵝掌柴、江某。
日本語ではフカノキ。
学名はSchefflera octophylla シェフレラ・オクトフィラ。

日本語で鴨脚木と検索すると「鴨脚樹」(イチョウ)が出てきてしまいますが、銀杏とは関係ないです。
wikipediaの中国語モードにしてから検索すると、出てくるのが傘樹(日本語でブラッサイア)。
ウコギ科で、つややかな葉っぱが放射状についている掌状複葉、観葉植物としても使われる常緑樹です。
名前は初耳でしたが、観葉植物としては見覚えありました。

蜜源である鴨脚木はこのブラッサイアの一種で、8~10枚の小葉をつけることからオクトフィラとついたもの。
日本だと九州や沖縄、東南アジアや中国南部などに生育する樹木。
あたたかい地域に育つ植物のようで、どうりで欧米からの輸入蜂蜜には、この蜂蜜はないはずです。

日本名はフカノキ。沖縄のやんばる地方を代表する樹木で、沖縄名はアサグラ、アサグル。
(なぜフカ(鮫)なのか書いてあるサイトはみつからず、よく分かりませんでした)
沖縄でフカノキ蜂蜜をとっている養蜂家さんも、わずかですがいるようです。


鴨脚木冬蜜は中国の嶺南地方(五嶺/南嶺山脈より南の地域。台湾の斜め左下にあたる広いエリア)では有名な冬の蜂蜜のようです。
中央平原とは遠く離れて、険しい南嶺山脈の南にあり、台湾とほぼ同じ緯度(北回帰線がこの地域を通る)、高温多雨で、独特の植生や文化が残っていた地域のようです。

借り物写真ですが、鴨脚木の花はこんな感じ。 

鴨脚木冬蜜

9月頃から開花し、蜂の巣箱を近くにおくなどして蜜を集めてもらい、冬に蜂蜜として出来上がるので、冬蜜、というようです。

龍眼などは果樹として栽培されていますが、この鴨脚木は山に自生している樹木。
天候などにより開花の量、蜜の採れ具合などは変わってくるようで、毎年確実にとれる蜂蜜ではないようです。

いくつかの薬効があるようですが、漢方薬の考え方の薬効は純粋な薬とは違うし、それほど期待しない方がいいかも。


今回は、びっちり上まで結晶しているボトルを選んで買ってきました。
匙ですくうと、こんな感じ。 

鴨脚木冬蜜

結晶のきめはとても細かくクリーミーです。
味は、苦みがある、と書いてあるものが多いですが、しばらく時間が経って結晶した状態だからか、さほど苦みは気になりませんでした。
普通に美味しい蜂蜜として食べられる味だと思います。


一気に蜂蜜在庫が増えました。
おいしいパンを買ってこなくては☆
 





■参考情報
フカノキの花にミツバチが集まるようす

フカノキ

フカノキ蜂蜜
 とても稀少なもののようで、ネット販売をみつけるのは大変そう。
 沖縄の養蜂家さんとおつきあいのあるお店などに、わずかに出回るもののようです。
 苦みがあることから、にがあま蜜という名前になってます。
 採蜜直後のためかどうか、結晶はしておらず、琥珀色の液状。

鴨脚木冬蜜 嶺南人最愛的冬蜜(中国語)

鴨脚木蜂蜜の採蜜(中国語)(Youtube)

鴨脚木冬蜜の効果(中国語)

コメント (6)
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