昨日のウオールストリート・ジャーナル(アジア版)に、「紅茶は誰のものか?」と言う面白い記事が出ていた。
世界の金融市場の中心シティのセント・ポール寺院の3ブロック内に、8店のスターバックスの店があり、ロンドン市内には200店舗で、ニューヨークの190店舗より多いのだという。
最初の英国店は、1998年に開店し、現在では466店舗で、普通世界的には80%の客がテイクアウトなのだが、イギリスでは逆に80%が店内で飲み、食べ物も食べてくれるのでスターバックスにとっては上得意になっている。
10年ほど前から、大陸ヨーロッパやアメリカに旅行したイギリス人が、ラテやエスプレッソなどと言う強くて少し高いが美味しいコーヒーに味を染めたのを皮切りに、ヤングや都会人、ロンドンウオーカーの間で人気が出た。
イギリス人の開発チームが、ストロベリー・クリーム・フラペッチーノを開発して米国で売り出されており、イギリスでも、ローカルのチーズ・マルミット・サンドイッチを作る等工夫している。
このスターバックスの侵略により、不味いインスタントコ-ヒーしか知らなかったイギリス人の嗜好が変わって、この5年間に紅茶の売れ行きが12%も落ち込んでしまった。
イギリス人は、朝は、朝食前、中、後に飲み、昼食、夕食には欠かさず飲み、それに、アフタヌーン・ティやハイ・ティと、紅茶を飲む習慣が染み付いている。
しかし、イギリス人は、紅茶を90%家庭内で飲んでいて、レストランやパーティ等は勿論コーヒーで、外で紅茶を飲む機会が少なく、それに、日本のような喫茶店に相当するものが殆どないのが、スターバックスにやられた一因かもしれない。
イギリスでは、フィリップ殿下の出られた晩餐会やチャールズ皇太子のレセプションなど多くのパーティ等に出たが、食後は必ずコーヒーで、立派なレストランでの会食でも、食事の後は必ずコーヒーであった。
昔英国の軍隊では、下士官以下は紅茶で、上官は、コーヒーが供されたと聞くが、イギリスでは、何故かハレの場では、コーヒーである。
紅茶は、イギリス人の生活に極めて密着しているが、プライベートな生活空間を豊かにする飲み物と言う位置付けであろうか、そんな気がする。
何れにしろ、1600年代に紅茶を飲み始めて、紅茶を輸入する対価が欲しくて中国にアヘンを売りつけてアヘン戦争を引き起こし、アメリカでは、ボストン・ティ・パーティ事件までやらかしたくらい、イギリス人にとっての紅茶は特別なのである。
リッツやドルチェスターなどトップホテルでも、アフタヌーン・ティやハイ・ティのメニューを必死になって見直して、サンドイッチや食べ物を変えたり、紅茶にペパーミントやリコリスやクランベリ・フレイバーを加えたり、レモン・ベルガモット入りのブラック・ティを出すなど工夫を凝らし始めた。
世界屈指の食品会社ユニリバーが、紅茶ラテやダーク・リプトン紅茶等を抽出できるT-Birdと言う特別なティ・メーカーを開発して、リゾートやサッカー場やオフイスに50機据えつけた。
また、PG2GOと言うティ・バッグを巻き上げる糸の付いた紙コップを開発し、これを、ベーグル・ファクトリィが大々的に使用し始めて、大当たりだとか、とにかく、涙ぐましい努力が続いているようである。
この7月に、10日間ほどイギリスにいたが、パブでギネスばかり飲んでいたので、とうとう一度もスターバックスに行かなかったので、残念ながら、このコーヒーショップ事情は分らなかった。
しかし、前述したように、適当な喫茶施設のないイギリスでは、スターバックスが、大人に恰好のミーテイング・スポットを提供したわけだから、必ずしもアメリカのソフトパワーに負けたわけではないと思う。
お茶を楽しもうと思えば、イギリスでは、レストランかホテルしかなく、四六時中パブと言うわけにも行かないし、マクドナルド等も不都合だし、と言うことであろう。
しかし、やはり、美味しいバラエティに富んだスターバックスコーヒーの味には勝てないのかも知れない。
余談だが、昨年、アメリカでは、ニューヨーク、ボストン、フィラデルフィアで、何箇所かスターバックスの店に入ったが、ペンシルバニア大学キャンパス内を除いて、ビジネス街でも、何となくうらぶれた感じで気持ちの良い雰囲気ではなかった。
しかし、食べ物の量と大きさは、遥かにボリュームがあった。
世界の金融市場の中心シティのセント・ポール寺院の3ブロック内に、8店のスターバックスの店があり、ロンドン市内には200店舗で、ニューヨークの190店舗より多いのだという。
最初の英国店は、1998年に開店し、現在では466店舗で、普通世界的には80%の客がテイクアウトなのだが、イギリスでは逆に80%が店内で飲み、食べ物も食べてくれるのでスターバックスにとっては上得意になっている。
10年ほど前から、大陸ヨーロッパやアメリカに旅行したイギリス人が、ラテやエスプレッソなどと言う強くて少し高いが美味しいコーヒーに味を染めたのを皮切りに、ヤングや都会人、ロンドンウオーカーの間で人気が出た。
イギリス人の開発チームが、ストロベリー・クリーム・フラペッチーノを開発して米国で売り出されており、イギリスでも、ローカルのチーズ・マルミット・サンドイッチを作る等工夫している。
このスターバックスの侵略により、不味いインスタントコ-ヒーしか知らなかったイギリス人の嗜好が変わって、この5年間に紅茶の売れ行きが12%も落ち込んでしまった。
イギリス人は、朝は、朝食前、中、後に飲み、昼食、夕食には欠かさず飲み、それに、アフタヌーン・ティやハイ・ティと、紅茶を飲む習慣が染み付いている。
しかし、イギリス人は、紅茶を90%家庭内で飲んでいて、レストランやパーティ等は勿論コーヒーで、外で紅茶を飲む機会が少なく、それに、日本のような喫茶店に相当するものが殆どないのが、スターバックスにやられた一因かもしれない。
イギリスでは、フィリップ殿下の出られた晩餐会やチャールズ皇太子のレセプションなど多くのパーティ等に出たが、食後は必ずコーヒーで、立派なレストランでの会食でも、食事の後は必ずコーヒーであった。
昔英国の軍隊では、下士官以下は紅茶で、上官は、コーヒーが供されたと聞くが、イギリスでは、何故かハレの場では、コーヒーである。
紅茶は、イギリス人の生活に極めて密着しているが、プライベートな生活空間を豊かにする飲み物と言う位置付けであろうか、そんな気がする。
何れにしろ、1600年代に紅茶を飲み始めて、紅茶を輸入する対価が欲しくて中国にアヘンを売りつけてアヘン戦争を引き起こし、アメリカでは、ボストン・ティ・パーティ事件までやらかしたくらい、イギリス人にとっての紅茶は特別なのである。
リッツやドルチェスターなどトップホテルでも、アフタヌーン・ティやハイ・ティのメニューを必死になって見直して、サンドイッチや食べ物を変えたり、紅茶にペパーミントやリコリスやクランベリ・フレイバーを加えたり、レモン・ベルガモット入りのブラック・ティを出すなど工夫を凝らし始めた。
世界屈指の食品会社ユニリバーが、紅茶ラテやダーク・リプトン紅茶等を抽出できるT-Birdと言う特別なティ・メーカーを開発して、リゾートやサッカー場やオフイスに50機据えつけた。
また、PG2GOと言うティ・バッグを巻き上げる糸の付いた紙コップを開発し、これを、ベーグル・ファクトリィが大々的に使用し始めて、大当たりだとか、とにかく、涙ぐましい努力が続いているようである。
この7月に、10日間ほどイギリスにいたが、パブでギネスばかり飲んでいたので、とうとう一度もスターバックスに行かなかったので、残念ながら、このコーヒーショップ事情は分らなかった。
しかし、前述したように、適当な喫茶施設のないイギリスでは、スターバックスが、大人に恰好のミーテイング・スポットを提供したわけだから、必ずしもアメリカのソフトパワーに負けたわけではないと思う。
お茶を楽しもうと思えば、イギリスでは、レストランかホテルしかなく、四六時中パブと言うわけにも行かないし、マクドナルド等も不都合だし、と言うことであろう。
しかし、やはり、美味しいバラエティに富んだスターバックスコーヒーの味には勝てないのかも知れない。
余談だが、昨年、アメリカでは、ニューヨーク、ボストン、フィラデルフィアで、何箇所かスターバックスの店に入ったが、ペンシルバニア大学キャンパス内を除いて、ビジネス街でも、何となくうらぶれた感じで気持ちの良い雰囲気ではなかった。
しかし、食べ物の量と大きさは、遥かにボリュームがあった。