熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

トカイナカの春・・・華麗な枝垂れ源平桃

2006年04月10日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   近くの川面の水も温んできたのであろうか、鴨や白鷺の姿が消えて、燕が飛び交い始めた。
   土手道には、一面に土筆が顔を出していて、黄色いタンポポが彩りを添えている。
   数年前には河側の土手に一面に咲いていた菜の花が、いつの間にか消えてしまって、僅かに残った種が咲かせた花がちらほら。一昨年、トスカナ地方をバスで走った時、種が飛んで土手に咲いたヒマワリを見たが、雰囲気が似ている。

   子供の頃を過ごした宝塚の田舎には、春には雲雀が空高く舞い上がって囀っていたのであるが、千葉のトカイナカには、雲雀はいないのであろうか。
   もう一つの違いは、レンゲ草の花がないこと。関西にはレンゲが多く、肥料の変わりか水田になる前の畑には一面にピンクと緑の絨毯が敷き詰められたように咲いていて美しかった。
   石舞台と飛鳥寺を訪ねて明日香村を訪れた時、畑は一面のレンゲ草の花畑で、その素晴しさに感激したのを覚えている。

   田舎道を歩いていると、遠くの林の中から鶯のさえずりが聞こえてくる。
   農家の庭先や林の中に咲いている桜や桃の花が、薄曇の空気を通して、雲のように霞んで浮き上がっているのが風情があって良い。

   千葉も、船橋くらいまでは東京の延長だが、急速に開発の進んでいる北の千葉ニュータウンや成田に近い京成沿線などには、まだ、田舎の雰囲気が残っている、所謂、トカイナカであり、季節の変化を身近に感じることが出来る自然が残っている。
   今、千葉から北総にかけて、田舎道を車で走ると、農村地帯の民家や田畑、林などに花々が咲き乱れていて、それに、萌え始めた新緑がアクセントをつけた美しい風景を楽しむことが出来る。

   公園のソメイヨシノも、大嵐の後に満開を迎えてその後寒くなったので、まだ、満開に近く華やかさを保っている。
   八重桜も咲き始めたので、今年は、色々な種類の桜が同時に咲いていて、なかなか、面白い。
   モミジも若葉が萌え始めて、秋の紅葉とは一寸違った風情が中々良い。

   近くには、古くからの農家があって、大きな屋敷の周りの畑に連なる庭には、櫻や椿、桃やボケ等の花木が咲き誇っていて華やかである。
   何故か、この辺りは、立派な枝垂れの源平桃の木があっちこっちに植えられていて、今を盛りに咲いている。重い八重の花びらをビッシリ付けているので、梅や櫻と一寸違った華やかさがある。
   
   この口絵写真の源平桃は、その中でも、格別に大きく育った大木で、横幅10メートルを越えていて、林を抜けると急に眼前に現れるので、その豪華さにビックリする。
   生垣に囲まれた農家の庭に植えられているので、真正面から全景を見られないのが残念だが、反対側の孟宗竹の竹林から畑を通して遠望すると、後方遠くに、高層アパートが浮かび上がるのが少し無粋で面白くない。

   良いことなのかどうかは分からないが、最近、雉が棲んでいた近所の森がブルドーザーで壊され宅地に整地されてしまった。
   まだ、鶯が棲む林が残っており、わが庭にも色々な野鳥が訪れてくれるので、良しとしなければならないのかも知れないが、ドンドン自然が壊されて行くのが恐ろしい。

   
   
コメント (1)
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