IT時代に入ってから、特に、インターネットが普及し出してからは、世界の文明地図は完全に塗り替えられてしまった。
匠の国ドイツのマイスターの世界も、日本やアメリカの大量工業生産方式の時代も、遥かに遠くになってしまって、今では、バーチャルか現実か混在して分からなくなってしまった世界、人類はIT時代の真っ只中にいる。
今でも、日本は世界第2位の経済大国なので、日本を世界でもトップクラスの優秀な国だと思っている人が多いが、多くの世界水準の文明指標では、日本の地位は非常に低くなっている。
大変なバブル景気で、一時は世界第一の大国になりアメリカを凌駕する日も近いと言ったJapan as No.1論が世界を駆け巡ったが、浮かれ過ぎて罰が当たって(?)永い永い大不況に陥ってしまった。しかし、その間に、眠っていただけではなく、古い前世紀の経済社会制度を変えることなく温存してしまって、上手く時代の趨勢に乗れなかったので、大きく世界の潮流から遅れを取ってしまった。
大前氏は、グローバル・エコノミーの特徴を、ボーダーレスで、目に見えない、サイバー技術でつながっていて、企業はマルチプルで測られるとしている。
とりもなおさず、このグローバル・ステージの到来は、その多くをインターネットを中心としたIT革命に負っている。
氷に閉ざされて交易さえままならなかったアイスランドでは、隣の住人との接触さえ1日がかりであったが、インターネットの接続のお陰で、今日では、全国内がネットで統合されて瞬時に対応できる単一の経済社会として機能している。
情報産業化社会においては、地理的物理的な障害が、最早、経済発展を阻害する要因ではなくなったのである。
フィンランドは、税負担は非常に高いが、元々北欧の福祉国家が充実しており教育水準が非常に高く、それに、フィン語が特殊なので英語の普及率が高いので、IT革命の潮流に乗って、今日では、世界最高水準の生産性と競争力を誇る最も豊かな国に仲間入りをしている。
フィンランドは、ノキアの本国だが、携帯電話の普及率が90%に達しており、ネットワークの接続性、柔軟性はトップランクで、ITとeビジネスへの対応の良さは世界最高水準だと言う。
私がフィンランドを訪問したのは、90年代の初期で、ベルリンの壁が崩壊した直後であった為に、ソ連経済に連動していたフィンランド経済は非常に悪化していて苦しい時期であった。
最初はプライベート旅行、次は、経済ミッションでの旅であったが、当時のフィンランドは、経済悪化でソ連市場に期待出来なくなったので、中国などアジア市場の開拓等を模索していた。
美しい清潔な国であったが、産業に乏しい普通の国で、訪問した企業なども日本のTQCを一生懸命真似ていたようで、今日の偉大なIT国家になる片鱗さえ見せていなかった。
ムーミンとサンタクロースの国で、キッチン、木製品や繊維製品などが質が良く、アラビアの陶磁器など面白いので今でもいくらか手元に置いて愛用している。
もっとも、バルト海を航行する観光船は素晴らしかったし、今でも世界最高の内装の豪華船を建造するなど生活の質に対するこだわりなど民度は極めて高い国であった。
ノキアの国内市場はたったの1%で、世界を相手にしないと生きてゆけないグローバル・エコノミー真っ只中の経済国家がフィンランドで、リナックスのライナス・トーヴァルスが生まれ出るのは当然なのかも知れない。
かっては歴史の流れがゆっくりしていて、大国になって世界の中心になるためには、大変なリードタイムが必要で、経済力軍事力などは勿論、地政学上などあらゆる条件が揃わなければならなかった。中国、ローマ、イギリス、アメリカ、然りである。
しかし、今日のITで裏打ちされたグローバル・エコノミーの舞台では、そのような古い経済社会を律してきた地理的物理的条件が消滅して、如何に小国であっても、知的武装を行いIT技術を駆使すれば一挙に文明社会の前面に躍り出ることが出来る。そんなことを、フィンランドやアイルランドの発展が教えてくれている。
15年程前だが、イギリスに長い間住んでいながら、もう一つのIT先進国アイルランドには行けなかったのが残念である。
英国の北アイルランドには仕事で出かけたが、確かに民度の高い教育に力を入れた素晴らしい地方であったが、残念ながら、IRA等過激派の活動が活発で、繁華街にも戦車が常駐しておりビルへの入場チェックが極めて厳しかったので、事業での進出は怯まざるを得なかった。
アイルランドは、国土の疲弊が激しくアメリカへ大挙して移民を送り出した貧しい国だったが優秀な人材を輩出した偉大な国でもある。
そのアイルランドだが、やはりフィンランドのように教育水準が非常に高くて英語は母国語、技術立国の国で、今や世界の最先端を行くIT国家だと言う。
日本は天然資源の乏しい貧しい国だが、優秀な人的資源があると言われて世界一の工業大国に上り詰めてきた。
大きくなりすぎて、総身に知恵が回らず制度疲労を起こしてしまったが、IT時代のグローバル・エコノミーでの次の舞台でどんな役割を演じることが出来るのであろうか。
匠の国ドイツのマイスターの世界も、日本やアメリカの大量工業生産方式の時代も、遥かに遠くになってしまって、今では、バーチャルか現実か混在して分からなくなってしまった世界、人類はIT時代の真っ只中にいる。
今でも、日本は世界第2位の経済大国なので、日本を世界でもトップクラスの優秀な国だと思っている人が多いが、多くの世界水準の文明指標では、日本の地位は非常に低くなっている。
大変なバブル景気で、一時は世界第一の大国になりアメリカを凌駕する日も近いと言ったJapan as No.1論が世界を駆け巡ったが、浮かれ過ぎて罰が当たって(?)永い永い大不況に陥ってしまった。しかし、その間に、眠っていただけではなく、古い前世紀の経済社会制度を変えることなく温存してしまって、上手く時代の趨勢に乗れなかったので、大きく世界の潮流から遅れを取ってしまった。
大前氏は、グローバル・エコノミーの特徴を、ボーダーレスで、目に見えない、サイバー技術でつながっていて、企業はマルチプルで測られるとしている。
とりもなおさず、このグローバル・ステージの到来は、その多くをインターネットを中心としたIT革命に負っている。
氷に閉ざされて交易さえままならなかったアイスランドでは、隣の住人との接触さえ1日がかりであったが、インターネットの接続のお陰で、今日では、全国内がネットで統合されて瞬時に対応できる単一の経済社会として機能している。
情報産業化社会においては、地理的物理的な障害が、最早、経済発展を阻害する要因ではなくなったのである。
フィンランドは、税負担は非常に高いが、元々北欧の福祉国家が充実しており教育水準が非常に高く、それに、フィン語が特殊なので英語の普及率が高いので、IT革命の潮流に乗って、今日では、世界最高水準の生産性と競争力を誇る最も豊かな国に仲間入りをしている。
フィンランドは、ノキアの本国だが、携帯電話の普及率が90%に達しており、ネットワークの接続性、柔軟性はトップランクで、ITとeビジネスへの対応の良さは世界最高水準だと言う。
私がフィンランドを訪問したのは、90年代の初期で、ベルリンの壁が崩壊した直後であった為に、ソ連経済に連動していたフィンランド経済は非常に悪化していて苦しい時期であった。
最初はプライベート旅行、次は、経済ミッションでの旅であったが、当時のフィンランドは、経済悪化でソ連市場に期待出来なくなったので、中国などアジア市場の開拓等を模索していた。
美しい清潔な国であったが、産業に乏しい普通の国で、訪問した企業なども日本のTQCを一生懸命真似ていたようで、今日の偉大なIT国家になる片鱗さえ見せていなかった。
ムーミンとサンタクロースの国で、キッチン、木製品や繊維製品などが質が良く、アラビアの陶磁器など面白いので今でもいくらか手元に置いて愛用している。
もっとも、バルト海を航行する観光船は素晴らしかったし、今でも世界最高の内装の豪華船を建造するなど生活の質に対するこだわりなど民度は極めて高い国であった。
ノキアの国内市場はたったの1%で、世界を相手にしないと生きてゆけないグローバル・エコノミー真っ只中の経済国家がフィンランドで、リナックスのライナス・トーヴァルスが生まれ出るのは当然なのかも知れない。
かっては歴史の流れがゆっくりしていて、大国になって世界の中心になるためには、大変なリードタイムが必要で、経済力軍事力などは勿論、地政学上などあらゆる条件が揃わなければならなかった。中国、ローマ、イギリス、アメリカ、然りである。
しかし、今日のITで裏打ちされたグローバル・エコノミーの舞台では、そのような古い経済社会を律してきた地理的物理的条件が消滅して、如何に小国であっても、知的武装を行いIT技術を駆使すれば一挙に文明社会の前面に躍り出ることが出来る。そんなことを、フィンランドやアイルランドの発展が教えてくれている。
15年程前だが、イギリスに長い間住んでいながら、もう一つのIT先進国アイルランドには行けなかったのが残念である。
英国の北アイルランドには仕事で出かけたが、確かに民度の高い教育に力を入れた素晴らしい地方であったが、残念ながら、IRA等過激派の活動が活発で、繁華街にも戦車が常駐しておりビルへの入場チェックが極めて厳しかったので、事業での進出は怯まざるを得なかった。
アイルランドは、国土の疲弊が激しくアメリカへ大挙して移民を送り出した貧しい国だったが優秀な人材を輩出した偉大な国でもある。
そのアイルランドだが、やはりフィンランドのように教育水準が非常に高くて英語は母国語、技術立国の国で、今や世界の最先端を行くIT国家だと言う。
日本は天然資源の乏しい貧しい国だが、優秀な人的資源があると言われて世界一の工業大国に上り詰めてきた。
大きくなりすぎて、総身に知恵が回らず制度疲労を起こしてしまったが、IT時代のグローバル・エコノミーでの次の舞台でどんな役割を演じることが出来るのであろうか。