熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

新宿御苑の菊花壇展

2006年11月01日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   新宿御苑に久しぶりに出かけたら、菊花壇展を開いていた。
   15日までのようで、まだ、少し早いのか、肥後菊花壇の菊は殆ど蕾だし、大作り花壇や懸崖作り花壇の花もまだ満開には程遠く葉が目立っていた。
   1週間後くらいが見ごろかも知れない。

   しかし、大菊花壇は満開で、豪華な菊花のオンパレードで、花びらが花の中央に包み込むように丸く咲く大輪の花の行列が、黄・白・赤と綺麗に並んでいる姿は、正に、素晴らしいの一言に尽きる。
   京都の寺院などの庭にも、今、満開の菊の花が並べられているのであろうが、私の記憶に残っている菊の印象は、丹精込めて育てられたこの大菊の豪華な姿である。

   もう一つ満開だったのは、伊勢菊・丁子菊・嵯峨菊花壇の花で、ぽんぽんダリヤの様なアネモネ咲の丁子菊を真ん中に、右側にはちじれた花びらの伊勢菊、左側には細長い花びらの嵯峨菊が並んでいて、この後の二種類は面白い形をしていて普通には見かけない。
   確かに、嵯峨菊は、京都で観た記憶はあるが、葉っぱを見なければ菊だとは分からない。

   菊は、奈良時代に渡来したと言われているが、皇室の紋章にもなっている日本の象徴のような花であり、野菊に似た花はあるが、外国では見た記憶がない。
   色々な花を品種改良しているオランダでも見たことはないし、ガーデニングが盛んなイギリスの公園など結構訪れているが、ここでも見ていないような気がする。
   欧米では、べったりとした花びらの広いバラや椿やアザレヤやユリのような花が好まれて、菊のように花びらが糸のように細長くて込み入った花は好みではないのであろうか。

   私自身も、菊は栽培と手入れが難しいような気がして、まだ手がけていないのだが、一株の菊に1年がかりで枝数を増やして何百輪の花を咲かせて半円球の大きなドーム状に育てる大作り菊など日本人にしか出来ない芸当かも知れないと思っている。
   この新宿御苑でもそうだが、菊花展と言っても、バラ園のように大々的に庭全体がバラで埋め尽くされるようなことはなく、ひっそりと小屋掛けしたこじんまりした空間に展示される。
   菊作りは、盆栽のような、緻密で根気の要る園芸だろうと思っているので、私には縁がなく、観賞するだけにしている。

   新宿御苑の花は、バラがまだ少し残っているが、もう冬支度で殆どなく、池畔のススキが真っ白になり、ポプラ並木のポプラの葉が落ち始めている。 
   もう一月ほどするとモミジが美しく紅葉するのであろうか。
   広い芝生に子供たちと若いお母さん達が秋晴れの涼風を楽しんでいた。
コメント (1)
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