熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

ジョウビタキの訪れ

2006年11月07日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   すずめより一寸大きくて尾の長いスマートな褐色の鳥ジョウビタキが、わが庭を訪れている。
   胸は鮮やかなオレンジで、翼には派手な白斑がついていて飛び立つと良く目立つ。
   つぐみの種類で北の国から飛んできて越冬する冬鳥だが、群れないのであろうか、一羽だけ、庭の地表を掘り起こして地中の昆虫を探している。

   時には、葉の散った枝垂れ梅の枝で小休止している。
   隣にぶら下がっている蓑虫には見向きもしない。

   雁や鴨と同じで、秋になると北の国から何千キロも飛んで日本に渡って来ると言う。
   先日、NHKでひ弱な筈の蝶が沖縄から関東に渡ってくる様子を放映していたが、小鳥達の渡りの習性にも感心する。
   同じくNHKのTVで、鶴の群れがインドの草原からヒマラヤ山脈を越えて北へ渡って行く様子を見たことがある。
   たった一回の上昇気流に乗る為に、麓の田んぼで何日も待機して待っていて、風向きが幸いすると、一斉に真っ白なヒマラヤの頂上を目指して上昇して行く鶴の大群を見て感動したことがある。
   6000メートル以上のヒマラヤを一挙に飛び越えるのである。

   私は、トンビが、風もないのに上空で静止しながら遊泳しているのを見て不思議で仕方がなかった。
   しかし、一度、スイスのユングフラウ・ヨッホで、頂上の展望所に立っていた時、急にイタリア側の谷底から上昇気流が吹き上げてきてトンビが一挙に上空に舞い上がったのを経験したことがあるので、ここで初めて納得した。
   鶴たちも、この上昇気流に乗ってヒマラヤ越えをしたのであろう。

   シベリアのどの辺りから来たジョウビタキであろうか。
   この鳥は、毎年同じ場所に飛来する律儀な習性のある鳥で、一度決めたら死ぬまで訪れると言われている。
   このジョウビタキを来年も迎えるためにはどんな準備をしたら良いのか、ピラカンサの木は切ってしまったし、昆虫をどうすれば地中に呼び込むことが出来るのか分からないし、はたと困ってしまった。
   何度も上空を飛んだ凍て付いた茫漠としたシベリアの景色を思い出しながら、ジョウビタキの動きを追っていた。
   
コメント (1)
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