熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

上野東照宮の冬牡丹

2011年02月01日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   冬牡丹の季節である。
   日本各地では大雪で大変だが、関東平野の南部は、寒いけれど、殆どの日が晴天で、春の草花も少しずつ春の準備を始めている。
   何時ものように、風が穏やかで少し暖かくなった日に、上野東照宮の冬牡丹を見に出かけた。

   相変わらず妍を競って美しいが、今年は、花の咲き具合が早かったのか、殆どの花が盛りを過ぎていて、大分くたびれていた。
   それに、晴天続きで水が切れたのか、かなり葉っぱが萎れてしまった木があるなど、見ごろを失した牡丹見物で、少し、写真の意欲も削がれてしまった感じであったのが、一寸、残念であった。
   昨年は、幸いにも、珍しく降った雪が、地面に少し残っていて風情があったので、そう感じるのかも知れない。
   上野東照宮のぼたん苑は、商売気がないのかサービス精神が不足しているのか、他の花園や植物園などのように、花の咲き具合の情報など、ホームページに載せないので、訪れるタイミングが難しい。

   苑内には、牡丹以外に、色々な花木や草花が植えられているので、ところどころで、花を添えていて面白い。
   紅千鳥と言う名の濃いピンクの鮮やかな八重咲きの梅が美しく咲いていて、冬の弱い陽を浴びて逆光に輝く黄色い蝋梅や、厚ぼったい蝋のようなミツマタ、そして、下草の可憐な水仙。
   花ではないが、万両、それに、黄色と赤の千両。
   今年は、小鳥の声が聞こえなかった。

   昨年は、修復の為か、東照宮の本殿は、建設用の覆いに囲われていたが、今回は、唐門だけ、綺麗になって鮮やかな美しい姿を現していた。
   日光東照宮の方がはるかに立派で美しいが、多少、わびさびファンにとっては、このごてごてした彩色の鮮やかな装飾過多の建物を嫌う傾向があるのだが、私自身は、これはこれで、立派な日本の文化遺産だと思っている。
   歌舞伎の世界は、正に、この世界で、元々、奈良や京都の寺社建築も、赤や緑や金色に光り輝いていたのだし、第一、仏像などは、黄金色であったり極彩色で荘厳されていたのである。

   上野は、東大も近いし、芸大や多くの立派な博物館、それに、東京文化会館など文化の香りの高いところでもあるが、公園のあっちこっちには、ブルーのテント。
   池もあり公園もあり動物園もあり、それに、アメ横。
   上野駅も大分ショッピング・スペースが広がって便利になったが、やはり、まだ、石川啄木の世界が残っている。
   観光客が沢山集まっている賑やかで不思議な街が、上野である。
   
コメント
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